今度はソフトバンクの孫社長の新エネルギー政策をそのまま自分の政策として頂いて、8月、原爆広島・長崎の日に、世界に対して「脱原発」を高らかに宣言し、解散に打って出るという。自民党の原発推進に対して、「脱原発か否か」と小泉が郵政民営化で総選挙で大勝した手口をそのまま使うらしい。まったくこの男は、目先さえクリアーできて延命さえできれば、変節もなにもおかまいなし、開いた口がふさがらない卑劣な男だ。私は脱原発を支持している。しかしスッカラ菅の延命の材料に使われたんじゃたまらない。事実民主党は党として原発推進を認めており、昨日海江田経産相が原発は安全対策をしっかりしたし再稼働を認めて頂きたいと言ったばかりではないか。党内でも政府内でも何の議論もされないで意思統一が図れていない「脱原発」をスローガンにする菅、これは延命のための小道具にしか考えてない証左である。一方では、岡田、枝野、仙谷、野田など、これまで菅を支えてきた側近たちも辞表を突き付けて菅退陣を促すという。だったらなぜ、退陣を促した内閣不信任案に賛成・欠席した小沢一郎グループの者たちを除名・資格停止処分にしたのか、さっぱり理屈が通らない。もう政治はしっちゃかめっちゃかである。理想も信念もないヤカラどもが自分たちの私利私欲だけで動くから、スジも道理も通らない世界になっている。これほど醜い世界はない。
自分も含めて、人間というのは自分の欲望に勝てず身を滅ぼすという、いかに愚かな動物であることか。今日の読売新聞にエネ研の調査として、今脱原発をすれば電気料金が月1000円上がるというデーターをのっけていた。これだけみれば、原発はコストが安いし、続けることが必要となる。しかしこれは燃料費だけの算出で、原発の建設費や、焼却の処理費などを含めると石炭・水力・石油・天然ガスと比べてはるかにコスト高になるのである。まして今回のように大事故になれば、その補償額は20-50兆円ともいわれ途方もない金額である。それらは独占である日本の場合、全部電気料金に跳ね返り、原発を止めれば日本経済がおかしくなるという議論などふっとんでしまうだろう。さらに重要な問題は、人間の限りない欲望を満たすために、地球を汚してはならないということである。原発はクリーンとみられ、化石燃料を燃やし続けオゾンの破壊を食い止める一面もあった。しかし、今回のように一度大事故を起こせば、大地や海は汚れ何百年、何千年も回復不可能になるのである。自分らが目先の欲望を満たすだけで地球をそんな形で汚していいものかどうか子供だってわかる論理である。しかし原発利権に群がるものたちは目先の利益だけで未だに原発推進で世論操作し、国民の多くは原発やむなしと洗脳されている。未来の子供たちのためにも、原発は廃止すべきである。数十年をかけて世界の原発を完全に廃止すべきである。唯一の被爆国日本が核廃絶を世界に訴えたように、大事故を起こした日本が世界に原発廃止を訴えるべきである。そして、当面国内においては、10電力独占体制を見直し、送発電を分離、電力の自由化を促進すべきである。東電は法的整理し、株主や金融機関貸し手責任も問わねばお話にならない。ある種の欲望に足るを知って、脱原発しか道はない。
大連立だとか、民主党代表選に小沢鋭仁が立候補だとか、野田佳彦財務相で一本化とか、菅首相が7月退陣を想定して永田町やマスコミは喧しいが、ひよっとしたら菅は辞めないかも知れない。側近には冷温停止どころか消費税値上げが退陣の一定のメドと言っているらしい。とすれば4年任期いっぱいやるということである。確かに菅の精神力はただ者ではない。一旦得た権力の座は、国民がどうなろうが、マスコミがどう騒ごうが、永田町が混乱しようが、決して譲らずという常人では考えられない異常さを持っている。自ら師と仰ぐ市川房江すら「菅だけは信用してはならない」と言っていたほどだ。菅という男は、代表選の時も小沢が僕には夢があると言えば「私にも夢がある」と言い、小沢が地方に移管と言えば菅も権限を地方に移管すると言い小沢を驚かせた。人の話をすぐ横取りするのである。それでいて代表選に勝って、総理になってもその公約を何一つ果たそうとしない。鳩山に「ペテン師」とまで言わしめた行為も同様である。彼の性格というのはウソを着こうが人の主張を横取りしようが、変節しようが、目先をクリアーし、権力の座に一日も長く座っていることが目的なのである。菅はその異常性を発揮して、へらへら嗤いながら総理の座に四年間居続けるかも知れない。
