ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

木戸ダム

2017-10-17 08:00:00 | 福島県
2015年12月18日 木戸ダム
2017年10月  8日 
 
木戸ダムは左岸が福島県双葉郡楢葉町大谷、右岸が同町上小塙の木戸川水系木戸川中流部にある福島県土木部が管理する多目的重力式コンクリートダムです。
木戸ダムは建設省(現国交省)の補助を受けて建設された補助多目的ダムで、木戸川の洪水調節、安定した河川流量の維持と既得取水権への用水の補給、双葉地方広域水道供給企業団(現双葉地方水道企業団)を通じた広野町・楢葉町・富岡町・大熊町・双葉町への上水道用水及び工業用水の供給を目的として2008年(平成20年)に竣工しました。
しかし2011年3月11日の東日本大震災を受けて受益地域の大半が津波被害及び福島原発事故による避難指示区域に指定され木戸ダムの利水運用は一時的に停止しました。
その後、避難指示区域の再編により津波被害区域及び帰還困難区域以外への給水は徐々に復旧しています。
 
県道250号線を木戸川沿いに西進すると木戸ダムに到着します。
ダム下は立ち入り禁止のため左右両岸および上流側からの見学となります。
非常用洪水吐として自由越流式クレストゲート8門、常用洪水吐として自然調節式オリフィスゲート3門を装備したゲートレスダムです。
(2017年10月8日)
 
右岸展望台から、手前が管理事務所
(2017年10月8日)
 
上流面
堤体中央に取水設備があります。
 
右岸ダムサイトのモニュメント、山と谷そしてダムを表現しています。
(2017年10月8日)
 
天端は車両通行可
納車したばかりのBMWF87M2の初ドライブです。
(2017年10月8日)
 
天端から
3門のオリフィスゲートから放流されています、右手は利水放流設備。
 
左岸から減勢工(2017年10月8日) 
 
木戸川湖と命名されたダム湖は総貯水容量1847万立米。 
(2017年10月8日)
 
堤体は左岸で少し屈曲しています。
(2017年10月8日)
 
天端車道もカーブを描いています。
(2017年10月8日)
 
左岸上流から。
 
懸命の復興作業により双葉地区5町の立ち入り制限地域は大きく減少し、避難していた住民の帰還も徐々に進んでいます。
しかし震災前は浜通り有数の景勝地として多くのハイカーや観光客が訪れた木戸川渓谷は閑散としたまま、公園として整備されてたダム周辺も草木が生い茂り荒れ放題の状況です。
木戸ダムが本来の機能を発揮し、木戸川渓谷やダムに人々の声が響き渡る日が来るのはまだまだ遠い先になりそうです。
 
追記
木戸ダムには1140万立米の洪水調節容量が設定されていますが、治水協定により豪雨災害予想される場合に事前放流によりさらに49万立米の洪水調節容量が確保されることになりました。
 
0539 木戸ダム(0120)
左岸 福島県双葉郡楢葉町大谷
右岸        同町上小塙
木戸川水系木戸川
FNWI
93.5メートル
350メートル
福島県土木部
2007年
◎治水協定が締結されたダム


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