すちゃらかな日常 松岡美樹

サッカーとネット、音楽、社会問題をすちゃらかな視点で見ます。

【ハリルジャパン】またマスコミのネガな情報操作が始まった

2018-03-27 08:36:04 | サッカー日本代表
「チームはバラバラ」と煽って売る

 マリ戦が1-1で引き分けに終わるやいなや、マスコミは蜂の巣を突いたような騒ぎになっている。彼らが問題にしているポイントは2つだ。1つは「選手がハリルに反乱を起こした。もうチームはバラバラだ」なるフィクション。2つめは「W杯直前なのにマリに勝てないなんて大丈夫か? 本番に間に合うのか?」てな煽りである。

 では1点目の「チームはバラバラだ」論から行こう。メデイアというのはまず持ち上げて話題を作って部数を売り、ひと段落したら今度はどん底に落としてまた話題を作って売る。それがマスコミの典型的なビジネスモデルだ。

 ハリルジャパンはロシアW杯をめざすアジア最終予選を突破した。この時点でメディアはさんざん持ち上げ、たんまり稼いだ。さあ、お次はどん底に落として売る番だ。で、目下、マスコミはしきりに「あるストーリー」を作りたがっている。

 すなわち、ハリルはマリ戦で「縦に早く」とロングボールばかり要求した。しかたなく選手は放り込みに終始したが、試合後には異議申し立てをし「俺たちはパスを繋ぎたい」と反乱を起こし始めた。しかもゲーム内容は散々。もはやチームはバラバラだーー。そんなフィクションを、メディアは事実であるかのように仕立てたいわけだ。

 では実態はどうか? マリ戦の特に前半はロングボールなんて数えるほどだ。逆にハリルジャパンの面々はメディアが作りたがっているフィクションとは正反対に、ゲームの前半は日本人が大好きなパスサッカーを展開した。前半は明らかに日本が優勢。しかも前回の記事で分析した通り、シュートに至った決定的チャンスは前半に少なくとも8回あった。そのうちほんの2本でも決めていれば、前半でゲームは完全に終わっていたのだ。

 おわかりだろうか? 「選手が反乱」みたいなお家騒動はマスコミの大好物。読者の興味をひきやすい売りのツボだ。で、1-1の引き分けに終わったマリ戦をネタに「ハリルと選手が戦術をめぐり対立」「チームがバラバラで勝てなかった」てな話にしたくてたまらないわけだ。

マリ戦、ウクライナ戦は選手選考の場にすぎない

 さてマスコミが問題にしている2つ目のポイントへ行こう。「こんな本番直前なのに格下に勝てないなんて大丈夫か?」なる疑問である。

 そもそもマリ戦とウクライナ戦は、FW中島のようなまったくの新戦力や、本田、宇佐美、柴崎ら「復活組」をかき集めてテストする場だ。つまりどの選手をW杯本番へ連れて行くのか、チェックするためのテストマッチにすぎない。そりゃコメントを求められればハリルは「勝ちに行く」と口では言うだろうが、おそらく勝負にはこだわってない。

 例えばマリ戦のスタメンなんて完全なレギュラーは大迫と長谷部、長友の3人だけだ。あのメンバーで「今まで通りのサッカーをして圧勝しろ」なんてヘソが茶をわかす。従来のレギュラー完全固定で勝てなかったのなら別問題だが、繰り返しになるがこの3月シリーズは「勝つこと」が目的ではない。あくまで選手選考のための場なのだ。

「マリは仮想セネガル、ウクライナは仮想ポーランドだ」などというのは、マスコミが勝手に話を盛り上げて部数を売りたいためのキャッチフレーズにすぎない。

 だいたい本番直前のこの時期にレギュラー固定して「本来のサッカー」なんてやった日には、W杯の対戦相手に徹底研究されてしまう。逆に対戦相手によって戦術や選手まで変える策士のハリルは、この段階でライバル国に「丸裸」にされないよう、わざわざマリ戦とウクライナ戦を選手のセレクションに特化した試合に位置付けたんじゃないか? などと私はカンぐっている次第だ。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする