ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

久保白ダム

2017-10-04 01:02:38 | 福岡県
2017年9月20日 久保白ダム
 
久保白ダムは福岡県飯塚市久保白の遠賀川水系内住川右支流久保川にある灌漑・上水・工水目的のアースフィルダムです。
農林省の補助を受けた福岡県の農業水利事業に、当時の飯塚市が水道事業者として事業参加し1970年(昭和45年)に竣工しました。
貯水池は飯塚市から桂川町にまたがり総貯水容量416万4000立米、湛水面積50ヘクタールとアースフィルダムとしては屈指の規模を誇っています。
ダムは水道事業者である飯塚市企業局が受託管理し飯塚市に上水道用水・工業用水を、久保白ダム土地改良区に灌漑用水を供給しています。
 
 
ダム下は小公園になっており、車2台の駐車スペースがあります。
堤頂長304メートルの長大な堤体。
 
ダム下右岸側に余水吐トンネル導流部の吐口があります。
 
天端の周辺案内図
本堤のほかに4基の副堤がありますがいずれも堤高15メートル未満。
 
竣工記念碑。
 
上流面はコンクリートで護岸されています。
 
天端は車道
ダム湖を巡る5.7キロの周回道路はすべて車両通行可能。
 
天端からの眺め。
 
左岸の斜樋
こちらは飯塚市水道の取水設備。
 
総貯水容量416万4000立米はアースダムとしてはかなりのスケール
福岡県内では北九州の頓田貯水池に次ぐ規模で、貯水池には中島もあります。
 
右岸の横越流式余水吐。
 
ここから流下した水は上から2番目の写真のトンネル出口へと向かいます。
 
ダム湖インレット部分の内住川からの導水路
自己流域はわずか1.4平方キロで、貯水容量の大半は内住川からの補給に依存しており、実質的には河道外貯留ダムです。
 
地図では本堤対岸にある第1号副堤そばに土地改良区向け取水設備がありますが、現地では確認できませんでした。
 
追記
久保白ダムは洪水調節容量を持たない利水ダムですが、治水協定により豪雨災害が予想される場合には事前放流により新たに74万7000立米の洪水調節容量が確保されることになりました。
 
2420 久保白ダム
福岡県飯塚市久保白
遠賀川水系内住川右支流久保川
AWI
25メートル
304メートル
4164千㎥/4150千㎥
飯塚市企業局
1970年
◎治水協定が締結されたダム


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