シニアー個人旅行のかわら版

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スペイン国鉄renfe(レンフェ)に乗ってフィゲラスへ・・・

2009-07-18 15:20:20 | Weblog
ダリ美術館Teatre Museu Dali(写真)を訪れようとパセッジ・ド・グラシアPasseig de Gracia駅からrenfeに乗りました。往きは快速列車のカタルーニャ急行Catalunya Expresで1時間40分、復路は普通列車Regionalで2時間10分の列車の旅となりました。

RENFEレンフェとは「Red Nacional de Ferrocarriles Españolesスペイン国鉄網」の略語で通称名です。10年前の初めてスペイン旅行でマドリッド中央駅のアトーチャ駅にレンタカーを返すために駅隣接の駐車場に乗り入れたことはありますが、renfeには乗っていません。5年前のアンダルシアもレンタカーの旅・・・今回のバルセロナ旅行がrenfeに乗るのは初めての体験となりました。

サンツ駅がバルセロナの中央駅です
(サンツ駅の写真ですhttp://www.trenscat.com/renfe/barcelonasants_ct.html
renfeのバルセロナの始発駅はサンツBarcelona Santsです。マドリッドに向かうスペイン高速鉄道AVE(アーベ)もここから出ています。フィゲラスへはフランスとの国境の町ポルボウPortbouへ向かうrenfeに乗ります。
 混雑するサンツ駅を避け、隣の駅、パセッジ・ド・グラシア駅から乗りました。スペインでの初めての列車の旅、駅の様子も分からない上、切符の買い方にも不安があります。そこで、前日にグラシア通りを散策した折、世界遺産の一つガウデイのカザ・バトリョCasa Batllo前にある地下駅、metroとrenfeが交差するパセッジ・ド・グラシア駅の構内に入り、地下鉄は自動販売機で、列車は7つの窓口が並ぶ切符売り場で購入することを確かめておきました。

切符は窓口で購入します
ポルボウ行の列車は一時間に1本の割、快速と普通列車が交互に出ています。当日、7時51分発の列車で行くことにしました。往復切符(ida y vueltaイダ・イ・ブエルタ)で18.60ユーロ、クレジットカードを出しましたが、現金で支払うようにとのことでした。
 外国人であることが分かったのか、時刻表Horaris(オラリス)を出しくれ、発車時刻とフィゲラスの到着時刻に印をつけ、2の数字を書き込んで、二番線(via 2)から乗るように、更にFigueres発の3本の列車の発車時刻に印をつけて、このいずれかで帰るといいだろうと手渡してくれました。

車内検札があります
 親切な駅員にお礼を言い、自動改札口を通り、ホームに降りました。カタルーニャ鉄道もそうでしたが、スペインの地下駅は薄暗く、排気にも問題があるのではないかと心配になります。
 7時51分発はCE(Catalunya Expres)です。日本の客車より車高もあり、一回り大きい車両です。客席は片側2列で、日本の新幹線よりゆったりとしています。土曜日であったためか、当初の乗客は六人だけ、フィゲラスまでガラガラでした。
 快速列車は追加料金が掛かるとブログで読んだことがありますが、車内検札の際に、請求されませんでした。切符のI/VのI(ida 往き)の部分にチックを入れるだけでした。検札でちょとした事件がありました。ぐっすりと寝込んでいた若者を起こして、車掌が検札しようとしましたが、なにやら厳しい表情で若者を問いつめています。やがて、次の停車駅で若者が下ろされてしまいました。切符を持っていなかったのか短距離の切符で乗車していたのでしょうか・・・

車内アナウンスはなく、静かな旅を楽しめます
 過日の朝日新聞・天声人語は、過剰な車内アナウンスを取上げていましたが、スペインの車内アナウンスは次の停車駅名を直前にアナウンスするだけです。これはカタルーニャ鉄道でも同様でした。ただ、わずかな違いがあります。カタルーニャ鉄道では、「Proxima Estacion, Monistrol Montserratプロキシマ・エスタシオン、ムニストロ・モンセラット」と1回だけ、renfeでは「Proxima Parada, Figueresプロキシマ・パラーダ、フィゲラス」を2回アナウンス、estacion「駅」とparada「停車場」の違いが面白く、renfeの伝統を感じました。
 線路に並行して、ところどころで、新線が建設され、郊外ではかなり完成していました。おそらく、フランス国境に向けて、新しい高速鉄道を建設中なのでしょう。

車窓から風景を楽しむのもよいものでした
 バルセロナの地上に出ると、しばらく工場地帯を走ります。日産自動車のバルセロナ工場もあります。昨年、1,600名の従業員解雇への抗議デモが報じられていましたが、どうなったのでしょうか。
 郊外のマンションはバルセロナへ通う勤労者の住居、やがて戸建の住宅地が多くなります。30分も走ると田園風景の丘陵地帯です。駅はだいたい町外れにあり、駅前には駐車場があり、大木となった並木道が街の方角に伸び、renfeの歴史を感じさせる駅もありました。
 1時間を過ぎた頃、立派なカテドラルが聳え、石造りの家が連なる歴史を感じさせる街に停まります。ここがジローナGironaで、情緒豊かな中世からの街で、旧市街にあるユダヤ人の住居はヨーロッパ有数の保存状態の良く、迷路のような路地裏を散策は得がたい体験となります。

フィゲラスも町の東の外れにあります
 ダリ美術館は、街の中心にあって戦火で荒れ果てた市民劇場を、ダリ自身が設計して美術館として改修したものです。
 駅前の公園を通り過ぎ、北東へ徒歩で10分、市(マーケット)が開かれるカタルーニャ広場、子どもの遊び場となるランブラ広場を過ぎると、狭い石畳の通りが美しいフィゲラスの繁華街に出、教会の脇の坂を登ったところにTeatre Museu Daliがあります。
 訪れた日は土曜日、市が開かれ、近隣の何軒もの農家が果物や野菜を並べていました。フィゲラスはフランス国境まで40キロ、フランス・プロバンスの市(いち)、マルシェ(marche)を思い出しました。

 
ダリ美術館見学記です



  ダリ美術館は中庭を取り巻くように三階まで回廊がめぐらされ、展示室になっています。階段を登りながら、次々とダリの作品を見学できるようになっています。ある解説書に「・・・まるでビックリ箱をひっくり返したようなダリのトリックを楽しみたい」とありましたが、まさしく、次から次へとトリックの連続で、覗き込んだり、透かしたり、見上げたり、見下ろしたり、「精神医学のバラノイア(偏執狂)を芸術に取り入れた異端の画家」と称されるダリの真髄が示されています。作品を見ているうちに、展示室の消火器までもが作品に見えてしまいました。ダリの作品を見ているのか、ダリの作品に見られているのか、ダリの世界に引きずり込まれた2時間でした。
 美術館を後にして、土産物店や食堂が軒を連ねるサント・ベレ教会脇の坂道を下り、オープンカフェとなっている広場でアイスクリームを食べようやく現実の世界に戻りました。



スペイン旅行について記した私のブログをお読みください。

バルセロナ8日間のプラニング
バルセロナ情報です
バルセロナからモンセラットへ
カタルーニャ音楽堂でコンサートを
これでスペインパラドールの全てがわかります。

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