ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

鮎屋川ダム

2017-11-29 15:30:44 | 兵庫県
2017年11月24日 鮎屋川ダム
 
鮎屋川(あいやがわ)ダムは兵庫県洲本市鮎屋の洲本川水系鮎屋川上流部にある防災・灌漑目的の重力式コンクリートダムです。
洲本川右支流の鮎屋川および初尾川中下流部が流れる洲本平野は淡路島では三原平野と並ぶ平坦地ですが、水源としていた鮎屋川や初尾川の水量は乏しく古来から幾度にもわたり干ばつ被害に悩まされてきました。
一方、鮎屋川はひとたび豪雨に見舞われると流域に大きな洪水被害をもたらし、抜本的な治水対策や安定した水源確保は流域農家の長年の悲願となっていました。
そこで兵庫県は1964年(昭和39年)より農林省(現農水省)の補助を受けた鮎屋川農業水利改良事業に着手、その中核施設として1970年(昭和45年)に竣工したのが鮎屋川ダムです。
鮎屋川ダムは鮎屋川流域143ヘクタールの農地防災、鮎屋川・初尾川流域農地771.5ヘクタールへの灌漑用水の供給を目的としており、運用開始後は鮎屋川土地改良区が受託管理を行っています。
また2016年(平成28年)には河川維持放流を利用した小水力発電所が新設され、最大16キロワットの発電を行っています。
 
ダム直下を南淡路広域農道(オニオンロード)が横断しており、農道からダムを遠望することができます。
 
堤体直下からダムを見上げます
農業用ダムですが、防災機能を持つためクレスト、オリフィス両ゲートを装備しています。
非常用洪水吐としてクレストにローラーゲートが1門、常用洪水吐として導流壁両側にオリフィスゲートが2門あり、訪問時は右岸側(向かって左手)のオリフィスゲートから放流されていました。
手前は河川維持放流です。
 
下流面。
 
河川維持放流を利用した小水力発電がおこなわれ、リアルタイムの発電量が表示されています。
 
天端
手前は取水設備の操作機器です。
 
クレストのローラーゲート
非洪水期ということでゲートは上がったままです。
 
ダム下の利水放流設備
奥の青いパイプは灌漑用送水管。
小水力発電所はパイプ手前の地下にあります。
 
減勢工。
 
ダム湖は総貯水容量180万立米。
上流1キロに同じ鮎屋川土地改良区が管理する大城池があります。
 
上流から遠望。
 
 
1490 鮎屋川ダム(1179)
兵庫県洲本市鮎屋
洲本川水系鮎屋川
FA
46.2メートル
198.3メートル
1800千㎥/1604千㎥
兵庫県鮎屋川土地改良区
1970年


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