シニアー個人旅行のかわら版

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☆シエラ・ネバダ南斜面にあるアルプハラスの村々を訪ねる・・・ドライブ・IN・スペイン(2)

2007-05-20 16:44:11 | Weblog
 
 イギリスのAA(Automobile Association-自動車協会)が出版している explorer SPAINという旅行案内書にアンダルシアでのドライブコースとして  White Towns(白い村)ルート(マラガ県)とともにAlpujarras(アルプラス)ルート(グラナダ県)が推奨されています。このルートについて「beautiful美しい・strikingきわだった・ rustic田園風の・lovelyすばらしい・ magnificent雄大な・fascinating魅惑的な」とあらゆる賛辞を送っていますが、「 fairly arduous driving(まったく根気がいるドライビングだ」と運転に注意を促しています。


1492年にアルハンブラ宮殿を明け渡し、この地アルプハラスに追われたボアブデイル王一族が幾多の抵抗もむなしく、1609年にこの地から北アフリカに追放された悲劇の歴史を刻む土地です。イスラム文化の彩を残す村々シエラ・ネバダ山脈南面の幾重にも重なる深い谷間が独特の風土を醸し出しています。
標高1000メートルを越える交通不便なこの地は今でも車が唯一の交通手段です。中央線も引かれてない、狭く、急坂で、曲がりくねった道のドライブには神経を使いますが、疲れを吹き飛ばす景観の素晴らしさと彼らを迎えてくれる美しい村々の存在がドライバーを引き寄せるのでしょう。

Malaga Airport Mapを使ってルート全体を把握します。(このブログを初めてお読みになる方は、このプログの「私のスペイン・ドライブ旅行のプラニング法」でMalaga Airport Mapsの活用法を詳しく解説してありますので必要があればお読みください)
Malaga Airport Guideのページが開いたら、{-}を4回クリック⇒この縮尺でMalagaマラガを左下、Googleの文字に重なるように地図を調整、OrgivaオルヒバがGranadaグラナダへ向かうE-902の途中、右側に見えてきます。
 今度は地図をOrgivaを中央になるよう動かします。Parque Nacional de Sierra Nevadaシエラ・ネバダ国立公園の大きな山脈が緑色で表示され、Ugijarウルヒルの町がOrgivaと向かい合うように見えます。この二つの町に挟まれた渓谷が今回のドライブコースです。
上部中央のボタンをクリックして航空写真に切り替えます。⇒雪を頂くシエラ・ネバダの下に細長く、アルプハラス渓谷を見ることができます。更に{+}をクリック、ズームインすると更に鮮明に見ることができます。左ボタンを押し、道路地図に戻ります⇒A-348の道路しか表示されませんが、この上に見える村々を結ぶ山岳道路があります。{+}をクリックしていくと、表示されます。これが今回のドライブ・ルートです。
 
この地図ではMotrilモトリルからGranadaグラナダに向かうE-902は未完成のまま表示されていますが、現在はほぼ開通しています。モトリルから北上して途中でオルヒバへの県道A-348に右折せず、そのまま直進し、LanjaronランハロンからOrgivaオルヒバに入るようにします。Lanjaronへは高速道路に標識があります。、地中海の町モントリルからE-902を北上するにつれ、標高がどんどん上がり、右手の山腹に風力発電の大きな風車が何本も見えてきます。そこがランハロンで、アルプハラスを防御するため、イスラム教徒が最後の城砦を築いた町です。ランハロンは温泉地(飲料用)として名高く、ここのミネラルウオーターはスペイン全土で販売されています。

アルプハラス地方はシエラ・ネバダ山脈の南斜面とその前衛の山々の間に挟まれた幅7~8キロ、長さ60キロ渓谷です。西端に位置する政治・経済の中心地Orgivaオルヒバからは、北側に山岳道路A-4132が、南側に県道A-348が、アルプハラス渓谷を挟むように伸びています。この二本の道路は60キロ先で合流しますが、45キロ先の間道を除けば、この二つの道路を結ぶ道や橋はありません。したがってドライブルートは同じ道をUターンするか、大きく周回するかどちらになります

