再稼働の「恩恵」を受ける地域に住んでいるのでちょっと関連することとして
高速増殖炉もんじゅの再稼働に関して、なぜこのようなものを稼働させるのか。
それは当然、「プルトニウム等を減らす必要があるため」です。プルトニウムは
ウランを使う原子炉を使うごとに生産・蓄積されていく元素です。
通常の原子炉では核分裂するウランのみが燃料となり、使えば使うほど
放射性物質、特に半減期が長く厄介なウランやプルトニウムを生成します。
それを最終的に核分裂させて、より原子番号が小さく半減期も短い
物質に転換してしまおう、というところがそもそもの出発点です。
使用済み核燃料を再処理しなければそれは核爆弾に転用されうる
プルトニウムを垂れ流しているのと同じことであり、当然それでは天然ウラン
より転用しやすい核爆弾の原料を生産・放置することでもあります。
しかしながら高速増殖炉は技術的に困難であり現段階での稼働を
諦めている国も多く、それらをそのまま放射性廃棄物として処理する
(つまり、将来に残る禍根は核燃料サイクル技術がうまく確立できた場合
より格段に大きくなる)方向性こそが現時点での世界の潮流ではあります。
原子力発電を直ちに止めればもちろん、使われていた核燃料は
そのまま核廃棄物になるしかなく、そのことにより将来的な放射能汚染の
危険度は現状より大きくなります。現状の反核運動かの方向性から
思い描かれる未来は残念ながらそのようなものです。
増殖炉は燃料の無限生産などと謳われてうますが、燃料になる重元素
の絶対量自体、核分裂ごとに減り続けます。そしてそれ以外の長寿命核種も
現状一緒に原子炉で変換してしまう方法位しか「減らす」方法がありません。
大元のウランの埋蔵量自体100年分もなく、石油よりは長持ちする程度
であり、当然永続的なエネルギー源にはなりえません。そのため将来的に
再生可能エネルギーを隆盛させ原子力自体を衰退させること、そうすれば
今ある核物質を「消費して」減らしていく方向に変わらざるを得ないでしょう。
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