ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

清水の沢ダム

2019-10-25 15:37:50 | 北海道
2019年10月18日 清水の沢ダム
 
清水の沢ダムは北海道夕張市清水沢の石狩川水系清水沢川にある夕張市が管理する上水道用水目的の重力式コンクリートダムです。
明治時代から炭鉱で栄えた夕張では炭鉱会社自らが専用水道の整備を行っていましたが、あくまでも炭鉱及び炭鉱従業員向けの水道でした。炭鉱の繁栄に伴い市域の拡大と人口増加が続く中、夕張市は1928年(昭和3年)から公営水道の整備に着手し1941年(昭和16年)に旭町第一ダムが建設されました。さらに戦後の復興を受け昭和30年代に入ると人口は10万人を突破、1970年((昭和45年)に新たに旭町第二ダムが完成しました。
しかし高度成長期の終焉やエネルギー転換の影響で石炭需要は減少、鉱山の閉山が相次ぎ以降夕張の人口は減少の一途を辿ります。
そんな中1979年(昭和54年)に就任した中田市長は積極財政を展開、インフラ整備の拡充を進める中で新たな上水道水源として1980年(昭和55年)に建設が開始され1984年(昭和59年)に竣工したのが清水の沢ダムです。
清水の沢ダムで貯水された水はダム直下にある清水沢浄水場を経て日量平均約2000立米の上水道用水の供給を行っています。
なお夕張市内には北海道企業局が管理する『清水沢ダム』が別にあります。こちらは『清水の沢ダム』あちらは『清水沢ダム』、かなり紛らわしい。
 
道道38号線の葬斎苑前バス停を左折し清水沢川沿いを西に進むと清水沢浄水場に到着します。
ダムは浄水場の先にありますが、敷地内は立ち入り禁止のため門扉から遠望するのみ。
 
門扉の脇から林道を進むともう少しダムがよく見えます。
浄水場の建屋は新しく最近建てられたようです。
 
自治体管理の上水用ダムでよく見られる自由越流式1門だけのシンプルな構造です。
 
中田市長の積極財政政策はその後のバブル崩壊で破綻、結局この際の債務が「借金都市夕張」に転落する主因となります。
 
3298 清水の沢ダム(1512) 
北海道夕張市清水沢
石狩川水系清水沢川
25.1メートル
96メートル
860千㎥/710千㎥
夕張市
1984年


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