網創漠蓄

網(ネット)上で、創作物などを、漠然と、蓄えていこうとするページです。

末那識と阿頼耶識

2013-06-01 19:24:28 | 科学・技術・自然

所謂「第七識」と「第八識」についてまとめてみます。

仏教の中でも大乗仏教に大きな影響を与えた学派の一つに唯識学派があり、そこで説かれて
いるのが人間の六識(五感+意識)の奥に存在するという「末那識」と「阿頼耶識」です。これは
現代の心理学では「深層心理」に相当する分野、無意識領域として扱われています。

一般的な言い方でいう所謂「第六感」と重複する部分もあります。唯識論の仏典の中では第六識
(第六の感覚)に当たるものには「意識」が充てられており、この用語がぶつかってしまっている
ためそれは分けて考えることが重要になります。分野によっては平衡感覚をそう呼びますし。

唯識論においては人間の根本を阿頼耶識の部分としており、そこから自我に対する執着として
末那識が生じ、さらにそこから意識などの六識が生じているとしています。後代になるとさらに
阿頼耶識の奥に阿摩羅識(無垢識ともいう)を想定しますがそこはここでは割愛します。

人間の認識としては無意識部分にまず末那識があり、そのさらに奥に阿頼耶識があり、その
二つは「自我に対する執着」の有無で分かれる形になります。阿頼耶識の方には自他の境界が
なく、利他の精神と結び付けて語られることも多くなります。学術としては融即律が近そうです。

超心理学といった分野で語られることも時折ありますが関係は薄かったりはします。ただし
「普通の人間が普段は自覚していないが本来持っている感覚」という部分での共通性はあり
同じ心理学(の周辺分領域)として人脈などでの関連性はあったりもします。

それを会得するにはどうするか、というところではあまり具体的には語れることはなく、むしろ
語れるような部分ではないともされており、神秘学の領域に近い話にもなってきます。そのため
一般的に相当幅のある使われ方になるのですが、大元の考え方としてはこんな感じです。


オリハルコンの正体を探る・その3

2013-04-12 20:27:38 | 科学・技術・自然

その2の続きとしてやはり有名RPGに登場するものを。

ドラゴンクエストシリーズに登場するオリハルコンは、絵を見る限り白銀色をしています。
これはスピンオフ作品であるダイの冒険ではもっと明確です。こちらでは性質について
もっと明確な描写をしていますがこの描写を抜きにしてもある程度は絞りこめます。

王者の剣に使われるところから少なくとも延展性はそれなりにはあり、また硬度は高く、
経年劣化は少々するかもしれない。また鉱石として入手するようで単体金属か天然合金。
ダイの大冒険での重さと耐熱性の描写を考え合わせると最も可能性が高そうなのは

イリジウムまたはその合金になります。青く描かれやすいのもオスミウムとの混同か
天然合金と考えると、描写の少ないブルーメタルとほとんど同類と考えてよいのかも。
タングステンも候補には上がりますがこちらは色がかなり暗く無理がありそうです。

他に原作にない重さの描写を無視するとモリブデンルテニウムロジウム辺りか。
玉鋼ということも考えたがこちらの耐久性は「硬い」という方向性ではないので違うか。
他にファイナルファンタジーのミスリルの候補もそのまま候補として挙がりそうです。

ファイナルファンタジーシリーズに登場するオリハルコンはさらに描写不足ですが
基本的に性質としてドラゴンクエストのものと重複しており、同様の候補が当てはまり
そうです。「まばゆい金属」というところから白金族の可能性が上がるような感じです。

ただしこちらはオリハルコン製のアルテマウェポンの装備可能ジョブから考えて
軽めと思われる作品もあり、また下位版の存在も考えるとそれぞれ別の白金属、
イリジウム-ロジウムの対比とかルテニウムのみとかいう作品もありそうです。 


オリハルコンの正体を探る・その2

2013-04-05 19:29:47 | 科学・技術・自然

その1の続きとして今度はオカルト方面の話を。

ブラヴァツキー夫人などが「リーディング」したとされる超金属オリハルコンですが、これらの
「超金属」という表現は戦前、少なくとも60年以上前に使われていたことに注意する必要は
あるでしょう。つまり(当時としては)信じがたい性能を持った「超」金属を現在分かる範囲で
可能な限り近いもの、という辺りがどういうものになるかを考察してみます。