菅首相の側近四人、仙石由人官房副長官、枝野幸男官房長官、岡田克也幹事長、安住淳国会対策委員長が世論の動向を見て一転早期辞任の包囲網を敷き、菅は今夏までに辞めざるを得なくなった。当たり前である。ペテンで延命を図るとは断じて許しがたい行為である。被災者の心に届く「思い」のかけらも感じさせなかった菅、首相の座だけが好きだった菅は早期退陣して当然である。しかし、次期総理となれば、仙石、枝野、岡田、安住、前原などには何の「誠」も感じられない人材である。本当は小沢一郎に手腕を振るってもらいたいところだが、裁判があって状況が許さない。とすれば、ここは思い切って原口一博前総務相や細野豪志まで一挙に若返りを図ってもいいのではないか。原口には骨があり、誠がある。総理として誠を前面に押し出した熱意で救国できると期待している。
テレビ・新聞などマスコミは概ね菅首相を支持してきた。野党の不信任案提出に対して、この非常時に政争の具にするのかといった論調や、激流で馬を乗り換えてはいけないなどと擁護してきた。ところが菅首相の続投表明で、「菅首相が辞意表明」と号外や特番を打ったマスコミのメンツは丸つぶれになった。さすがにマスコミは怒ったのか、この際菅首相は早期退陣したほうがいいという論調に変わってきた。この一両日に論調が一変するのだから本当にマスコミはいいかげんだ。全紙号外まで出したものが「誤報」扱いにされたのだから「菅の野郎!」とマスコミのプライドが傷つけられ怒りに変わったのだろう。今朝の朝日新聞なんか菅擁護から早期退陣に一夜で路線を変更したものだから、「首相は潔くあれ」という若宮啓文主筆も、「白けっぱなし大義なき政争」の星浩編集委員も、「一定のメド、菅さん、それはない」の社説も、説得力のない内容意味不明の「菅早期退陣」の文章になっている。朝日の記者は特にプライドが高く、誤報扱いによけいに頭にきたのだろう。マスコミ各社は誤報扱いの「怒り」だけで擁護から退陣に一夜にしてのこの変節に「大義」はあるのだろうか。実に滑稽である。
小沢、鳩山グループ91人で、内閣不信任案は可決であった。しかし民主党を割りたくはない、その思いが鳩山を動かし、菅首相と鳩山前首相が最終的に覚書を交わした。▽民主党を壊さないこと▽自民党政権に逆戻りさせないこと▽大震災の復興並びに被災者の救済に責任を持つこと〈1〉復興基本法案の成立〈2〉第2次補正予算の早期編成のめどをつけること、この条件で菅は辞めるという言質を取り付けた。第二次補正予算のメドというのは今月末、遅くとも7月初旬である。つまり、一か月後に退陣するということである。そして、その合意を踏まえて昨日の民主党代議士会で、菅はメドが着いたら若手に道を譲りたいと辞意を表明し、次に発言をした鳩山は「首相が重い決断をされた。これを持って一致団結しよう」と、一転ほぼ全員が午後の国会で否決に回った。ところが、ズル菅は夜の記者会見で、原発の冷却メドが着くまで辞任はしない、つまり、来年以降まで続投すると発表した。ものの見事に鳩山ははめられたのである。一国の総理たるものがウソをついて人を騙してまで延命を図る、なんと醜悪なことか。菅という男は、目先さえクリアーできれば、人の話を自分の意見のように横取りしようとも、今回のことのようにウソをつこうとも平気な男である。政治家は「誠」がなけれは失格である。辞任を口にした以上即刻辞めるべきである。そうしなければ、自民党は問責決議案を提出し、与野党逆転の参議院では震災法案など一本も通らなくなるだろう。政治を前に進めるため、菅首相は即刻辞任し、次の首相に未来を託するべきである。