網創漠蓄

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構造主義とポストモダン:ぶっちゃけ解説

2009-05-17 21:09:41 | 社会・地理・歴史
「構造主義とポストモダン」について、tanabeebanatさんの記事を受けて
私なりの解説を試みて見ます。まあ哲学専門というわけではないので、
情報処理の資格持ちとしてそちら方面の方には分かりやすいことを目指して。

Wikipediaの「構造主義」の項目から抜き出すと、
(略)その現象に潜在する構造を抽出し、その構造によって現象を理解し、
場合によっては制御するための方法論を指す言葉である。
構造主義という名称から、イデオロギーの一種と誤解されがちであるが、
今日では、方法論として普及・定着している。


プログラマ的に言い換えると、
「目的物の動作単位を抜き出し、そこから要求仕様を導き、
場合によっては必要なソフトを製作すること、位にあたるかなぁ。
~主義と付くので、なんかとっても思想っぽいけど、
今日では、エンジニアとかはそんな感じのことやってます。」
という感じになるかと。

ただプログラムとかと違うのは、「どこまで動作を切ればいいのか」が
はっきりせず、論者の裁量に大きく依存しているところです。
「場合によっては制御するための」とあるように
再現実験して見せることまでは目的とはしていないので。

ポストモダンの方はやっぱり▽架空の杜△さんが触れているように
旧い・新しいの問題でもなく優劣の問題でもない
ということになるかと。
ポストモダニズムとは必ずしもイコールではないが、構造主義以後に
構造主義を批判しつつ継承して出てきた思想傾向をポスト構造主義と呼ぶ。

という言及もありますが、「ポストモダン」とは意味として
「モダン(近代)の次」でしかなく、「近代」という言葉で何を表しているのか
場合によって色々ありすぎるようなので。
コンピューター技術の場合、それは機械以外の政治的要素などを踏まえることか。

で、漫画だの文学だのでこれを語る場合、
構造主義の方は「『物語の構造』をきちんと踏まえてくれ」という感じで、
ポストモダンの方は「外部の影響の反映」を言い表したものではないかと。
実際、読者の要請などを受けてストーリーが「途中で変わる」作品というのは
「連載作品」のように製作途上で人目に触れないとありえないので。

実際「外部の影響」で物語の基本構造が歪んでしまった作品は過去にあるわけで、
そういう意味では対立しやすい要素ではないかと思います。
ただ、過去のそういった実例を踏まえて両取りを目指すという方向性は、
やはり現れるのが必然ではないかと思います。
ただ同じ作品を読んでも何を「物語の構造」の軸と見るかは人によって違うので、
論争の種になりやすいのかな、と。