まず全体として語られる中では「オリハルコン」の使用は加工、特に合金にすることが
前提になるようです。「赤い金属」とあるのは以外になさそうだが、空気中で赤みを
帯びるマンガンも候補に加えてよいかもしれません。すると空を飛ばせるものでは

飛行機などにも使われるアルミニウム合金、特に銅の入ったジェラルミン等が候補に
なりそうです。軽さからするとむしろマグネシウム合金の方こそ「二種の白色の金属と
一種の赤色の金属からなる」という描写に合いそうな軽合金があるようです。

エネルギー源になるという観点からは燃料電池における銅-白金合金などがあり、
他には吸水素合金とかも考えられはするかも。具体的な組成などはここら辺になると
最先端近すぎて調べられませんでした。むしろ電池の電極としての方が考えやすいか。

オウム真理教も関係したヒヒイロカネにも触れておきましょう。「同じ金属」とも言われて
おりまさしく丹銅(ただし+煮込着色)っぽいのですが、こちらの方でしか語られていない
性質もありもう少しは別のものとして扱った方がよいでしょう。古代のものはともかく。

磁気に関しては反磁性もあるので銅のままでもよさそうだが、熱伝導性を考えると
銅より高いのはダイヤモンドとかカーボンナノチューブ位。後者を銅アルミ合金とかで
固めると近い感じのものになる・・・かも。(やった実例は聞かないが)。茶釜はむしろ
純炭素12ダイヤモンドに銅箔を貼れば、足りない熱量は釜の燃焼で補えるかな。


オリハルコンの正体を探る・その1

2013-03-30 19:24:05 | 科学・技術・自然

ミスリルの方はひと段落ついたので今度はこちらを。

の銅という語源を持つオリハルコンは少なくとも後世には銅系合金を表すようですが
今回は大元のネタっぽいプラトンのクリティアスで出てきたものが何であるのかから。
近年のオカルト系解釈はとりあえずは無視して通常の科学や史学の範囲内で。

描写からわかる性質はこのようなものです。
・少なくとも金属であり(当時の)価値は金には劣る
・語源からして銅に近いが別のものとして扱われていた
アトランティス自体は青銅器文化と言われており少なくともその当時扱えた金属
これらのことからやはり一番有力なのは

真鍮なわけですが、ここではさすがにちょっと疑問符を。なにしろクリティアスには
炎のように輝くオレイカルコス」とあるのでさすがに金色ではないのではないかと。
むしろ赤系の銅により近い色と思われます。少なくとも銅の割合はより多いのではと。

また「城壁の内側は錫で」とさらりと錫が出てきており、それと銅との合金である
青銅も金に迫る価値を持つとは考えにくく、可能性はなさそうだし「今は名前のみが残る」
という記述とも合致しません。すると可能性として残る銅系合金は丹銅かなと。

青銅と同様にある程度は自然に算出する合金で、エジプトでも出土例があるが溶かして
リサイクルしていくうちに亜鉛分が失われ、普通の銅と見分けがつかなくなったのではと。
「山の銅」という語源も工数の少なさからの亜鉛の損失の少なさから来ているのでは。

プラトンとか当時も本当は「オリハルコン」は残っていたが、再利用の過程で亜鉛が減って
色合いが変わり、普通の銅の中に埋もれて隠れてしまったのではないかと。この推測だと
結局真鍮とあまり変わらないのが難点ですが、想定用途や色合いなどはだいぶ違うかと。 


ミスリルの正体を探る・その4

2013-03-23 19:24:25 | 科学・技術・自然

その3の続きとして、ファイナルファンタジーシリーズのものについて

と比較して想定しうる性質は描写上、この辺りと思われます。

・固く科学的に安定していて錆びにくい
・高温に耐えられ高融点で低熱伝導率
・加工性は鉄より落ちるかも

ここら辺から考えると、その1で挙げた軽金属は軒並み選外となり
むしろ鉄よりは重い辺りが候補に挙がってきます。

ニッケルモリブデンタンタルタングステン白金族のいずれかといった辺り。
高温で反応性の高くなるチタン族は入るかどうか微妙。マンガンはなさそうか。
一応軽金属という辺りではクロムは残りそう。クロム鉄鉱からのステンレスとかも。

白金族は要求性能はかなり満たしていますが兵士への配給などは辛そうです。
タンタルも供給はそういう辺りに近そう。タングステンはさすがに重いかも。
青系として描写される事からはチタン族の可能性もありそうですが、ここはやはり

