世界の街角

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2018年チェンマイ・インターキン祭りで考えたこと#3

2018-05-19 10:45:48 | 古代と中世

<続き>

前回までで、インターキンの御柱=インドラ神の柱であること、更にはクニの柱(ラック・ムアン)で土地神として信仰されていることも御理解頂けたものと思う。

中世の北タイ社会に遡れば、日本と同様に『クニの柱』を中心にした広場で収穫儀礼も行われていたかと思われる。では中世以前のどこまで遡れるか。残念ながら北タイの古代の『クニの柱』については分からない。日本においては、こうであったろうとの状況証拠はそれなりに豊富である。

 

写真は吉野ヶ里遺跡の発掘調査によって明らかになった祖霊柱である。北墳丘墓の墓道の右側に立っていた。残念ながらクニの柱ではなく、祖霊柱としている。祖霊の柱とは、先祖の霊に見守って欲しいとの守護柱=クニの柱であろうと考えるが、牽強付会に過ぎるか?

時代はやや下る。「講談社・日本の歴史」には、スケッチ付きで古墳時代の祭りが紹介されている。広場の中央にカミを招く「依代」が建てられて、祭りが行われた。この依代は1本の大木で広場の中心に建てられていた。このスケッチは、古墳時代の遺跡の発掘調査結果を踏まえた想像図である。カミを招く依代とあるが、クニの広場に立てられている。

クニの柱として名高いのは、『心御柱』である。『心御柱』は、記紀に登場する伊邪那岐・伊邪那美両神が、天の沼矛を掻きまわして淤能碁呂島を作り、その島に天の御柱をみたという、国生み神話と符合する。つまりクニの祖、中心ということになる。

このように『クニの柱』は、日本の国生み神話や吉野ヶ里等で、日本でもそうかと思われる。更に中国南部やインドシナ半島北部でも、みてきたようにその存在が認められる。中国ではどうであろうか?・・・これについては知識が無く良く分からない。ではこの『クニの柱』は東アジアや東南アジアのみの存在であろうか? エジプトのオベリスクは何であろうか? 近世ワシントンに立つワシントン記念塔もオベリスクであろう。

古代のいつであったろうか? 地球は汎世界的であったかと思われる。東方の森林資源に豊かな地域は、大木で『クニの柱』をクニの中心に据え、森林資源に乏しく石材が豊富な地域は、石材で『クニの柱』を据えたのではないか。つまり古代のある時点までは(あるいは中世までもか?)クニの”へそ”に柱を立てることは、世界的な共通認識ではなかったのか・・・と考えた次第である。

以上がインターキン祭りで考えたことの一つであるが、考えたことの2つ目は更に飛躍する。

<続く>

 


改装なったチェンマイ国立博物館#6

2018-05-19 07:35:08 | 博物館・タイ

<続き>

先にも記述した通り、展示物が入り乱れており、どのような意図で編集したのか、さっぱり理解しにくい。

1-3. 青磁杯 ワンヌア・バンパイヌア窯 14-15世紀

4. 青磁燭台 パーン・ポンデーン窯 15-16世紀

5. 青磁蓋付小壺 パーン・ポンデーン窯 15-16世紀

6. 青磁鳥形ケンディー ワンヌア・バンパイヌア窯 16-17世紀

7.青磁無紋碗 ワンヌア・バンパイヌア窯 14-15世紀

8. 青磁碗 3点 パーン・ポンデーン窯 15-16世紀

 

10. 青磁瓦 パーン・ポンデーン窯 14-15世紀

11. 青磁鎬文碗 パーン・ポンデーン窯 14-15世紀

12. 青磁碗 パーン・ポンデーン窯 14-15世紀

13.青磁櫛歯文碗 パーン・ポンデーン窯 14-15世紀

14. 青磁刻花円圏文鍔縁盤 パーン・ポンデーン窯 14-15世紀

15. 青磁双耳小瓶 パーン・ポンデーン窯 14-15世紀

16. 青磁蓋付瓶 パーン・ポンデーン窯 14-15世紀

17  青磁小壺 パーン・ポンデーン窯 14-15世紀

18. 青磁動物肖形燭台 窯銘記載なし 15-16世紀

19. 青磁動物肖形燭台 窯銘記載なし 15-16世紀

20. 青磁動物肖形燭台 窯銘記載なし 15-16世紀

21. 青磁動物肖形燭台 窯銘記載なし 15-16世紀

(窯銘の記載がないいが、動物肖形燭台はパーンに存在し、釉薬の特徴からパーン窯と思われる)

22. 青磁動物肖形燭台 パーン・ポンデーン窯 15-16世紀

23. 青磁動物肖形 パーン・ポンデーン窯 15-16世紀

24. 青磁動物肖形 パーン・ポンデーン窯 15-16世紀

15. 青磁刻花円圏文皿 パーン・ポンデーン窯 15-16世紀

26. 青磁刻花花卉紋碗 パーン・ポンデーン窯 15-16世紀

27. 青磁双耳壺 パーン・ポンデーン窯 15-16世紀

28. 青磁鎬文碗 パーン・ポンデーン窯 15-16世紀

パーンの青磁がこれほど多数展示されているのは、驚き以外の何物でもなかった。

<続く>