ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

石羽根ダム

2016-05-09 12:30:00 | 岩手県
2016年5月3日 石羽根ダム
 
石羽根ダムは左岸が岩手県来北上市和賀町横川目、右岸が同町岩沢の北上川水系和賀川にある東北自然エネルギー(株)が管理する発電目的の重力式コンクリート・フィル複合ダムでです。
1954年(昭和29年)に非鉄金属メーカーだった当時の日本電興(のちの日本重化学工業)の自家用発電施設として建設され、石羽根発電所で最大1万700キロワットのダム式水力発電が開始されました。
石羽根ダムは左岸が重力式コンクリート、右岸がアースフィルダムとなっており竣工ベースでは日本最最古のフィルコンバインドダムです。
2003年(平成15年)の日本重化学工業倒産により同社の発電事業は東北電力傘下の東北地熱エネルギーに譲渡され、その後の会社再編により現在は東北自然エネルギー(株)が運用を行っています。
なお当ダムには岩手中部土地改良区の灌漑用水取水工が併設されていますが、同用水は湯田ダムの不特定利水容量から補給されるため、当ダムの目的は発電のみとなっています。
 
国道107号を湯田ダムに向かって西に走り石羽根バス停の手前を南に折れるとダム左岸に到着します。
ただ、ダムの敷地は立入禁止でこの写真が精一杯。
手前の小さなゲートは湯田ダムを水源とする岩手中部土地改良区の灌漑用水の取水工です。
 
国道を西に走るとダムが見える場所があります。
洪水吐は4門のスライドゲート、右側の被覆された2門のゲートは石羽根発電所の取水口です。
 
重力式コンクリートとアースダムの接合部。
 
右岸からアプローチします。
ダムと発電所の敷地は立入禁止でしたが、少し下流の民家の裏手からダムを見ることができます。
一番右手(左岸)は岩手中部土地改良区向けの灌漑用ゲート
4門のスライドゲートを挟んで左手(右岸)は石羽根発電所です。
 
このゲートから灌漑用水路へと流れます。
 
ズームアップ
 
右岸から
奥が重コン、手前がアース。
 
追記
石羽根ダムは洪水調節容量を持たない利水ダムですが、治水協定により豪雨災害が予想される場合には事前放流により新たな洪水調節容量が確保されることになりました。
 
0237 石羽根ダム(0368)
左岸 岩手県北上市和賀町横川目
右岸        同町岩沢
北上川水系和賀川
GF
20.5メートル
283メートル
4050千㎥/1580千㎥
東北自然エネルギー(株)
1953年
◎治水協定が締結されたダム


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