ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

山茶花溜池

2019-08-06 01:44:36 | 長崎県
2019年7月15日 山茶花溜池
 
山茶花(さざんか)溜池は長崎県諫早市小長井町遠竹の田古里川本流源流部にある灌漑目的のアースフィルダムです。
諫早湾北岸の諫早市小長井町から高来町にかけては多良岳火山活動で形成された傾斜地が海岸線まで続き平坦地はほとんどありません。
明治末期より丘陵地での新田開発が進められ、併せて多数の溜池が築造されました。
山茶花溜池もこうした溜池の一つで、ダム便覧には農場土地改良区の事業により1917年(大正6年)に竣工と記されており、前身となる水利組合の事業で建設されたと思われます。
現在も近接する山ノ神溜池ともども農場水利組合が管理を行っています。
 
県道195号線で山茶花高原ピクニックパークをめざしすと同パーク手前に未舗装の道路が分かれます。
これが山茶花溜池への入り口です。
車両進入禁止のロープが張ってあるので、路肩に車を止めて2~3分歩くとすぐに池が見えてきます。
道路は洪水吐導流部を跨ぎます。
 
溜池右岸天端には『新観光百選の地』の碑が建っています。
1979年(昭和54年)に長崎県内の観光資源の再発見などを目的に選定されたもので、山茶花高原もその中に含まれています。
当時はまだ山茶花高原ピクニックパークは開園しておらず、この溜池が山茶花高原を象徴する景勝地だったということでしょうか?
確かに高原の湖然とした雰囲気はあるし、下流側の木を伐採すれば雲仙の眺めもよさそうです。
 
洪水吐導流部
擁壁は石が谷積みされています。
 
円形越流式洪水吐。 
 
洪水吐脇に碑がありますが摩耗が激しく解読できません。
 
上流面はコンクリートブロックで護岸されています。
 
天端からの眺め
下流面は草ボウボウ、木も茂ってます。
雲仙が遠望できますが、海が見えるかどうかは微妙・・・・霞んでいてよく見えません。
 
総貯水容量46万立米の貯水池。
この上流すぐにハーブ園が有名な山茶花ピクニックパークがあります。
 
右岸の斜樋。
 
天端と上流面は直前に草刈りされていました。
 
田古里川は水源こそ長崎県ですが、すぐに県境を越えて佐賀県太良町を流下します。
下流には1987年(昭和62年)に太良町のミカン農家向けの大浦ダムが建設されますが、山茶花溜池の水は諫早側に、大浦ダムの水は佐賀県の太良町に供給されます。
 
2583 山茶花溜池(1507) 
ため池コード 422040047
長崎県諫早市小長井町遠竹
田古里川水系田古里川
22メートル
130メートル
460千㎥/460千㎥
農場水利組合
1917年


コメントを投稿