ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

血洗池

2017-01-10 15:31:09 | 岡山県
2016年12月29日 血洗池
 
血洗池は岡山県赤磐市是里の吉井川水系滝山川左支流血洗川にある灌漑目的のアースフィルダムです。
ダム便覧には1929年(昭和4年)に吉井町の事業で竣工と記されており前身となる山形村の事業で建設されたと思われます。
その後、1995年(平成7年)に農水省の補助を受けた岡山県営ため池等整備事業で改修が行われ現在に至ります。
管理は滝山川水利組合が受託し池の下流滝山川沿岸農地に灌漑用水を供給しています。
血洗池という不気味な名前ですが、池の直上にヤマタノオロチを退治したスサノオノミコトが太刀を洗ったとされる血洗の滝があり、そこに由来します。
 
下流から正対
堤高は便覧が15メートルに対し、ため池データベースは14.2メートル。
池下に盛土が施されており、ため池データベースの測量はこれを含めたか否か?
ため池データベースの数値を採るならダムの要件未達となります。


洪水吐は自然の岩盤を流下する原始的な形状
岡山県内だと高梁市の有漢池や真庭市の阿口池が同じような構造です。


天端
上下流側に擬木の柵。


取水設備機械室は城郭風
上流面の護岸も石垣風の化粧型枠が施されています。


斜樋はシャフトが一本。


見上げると。


湖岸の記念碑
そのまま読めば『スサノオノミコトの水』となります。
農水系の記念碑は四文字熟語がお好き。

下流面
写真左下、赤茶けた部分に底樋管があります。
底樋管の写真撮り忘れた…。


総貯水容量8万立米(ため池データベース9万8000立米)の小さな貯水池。


右岸洪水吐と管理橋。


洪水吐導流部
ここから2枚目写真の岩盤に流下します。


池の直上には血洗の滝があります。
正直写真に撮るほどの代物でもなく、説明板だけ撮っておしまい。


血洗池というおどろおどろしい名前とは裏腹に、小奇麗に整備された溜池でした。
 
1848 血洗池(0779)
ため池データベース 332133031
岡山県赤磐市是里
吉井川水系血洗川
15メートル(ため池データベース 14.2メートル
76メートル
80千㎥(ため池データベース 99千㎥)/80千㎥
滝山川水利組合
1929年


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