シニアー個人旅行のかわら版

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バルセロナからモンセラットへ

2009-07-12 09:15:43 | Weblog
個人旅行であれ、ツアー旅行であれ、バルセロナに行くことがあったら、ぜひ、モンセラットを訪れたらいかがでしょうか・・・。
 
 バルセロナの北西部50キロに位置するモンセラット(Montserrat・・・mont 山/serrat鋸で切られた)は海抜1236mの独特な山容の岩山で、そこにある大聖堂の礼拝堂に安置されている黒いマリア像は、カタルーニャの人々の崇拝を集めています。また、ガウデイなどの芸術家がインスピレーションを受けたといわれる奇岩からなるモンセラット山全体が聖地となっています。

 大聖堂だけの訪問ならバルセロナから半日コースですが、折角訪れるのですから、聖地モンセラット山のハイキングも体験する一日コースとしたいものです。

モンセラットは礼拝堂と修道院から成る小さな街です
 大聖堂は麓の町から600m標高差のあるモンセラットの中腹にあります。11世紀に建てられた小さな教会が始まりで、その後カタルーニャの中心的な大聖堂となります。19世紀初頭にナポレオン軍の侵攻で破壊されますが、修復され、以前の荘厳な姿を取り戻し、現在80名の修道士によって運営されています。
 礼拝堂と修道院の他に、修道士達の宿舎、美しい歌声をミサに響かせる少年聖歌隊の学校、観光客のためのホテル、レストラン、カフェテリア、バール、観光案内所などが一体となって小さな街という趣です。

NHKの音楽番組「Amazing Voice驚異の歌声」で紹介されています。
http://blog.goo.ne.jp/masa4439er/e/e2d44ccddf25cab802450b06b37c1d02

  ホームページhttp://www.abadiamontserrat.netを開き、{Visita Virtual}をクリック、周辺の映像をご覧下さい。

モンセラットとは「のこぎり山」のことです
 Montserratはmont「山」 serrat「鋸」の合成語です。太古の時代、周辺の土地が陥没し、高さ1200メートル、長さ10キロ、幅5キロの台地が取り残され、やがて長年の風雨に浸食され、現在の山容となりました。標高1000mから1236mの峯が連なる決して高い山ではありませんが、独立峰として君臨、またその独特の山容から人々の信仰を集めてきました。
  近くから見るモンセラット山は鋸で切り裂かれたように見え、朝や夕に裾野に広がる山容の影が鋸にそっくりであり、遠方からみるモンセラット山のシルエットは、地上に置かれた鋸のようにも見えます。

電車と登山電車を乗りついで行きます
 観光バスは山道を登って礼拝堂まで行きますが、バルセロナ・エスパーニャ広場の地下駅プラサ・エスパーニャPlaza Espanyaから出るバルセロナ公営鉄道FGCとロープウエイか登山電車利用が便利です。近距離電車など複数の行き先の電車が出ていますので、1時間に2本の割で出ているマンレサManresa行きのR5線に乗り、ロープウエイ利用ならモンセラット・アエリ駅Monserrat aeri, 登山電車cremalleraクレマジェラ利用なら1つ先のムニストル・ド・モンセラット駅Monistrol de Monserratで降ります。

 2004年に敷設された登山電車は、ムニストル・ド・モンセラット駅から海抜700mにある礼拝堂まで20分でゆっくり登り、途中の景色が素晴らしく、観光客を魅了します。往復切符で14.60ユーロでした。
Pl Espanya駅の改札口に切符の自動販売機(スペイン語・英語に切り替えられる)で{Montserrat}/{tren+cremallera}/{ida y vuelta(イダ・イ・ブエルタ往復)}を選んで購入します。自動販売機脇には、係員が常駐、観光客の切符購入を手助けしてくれます。
カタルーニャ鉄道の路線は次のサイトをご覧下さい。
http://www.fgc.es/downloads/linia/linia_llobregat.pdf

モンセラットへの車中、フィリピン人のシスターと同席でした
 朝8時16分発の電車に乗りましたが、モンセラット修道院のミサに通うフィリッピン人の若いシスターと一緒の席になりました。バルセロナに来て、それぞれ8年と2年になるという二人と、英語とスペイン語でのカタコト会話となりました。
フィリッピンの教会から派遣されてきたとのこと・・・フィリッピンという国名は、スペインのフィリップ2世に因んで付けられたもの、両国の間には植民地時代からの深い関係が続いているのでしょう。
 おしゃべりをしたり、飴を交換したり、写真を撮ったりしている内に、あっという間に1時間が過ぎ、彼女らはMontserrat Aeriでロープウエイに乗り換えるため降り、ホームから「Proxima Estacion!(プロキシマ・エスタシオン:次の駅よ)」と私たちに念を押し、「Cuidate!(クイダテ:気をつけて)」と手を振ってくれました。

大聖堂見学後、ハイキングに出かけました
 楽しみにしていたヨーロッパ最古の歴史がある少年聖歌隊のコーラスは、モンセラットに出かけたその日6月25日からEscolania(エスコラニア:聖歌隊の学校)が二ヶ月の夏休みに入ったため、聞くことはできませんでした。
 そこで大聖堂見学後、ハイキングに出かけることにしました。5つあるルートのうち、最長の3時間コース,最高峰Sant Jeroni(1236m)を目指しました。

 Information Centerで英語版のルート説明と地図「Itineraries from the Monastery」を貰い、funicular( フニクラ:ケーブルカー)のSan Joan線に乗り、一気に1000m地点へ・・・そこからSant Jeroniの頂まで、1時間ほどです。モンセラット山の絶景を楽しみながら整備された歩道を歩き、岩山までありながら、意外にも小さな森が点在し、日差しを遮ってホッとできます。
一番きついルートであると紹介されていましたが、ケーブルカー駅からなら、4キロをかけて300mを登るだけ、ほとんど平坦な印象です。標識も完備、地図と説明を参考に散策気分のハイキング、20名位のオーストリアからやってきた高校生の一団も登っていました。
 小さな木橋を渡ったり、お花畑に囲まれた小さな無人の教会が残されていたり、さらに頂上近くには暖炉と石垣だけが残る修道院跡があったりと、変化に富んだハイキングを楽しめます。


 Sant Jeroniはモンセラット山塊の北端にあり、ここから一気に下の平野まで1000m近く落ち込んでいます。ここはカタルーニャ地方全体、さらにフランス国境のピレーネ山脈まで見渡せるモンセラット山最高のビューポイントなのです。
帰路は復路の途中から、標高差500mを大聖堂まで1時間10分で降りる道が通常の経路ですが、雷雲が発生、大急ぎで往路と同じ道をケーブルカー駅まで戻りました。



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