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世界の街角

旅先の街角や博物館、美術館での印象や感じたことを紹介します。

番狂わせにビックラ・ポン

2018-05-10 10:42:04 | マレーシア

今朝のビックニュースである。北朝鮮の金正恩が中國・大連を訪問し、習近平と会談したニュースが幅を利かせているが、マハティールが勝利したニュースが、日本にとってはよっぽど重要である。

ナジブ首相が政権について10年。確かにマレーシア経済は順調に成長し、いまやマレーシアの高層ビル群に対し、東京と云えども見劣りがする。しかし、ナジブの汚職疑惑が云々され久しい。具体的には政府系ファンド『1MDB』の巨額資金流用疑惑である。マハティールは従前から、この疑惑を糾弾していたが、まさかこれをてこに勝利するとは・・・。

昨5月9日が、マレーシア下院総選挙投開票日であった。ナジブ政権は4月7日の下院解散直前に、与党に有利とされる選挙区割りの変更法案を成立させたほか、数々の選挙妨害と思わせる嫌がらせを、マハティール率いる野党連合に対して行っていた。選挙前の予想では、得票率は五分五分との予測ではあったが、獲得議席では、先の法案成立などで与党有利は揺るぎないとの予想であった。結果はマハティール率いる野党連合が113議席の過半数を獲得。ナジブ陣営は予想外の79議席にとどまった。

ナジブは中国大好き人間である。マハティールは著名なルック・イースト政策を推進した人物で、日本に敬意を表する人間である。日本の報道は何も伝えないが、シンガポールークアラルンプール間の新幹線。日本が断然優位になった。安倍さんは多忙で無理であろうが、麻生さんないしは外相が訪マレーシアして、おおいに売り込んで欲しいものである。マハティールは現在92歳で元気そのものだが・・・。日本政府の一押しを急いで欲しい。

 

 


シンガポール・アジア文明博物館#1

2018-05-10 09:42:47 | 博物館・シンガポール

アジア文明博物館を訪れたのは、マレーシア・サイバージャヤに滞在中の3月6日であった。ここには西アジアー東南アジアー東アジアの誇大から中世に至る美術工芸品が収集・展示されている。東南アジア古陶磁も展示されているようである。展示品の内、陶磁器類を中心に紹介したい。

右手の建物がアジア文明博物館だが、正面からの写真を撮り忘れたので、掲載できないのが残念である。

ここの特徴は、シンガポール華人・Khoo Teck Puat氏の『唐第沈船遺物』のコレクションである。中でも長沙窯陶磁の膨大なコレクションである。

1998年、漁民がシンガポールの南東600kmのインドネシア・ブリトゥン島に近いジャワ海で、ナマコの潜り漁をしていた時に、多くの陶磁器が海底に散乱しているのを発見した。そこには6万点以上の唐時代(618-907年)の陶磁器や金・銀製品で、イランやイラクのものも含まれていた。早い段階から中国、東南アジアと中東を結ぶ交易圏が存在していた。

沈船遺物のC-14放射性炭素測定による結果は、670-890年を示し、更に決定的なことは一つの陶磁器に宝暦二年(826)七月十六日と刻まれていた。これらのことより沈没したのは、830-840年と推測されるという。

沈船は、その構造と使用された木材の特徴から中東・湾岸地域で建造された『ダウ船』だとしている。そのダウ船に5万点以上の湖南省長沙窯陶磁が含まれていた。その一部が展示されているが、その様子から、さも大量であったろうとの様子を伺わせている。

展示量も膨大で、全てはとても紹介できないが、次回も一端を紹介したいと考えている。

<続く>