すちゃらかな日常 松岡美樹

サッカーとネット、音楽、社会問題をすちゃらかな視点で見ます。

【代表メンバー発表】またハリルの「ないものねだり」が始まった

2018-03-16 08:17:50 | サッカー日本代表
持ち味と違うプレイを求める悪いクセ

 欧州遠征に挑む日本代表メンバーが発表された。3月23日にマリ代表、3月27日にウクライナ代表と対戦する。メンバーは以下の通りだ。

GK
川島永嗣(FCメス)
東口順昭(ガンバ大阪)
中村航輔(柏レイソル)

DF
酒井宏樹(マルセイユ)
遠藤航(浦和レッズ)
昌子源(鹿島アントラーズ)
植田直通(鹿島アントラーズ)
森重真人(FC東京)
槙野智章(浦和レッズ)
長友佑都(ガラタサライ)
車屋紳太郎(川崎フロンターレ)
宇賀神友弥(浦和レッズ)

MF
長谷部誠(フランクフルト)
三竿健斗(鹿島アントラーズ)
山口蛍(セレッソ大阪)
大島僚太(川崎フロンターレ)
柴崎岳(ヘタフェ)
森岡亮太(アンデルレヒト)

FW
本田圭佑(パチューカ)
久保裕也(ヘント)
宇佐美貴史(デュッセルドルフ)
原口元気(デュッセルドルフ)
中島翔哉(ポルティモネンセ)
大迫勇也(ケルン)
杉本健勇(セレッソ大阪)
小林悠(川崎フロンターレ)

ハリルは「あるがまま」を肯定できない

 さて、選手に関するハリルの選評を見ていると、「また例のやつが始まったな」という感じがする。選手の「あるがまま」=持ち味を素直に肯定できない。ハリルは選手をいじり、自分の理想とするタイプに作り変えようとする。セレクション型でなく、フィロソフィ型の監督ゆえだ。

 例えば本田に関し「足元でボールをもらうだけでなく、裏のスペースにも走りこんでほしい」と「使われるタイプ」のプレイを求める。それが得意な浅野はゆえに今まで選ばれていたわけだが、入れ替えて選んだスピードのない(悪くいえば鈍重な)本田にも同じことを要求する。

 いや本田の持ち味はまったく別のところにある。彼は「使われるタイプ」ではなく人を使うタイプであり、キープ力と強靭なフィジカルで時間を作りタメを生む。ボールを奪ったら少しでも速く攻めたいハリルのサッカーとはまったく逆のタイプだ。

 選手の持ち味を生かすプレイを求めるのでなく、自分(ハリル)の頭の中に岩盤のように存在するフィロソフィ(サッカー哲学)を実現するためのプレイを選手に頑なに要求する。で、それが選手の持ち味と食い違って苦労する。チームが力を出せない。2015年の旧・東アジアカップでさんざん見せられた名人芸だ。

 それなら初めから自分が理想とするタイプの選手を選べばいいのに、ハリルはそれとは違う選手の「異能」につい惹かれて選んでしまう。で、結果、自分の考える戦術を実現できず、チームが機能しない。ハリルの選手選考が裏目に出るときのお決まりの失敗パターンだが、この本番間際になってまだそれをやるのか? という感じがする。

 念のため補足すると私個人は、本田は代表に必要な選手だと考えている。ただしハリルが考えるのとはまったく別のプレイスタイルを持つ選手として、であるが。

FW中島は守備を要求されて苦労するだろうなぁ

 かたや攻撃的な中島は、自分の持ち味と真逆の「守備」を要求されて苦労するだろう。初めてハリルに選ばれたときの宇佐美と同じことがまた起きる。

 ハリルジャパンにおけるSHは、守備になれば上がってくる相手SBについて自陣に下がり最終ラインまで引いてこなければならない。それが約束事だ。原口はそれができるから選ばれているが、ハリルはまちがいなく中島にも同じことを求めるはずだ。

 中島に守備を求めるなんて、魚に「陸へ上がれ」というようなものだが……ハリルはフィロソフィ型の監督だからしょうがない。自分の内なるフィロソフィを、他人に要求するのがハリル流だ。やれやれ、である。

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