シニアー個人旅行のかわら版

国内・海外旅行の話題を中心に、アップデートな情報とともに、シニアーのための手作り旅行を発信する。

大分の郷土料理と臼杵のふぐを味わう

2008-02-24 09:07:47 | Weblog
 旅の楽しみの一つに、食があります。昨年末農林水産省から「郷土料理100選」が発表され、大分県では「だんご汁、ごまだしうどん、ブリのあつめし」の3点が選出されました。今回の旅では、その三つを味あうことができました。

 だんご汁
 大分県全域で食べられている基本食だそうです。宇佐神宮前の土産店の食堂で食べました。基本食ということで、定食に添えてあるようでしたが、単独でも注文できます。だんごが入っているのかと思いましたが、野菜がたくさん入った味噌汁に幅の広い厚めのうどんが入っているという感じで、山梨の郷土料理「ほうとう」と似ています。
 名前の由来ですが、小麦粉を捏ね、団子状にちぎったものを伸ばすところからくるようです。だしは小魚を使っているようで、ここがほうとうの味と異なるところです。店の方の話ですと、店により、また家庭により独自の味があるとのこと・・・夏場でも、汗を流しながら、この熱いだんご汁を食べるとのことでした。

ごまだしうどん
 佐伯の郷土食です。国木田独歩館の受付の女性に教えてもらった松並木先の駐車場前の店に行きました。お湯だけの中の、うどんが・・・そしてかまぼこ、青ねぎが散らしてあるだけです。その中に練り状のごまだしを大匙一杯加えます。それがそのままだしとなり、いい塩梅の味となります。いとも簡単な調理法、さすがに漁師の伝統食です。しかし、ごまだし作りはたいへんです。エソという小魚を丁寧にさばき、焼き、身をほぐし、そしてごまを加えて擦る・・・という漁師のおかみさんが手間隙かけて作ったものなのです。
 このごまだしは万能調味料、いろいろな料理に使えます。冷蔵庫の中なら三ヶ月は持つという優れもので、土産にもってこいとばかり、13個を送ってもらうことにしました。

ブリのあつめし
 醤油に漬け込んだ新鮮なブリの切り身を炊き立てのご飯の上に載せ、その上にお茶をかけて食べる漁師の船上食が原点です。りゅうきゅうというとも呼ばれているようで、琉球の漁師から伝わった調理法とのことでした。
 佐賀関で関さばのりゅうきゅうを食べました。あたたかいご飯の上に、関さばの切り身がならび、薬味がかかっています。それに特製のたれをかけて頂きました。
 大分空港でもりゅうきゅうの真空パックのセットが売っていました。売り場の女性の話ですと、関さばのりゅうきゅうは年に数回しか食べられないとのこと・・・高価な郷土食となってしまったようです。

臼杵とふぐ
「冬に臼杵に行くのだったら何を置いてもフグを・・・」と臼杵に詳しい友人から聞いていたので、臼杵に着くと予約しておいた料亭春光園に向かいました。臼杵藩主稲葉家家老の屋敷跡、庭園は文化財に指定されているとのこと、着いたのが6時半で暗く、残念ながら庭園を見ることができませんでした。料亭入り口はまさしく映画で見るような武家屋敷の玄関の構えそのものです。
 
 個室に通され、早速食事です。地元の特産の名物を並べた先附をそこそこに、いよいよふぐ刺しです。大皿に載せられたふぐ刺しですが、皿の模様が透き通るくらいに芸術的な薄さにそがれているのがふぐ刺しですが、臼杵のふぐ刺しは違います。厚くそいだふぐの身が無造作に並べられた趣なのです。潮流の激しい豊後水道で育った天然ふぐの身は、薄く削ぐのが大変で、贅沢に厚い身のままで、ふぐ独特の歯ごた・甘みが倍加している食感なのです。

 そして薬味として盛られた青ねぎともみじおろしの横になにやら白いどろっとした形状の品が添えてあります。これがふぐ××で、ここ臼杵でなければ決して食べることができないものです。怖々と箸を伸ばし、ポン酢に漬け頂きましたが、上品なまったりとした甘みが口いっぱいに広がり、高級品のフォアグラもその比ではありません。
 ちょうど部屋にお見えになった女将との会話の中でも話題になりましたが、石川県能登地方に伝わるふぐの卵巣の糟漬けは、ふぐの毒(テトロドトキシン)抜きの奇跡の発酵文化として知られていますが、臼杵にも独特の調理法の文化があるのかもしれません。
 
 続いて出されたのが2月~3月しか食べられないという白子です。ふぐちりに入れた安物の白子は食べたことがありますが、臼杵では焼き白子として出されます。
 表面を微妙な火加減で炙った白子が、小さな丸もちのような形で小皿に二つ載っています。そのまま口に入れ、表面を歯でそっと割ると、中身が流れ出しとろけるような滑らかな舌ざわり、そしてほのかな甘みが口中にひろがります。
 
 ふぐの天ぷらを食べた辺りから、ひれ酒の酔いも手伝い満腹となり、ふぐちりの後の定番の雑炊は遠慮しました。それにしても、ふぐミソ(?)の味わい、ふぐ刺しの量感、白子の上品さ・・・臼杵で出会った伝統のふぐ料理の味は生涯忘れることができないでしょう。

九州の旅シリーズもお読みください。
国東半島から黒川温泉へ
竹田・佐伯・臼杵へ
臼杵・佐賀関・別府温泉

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 臼杵・佐賀関・別府温泉を楽... | トップ | なまず料理の町吉川と近藤勇 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

Weblog」カテゴリの最新記事