すちゃらかな日常 松岡美樹

サッカーとネット、音楽、社会問題をすちゃらかな視点で見ます。

【スイス戦】本田、宇佐美と心中する西野ジャパン 〜日本0-2スイス

2018-06-09 13:26:30 | サッカー日本代表
あれだけ攻めを遅らせては勝てない

 敵は守備隊形が崩れている。速いカウンターのチャンスだ。なのに日本はムダな横パスとバックパスを繰り返し、攻めを遅らせてしまう。かくて、その間に敵は守備組織を整えてしまい、日本の攻撃ははじき返されてしまうーー。ガーナ戦もまったく同じ展開だったが、この試合でもそんなシーンのオンパレードだった。

 典型的なシーンは前半31分にあった。ハイボールの競り合いのこぼれ球を大迫が拾う。スイスはまだ守備の態勢が整っていない。この時点では4対3で日本が数的優位だった。ここで速いカウンターをかければ一発で決まる。

 だがなんと日本はここから2~3メートルの弱い横パスを4本、バックパスを3本もムダに繰り返し、タテに速く攻めようとしない。ボールをつなぐことに夢中で、攻めが前に進まないのだ。

 結果、その間にスイスはどんどん選手が自陣に戻り、最後にはスイスは11人全員が自陣に引いた。繰り返すが、日本ボールにした時点では4対3だったのだ。日本はムダにボールをこね回し、スイスが守備の態勢を整えるのをわざわざ待ってやってから攻めている。

 で、そのうちにリトリートしてきたスイスの選手にがっちり守備ブロックを作られ、日本はそのブロックの外側で安全に横パスを回しているだけになる。こうなる前に、速く攻めたいのだ。どうタテに速く攻めるか? そのアイデアがない。単に「ボールを大事にして」横につないでいるだけだ。これでは勝てない。

 ポゼッション率だけが意味もなく高い、ゴールを目指さないサッカーだ。そう、この記事でも解説した、ガラパゴス化した日本式パスサッカーなのである。

 どうやら日本のサッカーは、ハリルが来日する前の姿にすっかり戻ってしまったようだ。現にハリルはこのありさまを見て、「もっとタテに速く」「速いカウンターをかけろ」と修正策を出したのだからーー。

 なぜ時計の針は戻ったのか? ハリルジャパン時代は縦に速かった日本代表は、なぜ弱い横パスとバックパスをムダに繰り返すようになったのか? 元凶はだいたい想像がつく。本田がチームメイトに「距離感」が大事だと触れ回り、遅攻をやろうと洗脳したのだろう。

 オシムは「腐ったリンゴを取り出さなければ、周囲のリンゴも腐ってしまう」と言った。かくて日本代表はオシムが予言した通りになったわけだ。

 腐ったリンゴだらけのこのチームに未来はない。まずやるべきことは、足元にばかりボールを欲しがり、走らず守備もしない本田と宇佐美を切ること。そして以下の修正策を講じることだ。

【日本を救う6つの対策】

1. ムダな横パスとバックパスをなくす。

2. カウンターのチャンスには、相手の守備隊形が整わないうちに速く攻め切る。

3. グラウンダーの弱いショートパスを減らす。

4. 放射状のミドル〜ロングパスで、ピッチを広く使ったワイドな展開をする。

5. フィールドを斜めに横切るダイアゴナルな長いサイドチェンジをする。

6. 柴崎と大島をインサイドハーフ、武藤を右WGで3人同時にスタメンで使う。フォーメーションは長谷部アンカーの4-1-4-1。

 なお4バックの守備は、ガーナ戦の3バックよりはるかにマシだった。もはや時間がない。3バックはきっぱり捨て、トレーニングの時間を4バックによる連携の熟成に集中させるべきだ。それしかない。

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