世界の街角

旅先の街角や博物館、美術館での印象や感じたことを紹介します。

2018年・ソンクラーン

2018-04-13 11:11:40 | チェンマイ

サワディーピーマイクラップ(สวัสดีปีใหม่ครับ:謹賀新年)。ソンクラーン(สงกราน่)が遣ってきた。1995年当地に赴任した時、水掛祭りに遭遇した。炎天下水を掛けられると、涼しくそれなりに楽しんだが、ターペー門辺りで汚れた水を何度も何度も掛けられると、眼は大丈夫かとの心配と共に熱は奪われ、そのうち鳥肌がたつ寒さを覚える。ニマンへーミンのソンクラーンは初体験だが、上記のようなことで外へ出る気がしない。

北タイのソンクラーンでは、インドラ神が須弥山の天上界から蛇(ナーガ)に乗って降下すると信じられている。ナーガに水はつきものである。

カンタリー・ヒルズのロビーには仏像の脇に聖水が置いてある。釈迦に甘茶を注ぐように、その聖水を注ぎ新年のお祈りである。

つきなみながら家族安泰をお祈りした次第である。新年の寺参りに詣でたい。ニマンへーミンから近いのは、スアンドーク寺院であるが、水かけに出会いそうなので行きそびれている。ソンクラーンの謂れは当該ブログを参照されたい。

 


法輪文考#2

2018-04-13 09:19:03 | 北タイ陶磁

<続き>

タイのタマサート大学Pitiphat教授の著書「Ceramics」によると、その図録No,38,61を共にチャクラと紹介している。これらは共にシーサッチャナーライ窯(14-16世紀)で、No,38は陰刻文、No,61は鉄絵文である。

(図録No,38)

(図録No,61)

(図録No,94)

一方、同書の図録No,94は蓮華文としている。これらの3点はいずれも文様が似ているが、異なる点は中心文様で、前者2点が渦巻文ないしは同心円文であるのに対し、No,94の蓮華文においては、鉄絵で塗りつぶされた模様となっている。

このようなPitiphat教授の分類が、一般的であるかどうかは定かでないが、この分類にならうとすれば、本多コレクションの目録No,80と82(いずれもスコータイ窯)は、法輪文としてもよいと思われるが、No,78は法輪文というより、日輪文とした方が良さそうである。

(図録No,80)

(図録No,82)

それを写し取った図を掲げる。それによると中心文様は、目が二つに口と、まさにユーモラスな太陽を描いたものと思われる。このような文様の絵付けはシーサッチャナーライ窯に多く、サンカンペーン窯ではそのような事例をみない。

(図録No,78)

また別の書籍によると次の二つの文様を法輪文と紹介している。それはサンカンペーン窯の紹介の中でのことであるが、当該文様のサンカンペーン陶磁はなく、カロン窯と混同して紹介されているが、これまで含めて法輪文にするには疑問が残る。

以上、法輪文について触れてきたが、タイの陶磁であり、その呼称については、タイの研究者の説に従うのが妥当と考え、法輪文考としてまとめてみた。

                          <了>