すちゃらかな日常 松岡美樹

サッカーとネット、音楽、社会問題をすちゃらかな視点で見ます。

【サッカー日本代表】デュエルをめぐる噛み合わない議論を整理する

2016-11-26 08:51:26 | サッカー戦術論
ハリルは日本人の弱点を指摘しているのか?

 ハリルはしきりに「デュエル(球際の強さ)が大事だ」と強調する。で、それを契機に巷では目下、こんな議論が起こっている。

 ある人は、「いや、日本人はフィジカルが弱いんだから、1対1でなく数的優位を作って勝つサッカーをすべきだ」と現実論をいう。それに対してある人は、「個の強さは大事だ。サッカーでは組織以前に、まず個の強さがベースにあるべきだ」と原則論を掲げて反論するーー。

 なんかこれ、どっかで見たことありますね? そう、フィリップ・トルシエが代表監督だったころに巻き起こった「個か? 組織か?」の議論なのだ。デュエルの話がいつのまにか、またあの議論になっている。日本人は好きだなぁ、この話が。とはいえ「数的優位を作れ」というのも正しいし、「まず個の強さだ」ってのも正論。かくて議論はまたもや堂々めぐりと相成ってしまう。

 だが今回の議論がどうも噛み合わないのには、理由がある。それは「ハリルはそもそもどういう意図で『デュエル』を強調してるのか?」という議論のベースをスッ飛ばしているからだ。

 というのも当初、ハリルのデュエル論を聞き、多くの人はこう考えた。

「ああ、日本人は球際の競り合いが弱いから、『弱点を修正しようよ』とハリルは言ってるんだろうな」

 ところがその後、ロングボールを前線に入れて競り合わせるハリルの戦い方を見て、ある疑念が起こった。

「ひょっとしたらハリルは日本人の弱点を分析してたんじゃなく、『デュエルを武器(売り物)にして勝つチーム』を作ろうとしてるんじゃないか?」

「日本人はデュエルが弱いからそこを修正しよう」というのと、「デュエルで勝つチームを作ろう」というのは似て非なるものだ。まったく意味がちがう。わかりやすくいえば前者は「弱点を人並みにしようよ」という話。ところが後者は、「局面をあえてデュエルの戦いに持ち込み、デュエルの強さでこそ勝つチームを作ろう」という戦略論だ。

 そこで「えっ? ハリルがデュエルを唱えるのは、日本人の弱点を指摘してたんじゃないのか? そうではなく、『デュエルで勝つ』チームを作るって意味なのか? 話がちがうぞ」。そんな疑問をもつ人が出るようになった。で、冒頭にあげた「個か? 組織か?」みたいな議論になってるわけだ。

 日本人は「個の強さ」をもっと上げるべきだが、「デュエルを武器に戦う」というのが日本代表の指針として正しいのかどうか?
  
 みなさんはどう思いますか?

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