2023年5月23日 内谷ダム
内谷ダムは左岸が熊本県球磨郡五木村乙、右岸が同村丙の一級河川球磨川水系内谷川最上流部にある九州電力(株)が管理する発電目的のロックフィルダムです。
1960年代半ばから発電の主力は火力へと移り、さらに1970年代以降原子力発電が台頭します。
内谷ダムは左岸が熊本県球磨郡五木村乙、右岸が同村丙の一級河川球磨川水系内谷川最上流部にある九州電力(株)が管理する発電目的のロックフィルダムです。
1960年代半ばから発電の主力は火力へと移り、さらに1970年代以降原子力発電が台頭します。
一方で火力発電所や原子力発電所は細かな出力調整が難しく、『巨大蓄電池』として余剰電力の有効活用が可能で電力消費のピークに合わせて大出力の発電が可能な揚水発電が注目されます。
九州電力は1970年(昭和45年)より同社初の純揚水式発電所建設に着手、1975年(昭和50年)に当ダムを上部調整池、油谷ダムを下部調整池とした大平発電所が完成しました。
同発電所では両ダムの有効落差490メートルを利用して最大50万0000万キロワットの揚水式発電を行います。
当地が建設地に選ばれたのはすでに火力発電所が稼働しさらに原発建設が決まっていた鹿児島県川内市と九州北部を結ぶ送電線上に位置し、余剰電力活用には絶好の立地だったからです。
大平発電所の構内配置図(九州電力HPより)。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/05/7a/36cada6771dc82e551508e4606224dcd.png)
内谷ダムは熊本県五木村西端、標高700メートル地点にあります。
堤高64メートル、堤頂長200メートル
リップラップには管理用の仮設通路が渡されています。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/71/83/c0c7762ab7f1337c43ced0256b597316.jpg)
アングルを変えて
手前は洪水吐導流部。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5f/73/4c6400dda7c0e4f9d3040bedeed794e7.jpg)
天端は立ち入り禁止。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/43/b8/a0cdd7dcf48fec90710e3657952ceec4.jpg)
左岸の横越流式洪水吐。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/64/9e/a9a8b070910ba2b90c1d4f80055e1185.jpg)
上流面。
揚水式発電の調整池という性格上水位変動が激しく、ロック材の色の変化も大きくなっています。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/60/35/6ca634f0a27033bdaeeb9dd9b81e9058.jpg)
上流から見た洪水吐。
越流時の堤体護岸のため越流堤内側に導流壁が設けられています。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/52/b6/d975f04ccb8113e33f3515b9a41de1eb.jpg)
発電所案内図。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/53/77/93aceef461741acdf2959d71bc36652b.jpg)
竣工記念碑と諸元が刻された石碑。
油谷ダムは金箔文字ですが、こちらは黒。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7a/bc/d199f25c418fe796a4b6d4d8ff4a6b54.jpg)
遠隔操作のため管理事務所は無人。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/03/e0/df8564d8c0e52db1ba023f96dd448887.jpg)
総貯水容量538万9000立米のダム湖
早朝の訪問ですが、水位が大きく下がっています。
近年太陽光発電のシェアが上がったことで揚水式発電の運用も大きく変化し、日中に太陽光の余剰電力で揚水し、太陽光の出力が落ちる宵の口から深夜に発電するという運用が一般的になっています。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5e/48/5286197875466f4b19c31026ba0fce18.jpg)
巡視艇と昇降用のクレーン。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/57/58/d9d61f74b36efa6bb0f66baa07c70d08.jpg)
右手に発電用の取水ゲートが見えます。
実施の取水口(揚水時は放流口)は水中にあります。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/44/3c/5296defdf8624803b17e95673a937d72.jpg)
ゲートをズームアップ。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/64/1e/888734d557cf83316ff2338d35a608f6.jpg)
水利使用標識。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0c/8c/4bac5305f46a3ce057974f763950b326.jpg)
(追記)
内谷ダムは洪水調節容量を持たない利水ダムですが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行う予備放流容量が配分されました。
2671 内谷ダム(2010)
左岸 熊本県球磨郡五木村乙
右岸 同村丙
DamMaps
球磨川水系内谷川
P
R
64メートル
200メートル
5389千㎥/3960千㎥
九州電力(株)
1975年
◎治水協定が締結されたダム
球磨川水系内谷川
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64メートル
200メートル
5389千㎥/3960千㎥
九州電力(株)
1975年
◎治水協定が締結されたダム
何しろ熊本は、大分県を廻った時に県境超えの印として道の駅小国に立ち寄ったくらいで。
で、巡視艇画像の上の写真ですが、あれで水位が下がっているんですね。
でもよく考えたら水位一杯の時って、山の土肌部分って見えない。
・・・何が言いたいのかって笑われそうですが、私的にはこれくらいのダム湖の方が何故か安心できます(^^;)
揚水式発電というのは上下二つのダムで構成され、電気が余っているときに下のダムから上のダムに揚水し、電気が足りないときに水を落として水車を回し発電する、いわば「巨大蓄電池」です。
ここは上部ダムですので、ここの水位が低いということは蓄電池は空っぽということ。
逆に同じ時間に下部ダムに行けば満水になっています。