モリブデンとニッケルが残りそうです。特にニッケルは青を発色できるし。
モリブデンの青は反応絡みなので考えづらく、この方面からは弱いか。
ただしこの二つ、加工性ということではかなり難しいという代物ですが。

そしてやっぱりそれより考えやすそうなのは加工性面で鉄系合金になりそうです。
ステンレスをはじめインバーとか、選考で残った金属を配合した辺りが特に。
そう考えるとシリーズでの比較的低い扱いも無理はないのかも、という気はします。


ミスリルの正体を探る・その3

2013-03-18 20:43:14 | 科学・技術・自然

その2の続きとして、指輪物語ではなくその他の作品において
(3/23:誤植などいろいろ訂正) 

にも使われるような、例えばドラゴンクエストファイナルファンタジーに登場する
ミスリルのモデルは何か。実は性能の詳細を見てみると2つの作品でだいぶ違う
ようです。特に重さや加工性という点で。共通するのは魔法との親和性です。

ただしこの魔法要素は科学的には取り扱いようがなさそうだが、イメージの由来
を見る限りでは実は「熱伝導性が鉄よりかなり低い」事を表している可能性があり、
今回はそれを軸に推測の要素に加えてみます。するとまずドラゴンクエストでは

チタンの可能性が今度こそ高くなります。ミスリル製装備の描写上鉄より明らかに軽く、
また加工性については触れられていません。尤も純チタンからアルミ系合金とかの
可能性もありますが、加工例の描写も幅もないのでそこら辺は考えなくてよさそうです。

また多くの場合「青に金属」のように書かれているところも、何しろチタンはこのような
例もあるため「表面処理の都合」と考えればチタン(III)の色として無理がありません。
そしてファイナルファンタジーとなると実は「軽い」という描写が見られないため、

オスミウムとかいう可能性も考えられます。青く書かれることが多いことを考えると。
作中の描写では「【ミスリル】つよく かこうしやすい きんぞく。まほうにも よくはんのうし
まほうのぶきや ぼうぐをつくるもとになる。」という感じで、軽そうな描写ではありません。

また別のシリーズでは「マグマにも溶けないほど火に強い」があるため高融点らしいし。
ただし難点はいくらなんでも重いことと兵士に支給できるほど大量に入手できる可能性が
低そうなこと、加工は困難と思われる辺りがあります。作品によっても違いそうですが。 


ミスリルの正体を探る・その2

2013-03-10 20:38:40 | 科学・技術・自然

その1の続きとして改めて調べ直してみた限りで

アルミニウムがやはり一番有力になるかもです。その根拠としては
指輪物語Wiki(英語)ミスリルの記事を参照する限り、原作においては
実はミスリル製の防具は何例かあるが、武器がほとんど見られないことです。

そうすると「ガラスのように磨ける」というのはガラスと同じ方法で磨けるほど
元々が柔らかいということで、「これを鋼より強いが軽く鍛えることが出来た
というのは合金化でそのようにできるということになります。難点としては

鉱石(ボーキサイト)の鉱脈にあまり希少価値がなさそうな所と、鉱脈の形成の
課程からして「掘り進む」というような形になりにくそうなところです。ただし
掘り進んだ先がマグマではないことから正マグマ鉱床とも違いそうです。

ただしミスリルの胴着の描写からは「また冷たいことは氷のよう」という部分が
熱伝導率の高さを窺わせ、軽金属の中ではアルミに近いモノである様子があります。
ただし「白い宝石が一面にちりばめられており」は金剛石っぽいですが。

鎖帷子の性質からして「しなやかなことは麻にも紛うばかり」の部分は摩擦抵抗を
減らすことで解決できそうです。打撃攻撃にはかなり弱そうですが実際描写上、
「致命傷は避けた」というだけっぽいのでそこはそのままっぽいです。

そして合金としては強度、耐候性、耐食性、といったところの方向性のようで
規格にある合金の中では4000~6000番台のMgやSiが入るあたり、その中でも
時効の効果が薄い辺りかな。でもそこら辺は魔法による強化が効いているかも。


ミスリルの正体を探る・その1

2013-03-03 18:28:30 | 科学・技術・自然

ちょっと気になって調べてみました。

元の言語では「灰色の輝き」という意味になるミスリルはどの金属に相当するのか、
現代の金属の知識の中で可能な限り近いものを探してみました。作品によって
かなり違いがみられるのでここは原点である「指輪物語」に準拠する型で。

