ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

下原ダム

2016-10-19 13:31:19 | 岐阜県
2016年10月16日 下原ダム

下原ダムは左岸が岐阜県下呂市金山町福来、右岸が同市同町中切の一級河川木曽川水系飛騨川にある中部電力(株)が管理する発電目的の重力式コンクリートダムです。
急流河川で水量冨な飛騨川では戦前の5大電力のうち東邦電力(株)と日本電力(株)が競うように電源開発を進めていました。
下原ダムは東邦電力(株)の下原発電所の取水ダムとして1933年(昭和8年)に着工、1938年(昭和13年)に竣工し、併せて完成した下原発電所で最大出力2万2000キロワットのダム水路式発電が開始されました。
しかし、完成直後の電力管理法の成立により東邦電力・日本電力の飛騨川水系の電力施設は日本発送電に接収され、1951年(昭和26年)の電気事業再編成により中部電力(株)が事業継承し現在に至っています。

下原ダムは国道41号線沿いにあり国道から上下流面を望むことができます。
またダム左岸をJR東海高山本線が走り鉄道ファンにとっても人気の撮影スポットになっています。

国道41号線からダムと正対。
ローラーゲート7門で飛騨川を閉め切ります。


河川維持放流のため1門から放流中
このゲートの下流には減勢目的の叩きが設けられています。


左岸には魚道のほか流筏路が設けられています。
慣行流木権に配慮して設置されましたが、皮肉なことにダム着工直後に高山本線が開通し材木輸送は鉄道輸送に移り無用の長物に。


右岸から。
管理橋の桁はアーチ状の鉄骨トラスで、飛騨川下流に2年早く完成した川辺ダムと同じ意匠。


放流をズームアップ。


天端、ダムサイトは立入禁止。


上流面。




(追記)
下原ダムは洪水調節容量を持たない利水ダムですが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行う予備放流容量が配分されました。

1066 下原ダム(0654)
左岸 岐阜県下呂市金山町福来
右岸        同町中切
DamMaps
木曽川水系飛騨川


23.9メートル
102.5メートル
2936千㎥/684千㎥
中部電力(株)
1938年
◎治水協定が締結されたダム


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