まさおっちの眼

生きている「今」をどう見るか。まさおっちの発言集です。

人生の失敗は、その人の性格の中にある!

2009-07-19 | 発言
「多重債務の整理、お任せください」、そんな司法書士や法律事務所の広告が、やたらと目に付くようになった。電車の乗っていても辺りを見回すと何件も広告が貼り出されているし、新聞広告のチラシにも入っている。こんな仕事が広告を打ってもペイするのだから、逆に言うと、借金で苦しんでいる人がいかに多くなったかという反映である。苦しんでいる人に追い討ちを駆けるわけではないが、人生の失敗は、それぞれその人の性格の中にある。俺が知っている人でも、クロちゃんはパチンコで700万円の借金で自己破産し、取立てを免れたと思っても、未だにパチンコ屋に通っている。二度目の破産も近いかも知れない。オカドさんは税金未納で国税庁に追われて倒産、ホソノさんも脱税で国税庁に入られ倒産、二人とも、どこかでホームレスになっているのか、行方不明になった。シゲちゃんは音大まで出て教師になっていたのに、持ち前の人間関係で離婚し、その後はホームレスに転落、河原のテントで住んでいる。みんな人生に投げやりだったり、人生に甘かったり、原因はその人の性格の中にあるような気がする。そういう俺だって、一歩間違えていればホームレス状態だった。昔、「大きな愛を得るために、小さな愛を犠牲にしてはならない」と置手紙をして同棲していた女は姿を消した。文学を志し、お金や日常生活のことなど殆ど無視して生きてきたからだ。その後結婚し、子供が二人出来たって、その性格は変わらなかった。子供二人が無事巣立ったのはカミさんの功績が大きい。50歳になるまで、家庭のことは殆ど顧みず、文学のことばかり考えていたからである。50歳で初めて自分の納得できる哲学小説を一遍書き上げ、ぼくは文学を卒業した。家庭を見ると、30年も済み続けた古ぼけたアパートにカミさんがぽつんとひとり座っている。「迷惑をかけたな。これからは、カミさんの家と、カミさんの老後資金を稼ぐことを目標にする」、そう思ったぼくは三畳一間の部屋から雑誌作りに取り組んだ。以来清算する57歳までの7年間で、小さな中古の家と最低の老後資金を何とか確保することが出来た。その間、苦難は何度もあったが、その都度、うまく事が運んだ。どうも、死んだカミさんの父、親友の新谷、津岡などがあの世から導いてくれたように思う。いずれにしても、50歳で文学に決着を付けていなければ、今頃はホームレスになっていたかも知れない。多分悲惨な生活を送っていただろう。人生の失敗は、その人の性格の中にあって、その性格の欠陥に自ら気づけば立ち直れる。ぼくは今でもそう思っている。