放射性物質には安定な元素よりたくさんの種類がありますが、
放射能として話題に上る核種は限られています。
地球上で主な被爆元となる物質は主に半減期が数十億年の、
地球史に近いスケールのものが中心になります。その中で
主要な物はウラン238、トリウム232、カリウム40です。
他に宇宙からの放射により生成される物質があり、
炭素14、三重水素、ヨウ素129などが有力でこれらは
人体にも取り込まれており年代測定に使われることもあります。
原子炉ではたくさんの種類の物質(安定元素も)が生成されますが、
核分裂反応の収率の関係で、注目される物質は少なくなります。
とくに有名なのはヨウ素131やセシウム137です。
この二つは化学的にも流出しやすい性質を持ち、半減期も
比較的短いため危険視されます。
他にストロンチウム90など流出しにくい
(そして人体に取り込まれたら排出されにくい)物質群があり、
チェルノブイリでは大量に、福島でも僅かに流出しています。
テクネチウムなど接する機会も比較的少ない、しかし科学的には
重要な意味を持つ一群の物質もあります。安定同位体が存在しない物質や
通常の原子とは異なるものまで様々です。
特にウランより重い元素はすべて放射性で、日々研究が続けられており
将来日本が命名する可能性のある元素等もあります。
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