四つのドライブコースを紹介します。



A.45キロコース(Uターン)
Barranco del Poqueiraボケイラ峡谷の緑に包まれた丘陵地にアルプハラス地方で最も有名な三つの村があります。
最初の村はイスラム教の文化のお影響が残っているPampaneiraパンパネイラです。明るい広場、小道に立ち並ぶterraosテラオスと呼ばれる白壁の平屋根住宅が並び、屋根からはスレートを被せた煙突が突き出ています。
A-4132をしばらく進むとこの道には似つかない立派なロータリーにでます。ここには土産店、バールがあり、公衆トイレもあります。ここを左折して間もなく、美しい屋根の教会があるBubionブビオンと民族博物館のあるCapileiraカピレイラへと続きます。前方に雪を頂く山々がまじかに迫り、雪解けを待ってMirador de Trevelezトレベレスの展望台に通じる道が開通します。

 B.70キロドライブ(Uターン)
 Aルートに加えて、海抜1476mに位置し、スペインで最も標高が高い村として知られているTrevelezトレベレスへ向かいます。ブビオン、カピレイラの村から下り、ロータリーでA-4132に戻り、先に進みます。イベリア半島最高峰のムラセン山から続く長い斜面の中腹にあり、19世紀の旅人が好んで訪れた村、Pitores ピトレス、Portugosポルトウゴス、ウオーキング愛好者の拠点になっているBusquistarブスキスタールを過ぎていきます。やがてマス漁の盛んなRio Trevelezトレベレス川沿いの道を上ります。カーブが連続する急峻な道を登りきると、Trevelezトレベレスに至ります。この一帯で乾燥・熟成されるハムは厳しい品質管理の下、el Jamon de Trevelezのブランドで最高級品のハムとしてグルメには珍重されています。
 トレベレスの村からUターンで往路を戻ります。そのままA-4132を直進するとCコースに入ります。

 C.100キロドライブ(周回)
 トレベレス村からトレベレス川の東岸沿いをA-4132は下っています。通行量がぐっと減ります。多くの車はトレベレスから引き返すようです。対岸に見える先ほど上ってきた道に渡る間道はありません。
 しばらく下るとA-4130があり、左折します。(A-4132を直進すると幾つかの村を経て、A-348に行くことが出来るようですが、旅行冊子にはドライブコースとして紹介されていませんので、四駆以外の車でも行けるかどうか不明なので、ここでは触れていません。
昔のままの建物が多いJuvilesヒュビレスBerchulesベルチュレスを過ぎて分岐路に出ます。A-3127に右折し、間もなくA-348 に合流します。右折して美しい村Cadiarカデイアルは直ぐです。ここからTorvizconトリビスコンを経てオルヒバまでは50キロ、一時間の走行です。

 D.120キロドライブ(周回)
  CコースBerchulesベルチュレスを過ぎて分岐路で、左へA-4130をそのまま進みます。アルプハラス渓谷の全景を望めるMecina Bombaronメシナ・ボンバロン、20世紀のスペイン文学研究者であり「グラナダの南へ」の著者でもあるイギリス人作家Genard Brenanジェナルド・ブレナンが住んでいた家があるYegenイエヘンを過ぎ、いにしえのキリスト教徒イスラム教徒戦いを再現する祭りで知られるValorバロールの町を訪ねます。
 更にA-4130を南に下るとUgijarウヒハルの町を過ぎA-348に至ります。右折してオルヒバ方面に向かい、しばらく走るとYatorヤトール村があります。ここからはCコースのA-348への合流点までわずかです。

 以上のルートの中で、A、 Bのルートはマラガからグラナダへの1日ドライブコースに組み込めますが、C、Dの二つのコースはアルプハラス内で一泊することが必要でしょう。
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