まさおっちの眼

生きている「今」をどう見るか。まさおっちの発言集です。

自分に甘く、他人に厳しい日本人!

2009-07-12 | 発言
13歳の少年が父親を刺し殺したとおもえば、昨日の朝日新聞の声の欄に13歳の中学生が投稿していた。それによると、近くに無人の野菜販売所があって、100円で自由に野菜を買うことが出来る。農家の人は私たちを信用してくれているし、私たちもそれを裏切らないようにしている。そして「信頼し合うのは気持ちがいい。そんな社会がなくならないでほしい」と結んでいる。ざっとそんな内容だが、その隣の声には62歳の町内会会長が、大阪のパチンコ店放火に端を発し、危ないから町内の出入り口に防犯カメラをつけたとある。一方は「人同士が信頼し合うのは気持ちがいい」というし、一方は、守るためにすべての人に疑いをかける。今の日本人は圧倒的に後者のほうだし、「信頼し合うのは気持ちがいい」という声には新鮮ささえ感じる。人間、信頼し合えるのは本当に気持ちがいいとぼくも思う。しかし今の日本人は「自分に甘く、他人に厳しく」なっているので、肉親でさえも接すると攻撃をかけてきて、傷つくことがしばしばだ。心に余裕がないのである。余裕がないから毎日イライラした気分で、他人の言動にすぐ激情してしまう。だから「信頼し合う」という普通のコミュニケーションすら出来なくなって、肉親といえども人間関係は疑心暗鬼になってしまっている。冒頭の父親殺しはその典型的な例だろう。自分に甘い人間は、自分の人間性を磨こうとしない。磨かないから自分にも自信がなく、謙虚に自分を反省する心の余裕すらない。そしてひたすら他人を責めることによって、自分の心のバランスを図ろうとする。こういう日本人が老若男女問わず大変多くなった。「思いやり」は「思い」を「やる」、つまり、人の立場に立って、その人にになったつもりで考えてみるという、そんな心の余裕がまったく無くなっている。「信頼し合うのは気持ちがいい」のに、こんな社会風潮では人間不信はますます募り、淋しいばかりだ。