ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

庄川合口ダム(舟戸ダム)

2016-09-27 13:15:57 | 富山県
2016年9月18日 庄川合口ダム(舟戸ダム)
 
庄川合口ダムは富山県砺波市の庄川本流にある多目的重力式コンクリートダムです。
加賀藩領となった江戸時代以降砺波平野の新田開発が一気に進み庄川各所に灌漑用水の取水口ができましたが、庄川の河道が一定しないうえ洪水のたびに取水堰が流され安定した灌漑用水の確保が大きな課題となっていました。
昭和に入り上流に発電用の小牧ダム建設が決まるとこれまでばらばらになっていた用水の統合(合口)は避けて通れない課題となりました。難航していた慣行水利権の調整がようやくまとまり富山県の事業として1935年(昭和10年)に着工、1939年(昭和14年)に竣工したのが庄川合口ダムです。
庄川合口ダムは庄川沿岸用水土地改良区連合への灌漑用水の供給のほか、上水道の供給、関西電力中の発電所で最大6700キロワット、関西電力雄神発電所で最大1万4000キロワットの発電を行っています。
また2011年(平成23年)に土地改良区連合が管理する小水力発電の庄川合口発電所が完成し最大570キロワットの発電がもおこなわれています。
ダムの管理は受益者である庄川沿岸用水土地改良区連合と電気事業者である関西電力が共同管理を行っています。
 
庄川合口ダムは北陸有数の穀倉地帯である砺波平野の農業を支えた実績と歴史的な建造物としての価値を認められ『庄川合口堰堤』として2004年(平成16年)にダムとしては初めて登録有形文化財に指定されました。
 
北陸道砺波高岡スマートICから県道40号~17号を南下すると庄川温泉郷手前で赤いゲートの庄川合口ダムが見えてきます。
ずらっと並ぶ赤いラジアルゲートが鮮やかです。
 
左岸の魚道とともに。
 
 
左岸取水ゲート。
 
沈砂池。
 
天端は立ち入り可能。
 
左岸の取水口。
6つの灌漑用水の取水口です。
 
河川維持用として1門だけ放流されています。
 
右岸取水口
和田川共同用水として4つの灌漑用水及び上水道の取水口になっています。
 
ダム湖
湖畔は庄川水記念公園として整備されています。
 
上流から。
 
0821 庄川合口ダム(舟戸ダム)(0566)
富山県砺波市庄川町金屋
北緯度分秒,東経度分秒
DamMaps
庄川水系庄川
AWP
18.5メートル
103.3メートル
㎥/㎥
庄川沿岸用水土地改良区連合・関西電力
1939年
◎治水協定が締結されたダム


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