作中では”白銀色のはがね”製のくさりかたびらが見られるほか、描写によると
「銅のように打ち延ばせ、ガラスのように磨ける。銀のような美しさだが、
黒ずみ曇ることがない。ドワーフはこれを鋼より強いが軽く鍛えることが出来た」

のように打ち延ばせ、とあるところから少なくとも、鎖帷子を作れるくらいの
展延性を持っていると思われます。ここからニコニコ大百科に挙がる候補のうち
チタンゲルマニウムは外れます。まあミスリルとの合金なんてものもあるし。

金属の密度の一覧表から見てさすがに鉄より重いものは除いた方がよさそうで、
曇ることがないというところから亜鉛等はなく、「鍛えることができた」という部分に
若干の論議の余地(合金にするとか高温なら加工が容易とか)はありそうなので
一般的な金属材料でないものまで含めてリストアップしてみると、

クロムアルミニウムをはじめ、ベリリウムジルコニウムマンガン辺りか。
合金としてもサブの方が考えやすいマグネシウムバナジウム等は外します。
正直「合金が前提」や「鉄よりちょっぴり軽い」、「高温でなら展延性がある」といった
ちょっと単体では辛そうなものばかりが並んでいる感じもしますが。

というわけでこの中で単体で一番考えやすいのはジルコニウムかもです。
鉄よりやや軽く、くさりかたびらがミスリル製と気づかれなかったこと辺りから。

合金ならアルミニウムやベリリウムベースならかなり軽く強くなりそうですし
クロムやマンガンベースだと強靭性の方に比重が行きそうです。
錫はまあ、見た目は一番近いかも。鋼と比べられる合金の見当がつきませんが。


プルトニウムを減らすには

2012-07-08 14:49:48 | 科学・技術・自然

再稼働の「恩恵」を受ける地域に住んでいるのでちょっと関連することとして

高速増殖炉もんじゅの再稼働に関して、なぜこのようなものを稼働させるのか。
それは当然、「プルトニウム等を減らす必要があるため」です。プルトニウム
ウランを使う原子炉を使うごとに生産・蓄積されていく元素です。

通常の原子炉では核分裂するウランのみが燃料となり、使えば使うほど
放射性物質、特に半減期が長く厄介なウランプルトニウムを生成します。
それを最終的に核分裂させて、より原子番号が小さく半減期も短い
物質に転換してしまおう、というところがそもそもの出発点です。

使用済み核燃料を再処理しなければそれは核爆弾に転用されうる
プルトニウムを垂れ流しているのと同じことであり、当然それでは天然ウラン
より転用しやすい核爆弾の原料生産・放置することでもあります。

しかしながら高速増殖炉は技術的に困難であり現段階での稼働を
諦めている国も多く、それらをそのまま放射性廃棄物として処理する
(つまり、将来に残る禍根は核燃料サイクル技術がうまく確立できた場合
より格段に大きくなる)方向性こそが現時点での世界の潮流ではあります。

原子力発電直ちに止めればもちろん、使われていた核燃料
そのまま核廃棄物になるしかなく、そのことにより将来的な放射能汚染
危険度は現状より大きくなります。現状の反核運動かの方向性から
思い描かれる未来は残念ながらそのようなものです。

増殖炉は燃料の無限生産などと謳われてうますが、燃料になる重元素
の絶対量自体、核分裂ごとに減り続けます。そしてそれ以外の長寿命核種
現状一緒に原子炉で変換してしまう方法位しか「減らす」方法がありません。

大元のウランの埋蔵量自体100年分もなく、石油よりは長持ちする程度
であり、当然永続的なエネルギー源にはなりえません。そのため将来的に
再生可能エネルギーを隆盛させ原子力自体を衰退させること、そうすれば
今ある核物質を「消費して」減らしていく方向に変わらざるを得ないでしょう。


原発を止めて大丈夫なの?

2011-10-02 14:11:18 | 科学・技術・自然

ふとしたきっかけで関わったのでまとめておきます。

原子力撤廃に関する動きは福島原発の事故以来、少なくとも
直後には大変活発になり、また現在でもそれ以前よりは
大きな流れとなっています。それでも原子力撤廃を掲げる国は
EUの歌かな先進国などに限られている現状はありますが。

それでこの「原発を止める」ことが何を意味するのか、
私に解る範囲で少しまとめておきます。まあ例によって
「どういう道を選んでも難題あり」という結論になりますが。


原子力発電所は実際のところ、中国やインドといった
発展途上国を含めれば」世界的にはまだまだ拡大傾向にあり、
ドイツですら現に稼働中という現実があります。

実際文明の隆盛というものがエネルギーと関連している部分もあり
人口についても「維持から減少」がそのまま「停滞から衰退」と
連動することは避けられないようで、宇宙文明を目指さずとも
若者というものが必然的に発展志向を持つようにできています。

