ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

高の倉ダム

2017-10-22 12:20:49 | 福島県
2017年10月8日 高の倉ダム
 
高の倉ダムは福島県南相馬市原町区高倉の新田川支流水無川上流部にある灌漑目的の重力式コンクリートダムです。
新田川および右支流の水無川流域は、扇状地形のため中流域は伏流水となり渇水のたびに干ばつ被害が頻発し安定した灌漑用水源の確保は流域農家の悲願となっていました。
1969年(昭和44年)に福島県は農林省の補助を受けた県営かんがい排水事業を採択し、その中核施設として1976年(昭和51年)に完成したのが高の倉ダムです。
現在は南相馬市が管理を受託し、原町区831.5ヘクタールの農地に灌漑用水を供給しています。
 
南相馬市街から県道62号を西進すると高の倉ダム湖に到着します。
総貯水容量は600万立米と本州の農業用ダムとしてはかなり大きな貯水池です。 
 
管理道路を進むと堤体が見えてきます。
クレストには2門の赤いラジアルゲートがあります。
 
ゲート右手に楕円形の取水設備、奥は艇庫です。
 
インクラインと艇庫。
 
天端は立ち入り禁止。
 
下流面
対岸に管理事務所があります。
残念ながら下流側からゲートを拝める場所はありません。
 
農業用ダムとしては珍しくクレストにラジアルゲートを装備したダムですが、ガードは固く見学ポイントは限られています。
 
追記
高の倉ダムは洪水調節容量のない利水ダムですが、治水協定により豪雨災害が予想される場合には水位低下運用もしくは事前放流により新たに90~250万立米の洪水調節容量が確保されることになりました。 
 
0516 高の倉ダム(1162)
福島県南相馬市原町区高倉
新田川水系水無川
54.2メートル
124.4メートル
6000千㎥/5700千㎥
南相馬市
1975年
◎治水協定を締結したダム


コメントを投稿