すちゃらかな日常 松岡美樹

サッカーとネット、音楽、社会問題をすちゃらかな視点で見ます。

【J1首位決戦・2連戦分析】どこからプレスをかけるのか? ~川崎F vs 名古屋

2021-04-30 05:46:45 | サッカー戦術論
高い位置でプレスをかけない戦術の古さ

 変則日程で4月29日に行われた、J1リーグ第22節の首位決戦・2連戦の第一幕。

 マッシモ・フィッカデンティ監督が欠場したショックは、名古屋のメンバーのメンタル面に大きな影を落とした。

 そのせいで十分な力が出せなかったことは否定できない。

 だが、それを差し引いても川崎Fとの戦術の差は明らかにあった。

 それは第2戦となった5月4日の第12節でも顕著だった。

 名古屋はこれまで相手ボールになればミドルサードにリトリートし、4-4-2の守備ブロックを作り堅守を誇っていた。

 だがこの連戦では高いゾーンに踏みとどまることができず、引きすぎて敵のパンチを浴び続けた。これが敗因のひとつだ。

トランジションを意識せよ

 また、もう一点は戦術の古さである。

 名古屋はピンチになると引いて守るだけで、ほかの手立てがない。例えば敵のビルドアップに対しハイプレスを行わない。

 また高いゾーンでボールを失った場合、集団で一気にカウンタープレスを見舞うこともない。

 さらには選手にもっと強い意識づけをし、ポジティブ・トランジション(守→攻の切り替え)を認識させ、速いショートカウンターを打てるようになる必要があるのではないか?

 切り替えの速さは特にマテウスに求められる(彼はムラっ気がある)。

 このあたりがトランジションをめぐる川崎Fとの大きな違いであり、ただ引くだけの名古屋の戦術はやや古色蒼然として見えてしまう。

 この論点はひと昔前の日本代表でも盛んに話題になった、「どこからプレスをかけるのか?」問題である。

ハイプレスを導入してはどうか?

 名古屋はこのさい思い切って、引いて守るだけでなくハイプレスを導入してみたらどうだろうか?

 加えてトランジションをもっと選手にイメージさせ、ひんぱんに速攻を打てるようになるべきだ。

 名古屋は引いて守ることが多いのだから、ボールを奪ってからの切り替えの速さは不可欠だろう。リトリートする以上、絶対にそこを武器にするべきだ。

 こうした問題は前半6分に失点し、なすすべなく負けた第10節のサガン鳥栖戦でもクローズアップされていた。

 シーズン途中でのモードチェンジだけに難しい面もあるが、トライしてみる価値は十分にある。

 まだまだシーズンは長いのだ。

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