そして原子力自体制御が難しい、特に出力調整が難しいとも言われ、
またこれは停止に躊躇しやすいという現状も伴います。利権の面でも、
少なくとも民主主義国家におけるそれは雇用や被雇用者の票田とも
絡んでいますし。そこら辺の対策も今の政治にできるかどうか・・・

太陽電池などの代替エネルギーも、現在は総発電量不足、またその
隆盛を図るにもその生産には、特に安定した電力の供給が欠かせない
という現状があります。そしてその需要も大幅増が見込まれます。

そして原子炉を止めた後、核燃料はどうするのか、という問題も
あります。処理にも一時保存にもエネルギーは必要です。
特に長寿命核種を減らす(短命化する)技術もありますが・・・

現実的には再生可能エネルギーの発達に力を注ぎ、それにより
原子力の自然減を目指すのが最も考えやすいと思っています。
なんだかんだで太陽光こそが太陽系で最も大きなエネルギー源だし。


代替エネルギーについて

2011-07-03 13:54:52 | 科学・技術・自然

原子力に対する風当たりが強くなっている中、
それに代わる発電形態について少しまとめてみます。

火力発電など従来の発電は実績面でも考えやすい電力源です。
なにしろ計算上は火力だけでも必要な電力をまかなうことができる
という報告もあります。もちろん石油が続く間は、ですが。

ただしその石油が、可採埋蔵量は改善されつつあるのですが
もはやかなり採掘困難な場所出ないと産出しなくなっているのです。
最近でもメキシコ湾渤海湾などの流出事故が起きたように
事故が起きればそう簡単には対処できない場所がほとんどです。

燃料電池など家庭用の発電設備も最近開発が進行しており、
震災の際にも威力を発揮し注目を集めています。ただしその価格は
まだまだお手軽とは言い難く、太陽光でも手軽な価格とはいえません。
そして灯油式の発電機騒音とかいろいろ・・・

また燃料電池などの場合は、やはり天然ガスなど石油同様の問題があり、
バイオ燃料はまだまだ生産量が限られています。太陽電池にしても
当然、天候に左右されることを忘れてはいけません。そしてもちろん

再生可能エネルギーの数々も注目しなければいけない存在です。
ただしさすがにデメリットも小さいわけではなく、設置条件もさることながら
風力発電騒音水力発電のダムなど、まだまだ課題は山積みです。

そしてもちろん、必要な電力自体を減らそう、という論議もありうるでしょう。
家庭や工場の、特に在宅時間の多い高齢者世帯や工場の操業時間などを
切り詰めて、生活水準(生存率や雇用を含む)を社会全体で下げることを
許容できるなら、それが最も有効な対策になりはするでしょう。その影響を
一番強く受けるのはもちろん、社会的弱者ということになりますが。


海水中の水銀について

2011-06-27 20:36:54 | 科学・技術・自然

時々聞くこの辺りのことをまとめてみます。

メチル水銀が原因となった水俣病は有名ですが、大量の水銀中毒
引き起こした水銀はその後どうなったのか。それは供給(排出)が
途絶えると希釈されていったのです。世界中に拡散したとも言います。

日本近海における海水中の水銀濃度は10ナノグラム/キログラム未満
海水の総量(約1.36×108Km3)を単純にかけると(1m3=1tとして)
1,380,000,000t(14億トン)が世界の海水中に含まれることになり

チッソ水俣工場から流出した水銀は9から12トンといわれており、
それは世界の海水の水銀を1億分の1近く増やした計算になります。
もちろんほかの水銀による公害の分などを合わせると数百倍以上、
つまり人為的には1ppm以上増やしていると思われます。

実際の海水中では似たような量存在するセレンが水銀と錯体を作り、
水銀などの毒性を軽減しているといわれています。
もっともこのセレンも単体では、問題になりうるほどの毒性を持ちますが。

捕鯨などで生態濃縮の懸念される生物などを食べる場合には
このようにして海洋に流出した水銀による健康被害の懸念が
いわれることがあります。特にFDAによる勧告が有名です。

