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北タイ名刹巡礼#7:ワット・シースパン

2016-07-09 07:46:05 | 北タイの寺院
<Wat Siri Suphan:ワット・シースパン>

1500年、11代・ケーオ王(在位:1495-1525年)の創建で、1509年の日付のある中世ランナー文字で書かれた碑文が残っている。この寺院は後期ランナー朝の庇護を受け、1806年カーウィラ王(在位:1782-1816年)によって礼拝堂と経蔵が増築された。
この寺院は別名銀の寺と呼ばれ、日本人にとってはワンダーランドの世界であった。写真のように銀色の礼拝堂の前には、ガネーシャ像が建立され花々と灯火が絶えない。中世のランナー朝前期は大乗仏教とヒンズー教が混交した宗教であったとの痕跡が残るが、写真の景色はまさに、それを彷彿させる。
別名銀の寺とは、Ubosot(ウボーソット:本堂/布薩堂)の内外が銀色で現在も普請が継続している(最近落慶したようだ)。銀は酸化し黒ずむので、実際はステンレスやアルミ板を貼りつけてあるが、外眼には太陽を反射し眩しく、堂の中は金箔が貼られた仏坐像の金色が反射し、その内部が金色に見える。まさに金属の特徴を視覚的に遺憾なく発揮している。これは国王在位60周年と国王80歳誕生記念日を祝して建立中で、2004年から普請に着手したもので、300万Bの資金とのことである。それは現在も銀板(実際はステンレスとアルミ)貼りやレリーフの製作が継続している(最近落慶したようだ)。
この寺のあるウワラーイ通りは、昔から銀細工職人が集まっていることで有名で、これとの関わりを無視しては語れない建立と思われる。
ここにタイ人の気質が現れている。古いものには興味がなく、兎に角新しもの好きである。これで当面は観光客や参拝者を集めることが可能かと思われる。









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