ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

外山ダム

2022-04-30 13:00:00 | 新潟県
2022年4月23日 外山ダム
 
外山ダムは新潟県佐渡市上川茂の羽茂川本流源流部にある灌漑目的の重力式コンクリート・フィル複合(フィルコンバインド)ダムです。
佐渡は離島としては珍しく1万ヘクタールにもおよび広大な農地が広がりますが、水源となる河川はいずれも流域面積が小さく慢性的な用水不足に悩まされてきました。
戦後、農水省の補助を受けた県営事業により7基の農業ダムが建設され700万立米の水源が確保されますが、一方で圃場整備の進展や特産の柿栽培など畑作農地への用水補給など新たな水源確保が求められるようになりました。
これを受け1991年(平成3年)に農水省による『国営佐渡農業水利事業』が着手され、2006年(平成18年)の小倉ダムに次いで2012年(平成24年)に竣工したのが外山ダムです。
外山ダムは佐渡では最も新しいダムで、完成後は佐渡市農林水産部が管理を受託し佐渡南西部の旧真野町、小木町、羽茂町、赤泊町の約900ヘクタールの水田や畑地に灌漑用水を供給しています。

県道81号佐渡縦貫線がダムへのアクセス道路となります。
ダム下流で県道から羽茂川沿いの旧道に入るとダム下に到着します。
残念ながらダムの手前にフェンスがありこれが精いっぱい。
ダム下には放流設備と受益地へ送水するための揚水機場が並びます。


右岸ダムサイト高台に展望台があります。
堤頂長181メートルのうち160メートルが重力式コンクリート、左岸の20メートルがゾーン型ロックフィルダムです。




ダムの敷地の入り口には関係者以外立ち入り禁止と記されたフェンスがあります。
事前に佐渡市に確認したところ徒歩での立ち入りは問題ないとの言質を得ました。
左岸から下流面。
薄く越流しています。


上流面
クレスト自由越流頂6門と半円形の取水設備。


右岸管理事務所と繋留設備。


ガッツリ系の堤趾導流壁
手前が放流設備、奥が揚水機場。
河川維持放流が行われ屈曲した減勢工の先にエンドシルがあります。


導流部と減勢工。


総貯水容量260万立米のダム湖。
外山ダムの完成で、従来用水不安のあった佐渡南西部の水田及び柿を中心とした果樹園地等への用水補給が万全となりました。


左岸から
手前の傾斜がついた部分がフィル堤体となります。
万一堤体越流が発生した際にフィルの崩壊を防ぐためにフィル部分だけ高くなっています。


重力式コンクリートとロックフィルの接続部。


上流面。

外山ダムが1800基目のマイルストーンとなりました。
昨年10月の1700基目の一ツ瀬ダムから約半年、できれば年内に1900基まで伸ばしたいものです。

2940 外山ダム(1800)
新潟県佐渡市上川茂
羽茂川水系羽茂川
GF
46.1メートル
181メートル
2600千㎥/2250千㎥ 
佐渡市農林水産部
2012年


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