その健康被害がどれほどのものかは、特に捕鯨国である
日本、ノルウェー、アイスランドといった国々の平均寿命
周辺諸国よりどれほど短いかを見れば一目瞭然です。


災害の周期

2011-06-19 15:29:23 | 科学・技術・自然

さすがにカテゴリーを新設。ここら辺の話をまとめておきます。

プルームテクトニクス(またはより狭くプレートテクトニクス)論によれば
マントルの運動による地殻の動きにより、大きな地震などは比較的、
周期をもって起こるようになっています。とくに有名だったのが100年周期
東日本大震災はその一桁上、1000周期の地震と言われています。

プルーム自体の活動周期は数百万年と言われており、最近の活動期は
およそ1600万年前とされています。それはもちろんそれ以下の周期
活動を引き起こしますが、くわしくはどうやら研究中の様子。

火山の噴火は山によって規模も周期も異なり、日常的に噴火している
火山もありますが、富士山のように活動周期が長い火山もあり、
破局噴火」と呼ばれる全地球規模での影響を及ぼす事態も起こります。

大量の粉じんや火山性ガス、二酸化炭素などを放出し、人類の歴史にも
大きな影響を与えたことがトバ・カタストロフ理論等で示唆されています。

ただし地震と同様、人類の文明史前後かそれより長い周期の変動は
文字による記録も少なく、地質調査などをお用いてしか調査できず
まだまだ科学的に未解明の部分も多い事柄になります。

隕石の衝突も予想される規模において無視できない事柄です。
恐竜絶滅に関する仮説が有名ですが、最近の観測精度の向上に伴い
トリノスケールが出てくる小惑星の数も多くなってきています。

スペースガード計画など、隕石に対する対策も研究されており、
衝突の危険のある小惑星を核爆弾で迎撃する計画も練られています。

天体に関しては超新星爆発による影響も考えられ、地球に多量の
放射線が降り注ぐ事態が予測されています。太陽系もその残骸に
位置しており、最近はベテルギウスにその可能性が語られました


主な放射性物質

2011-06-05 14:01:19 | 科学・技術・自然

放射性物質には安定な元素よりたくさんの種類がありますが、
放射能として話題に上る核種は限られています。

地球上で主な被爆元となる物質は主に半減期が数十億年の、
地球史近いスケールのものが中心になります。その中で
主要な物はウラン238トリウム232カリウム40です。

他に宇宙からの放射により生成される物質があり、
炭素14三重水素ヨウ素129などが有力でこれらは
人体にも取り込まれており年代測定に使われることもあります。

原子炉ではたくさんの種類の物質(安定元素も)が生成されますが、
核分裂反応の収率の関係で、注目される物質は少なくなります。

とくに有名なのはヨウ素131セシウム137です。
この二つは化学的にも流出しやすい性質を持ち、半減期も
比較的短いため危険視されます。

他にストロンチウム90など流出しにくい
(そして人体に取り込まれたら排出されにくい)物質群があり、
チェルノブイリでは大量に、福島でも僅かに流出しています。

テクネチウムなど接する機会も比較的少ない、しかし科学的には
重要な意味を持つ一群の物質もあります。安定同位体が存在しない物質や
通常の原子とは異なるものまで様々です。

特にウランより重い元素はすべて放射性で、日々研究が続けられており
将来日本が命名する可能性のある元素等もあります。


放射能の利用

2011-05-29 12:04:07 | 科学・技術・自然

有害性が盛んに言われる放射能ですが、

原子力発電以外にも有効利用はされています。
また発電でも核反応を用いない原子力電池もあります。

これは(現在用いられている殆どのものが)原子核が出す
放射線による崩壊熱を用いた発電で、大抵は半減期数十年といった
人間のライフスケールに近い物質が用いられます。

減菌・殺菌処理にも用いられます。ガンマ線減菌など、
放射化(この場合、放射能が移ること)の危険は原理上、極めて微小で
危険物質の残留の可能性も少ない方法になります。

ただしこの食品照射は日本ではあまり行われていないそうです。
FAOによる安全宣言や勧告にもかかわらず、消費者の反発によるそうです。
しかしやはり大きな利用法は

放射線医学による利用です。体に照射する放射線療法が有名ですが
それ以外にも放射性同位体を体r内に注入する「核医学」があり
その妥当性に論議はあるものも、治療による効果の方が大きいとされます。

そして直接用いられるものでなけえればガンマ線天文学があります。
天体から放出されるガンマ線を観測するもpのでそれはもちろん地上にも
観測可能な量が常時、時には大量に降り注ぐこともあります。特に比較的
近距離での超新星などは生命への影響なども取りざたされています。