ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

岩屋ダム

2016-10-19 11:25:43 | 岐阜県
2016年10月16日 岩屋ダム
 
岩屋ダムは左岸が岐阜県下呂市金山町岩瀬、右岸が同町乙原の一級河川木曽川水系飛騨川右支流馬瀬川にある水資源機構が管理する多目的ロックフィルダムです。
水量が豊富で急流が続く飛騨川水系は戦前から電力開発が進み、飛騨川支流の馬瀬川では1938年(昭和13年)に日本電力が西村ダムを建設していました。
戦後新たな電源開発を目論む中部電力、濃尾平野への灌漑用水の確保を目指す農林省、伊勢湾台風を受け木曾川流域の洪水調節の見直しをはかる建設省がそれぞれの思惑で馬瀬川中流域でのダム建設を模索します。
各者調整の中、『木曽川水系水資源総合開発計画(フルプラン)』により木曽川水系の河川総合開発は水資源開発公団(現水資源機構)が担うことになり、1976年(昭和51年)に竣工したのが岩屋ダムです。
岩屋ダムは馬瀬川及び飛騨川の洪水調節、木曽川用水を通じ木曽川上流右岸地域及び濃尾平野への灌漑および上工水・名古屋市への上水・三重県への工水供給、岩屋ダムを上部池、馬瀬川第二ダムを下部池とする馬瀬川第一発電所での混合揚水式発電(最大出力28万8000キロワット)を目的としています。
 
岩屋ダムは大規模ロックフィルダムとしては最後に建設された傾斜コア型ロックフィルダムです。また洪水吐に設置された2門のラジアルゲートは扉高18.312メートル、回転半径18メートルはそれぞれ日本最大で日本一のラジアルゲートと言われています。
 
木曽川用水概要図(水資源機構HPより)
 
下流の馬瀬川第二ダムの天端から辛うじて岩屋ダムを望むことができます。
 
下流から
あいにく洪水吐が陰になってしまいました。
 
右岸から上流面。
 
下流面。
表面からはわかりませんが日本で最後に建設された傾斜コア型の『巨大』ロックフィルダムです。
 
日本最大と言われる巨大ラジアルゲート。
 
天端は車両通行可能。
 
下流の眺め
地下に馬瀬川第一発電所があります。
地上にあるのは変電所です。
 
 
ダム湖(東仙郷金山湖)
飛騨川流域最大の人造湖です。
 
揚水発電の取水設備
中空式ダムの様な形状です。
 
地下にある馬瀬川第一発電所の通風口のようです。

(追記)
岩屋ダムには洪水調節容量が配分されていますが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行うための予備放流容量が配分されました。
 
1116 岩屋ダム(0653)
左岸 岐阜県下呂市金山町岩瀬
右岸        同町乙原
木曽川水系馬瀬川
FAWIP
127.5メートル
366メートル
173500千㎥/150000千㎥
水資源機構
1976年
◎治水協定が締結されたダム


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