新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

石原元都知事の百条委員会喚問に思う

2017-03-21 07:59:08 | コラム
呼ぶ前から結果は見えたいたのではないか:

同期生としては一言にすれば「気の毒だったなー」とでもなるかも知れない。私には何故、東京都議会が石原君を喚問するのかが始めから良く解らなかった。強いて考えれば、小池都知事が大物をを標的にして叩くという方式をここででも取りたいのだろうという類いの忖度があったのか辺りしか思い浮かばなかった。私は以前から彼が脳梗塞に襲われたとの噂を聞いていたので、あのヨロヨロとした歩き方には尋常ならざるものを感じていた。小池都知事も都議会議員たちもその程度のことは聞き及んでいただろうに、そこを押してでも彼を召喚する無情さには少なからず異常さを感じていた。

それにしても、今更彼や浜渦元副知事を召喚して訊問(尋問?)することに何の意義があるかは、喚問が終わっても良く解らなかった。マスコミもテレビに登場する御用解説者も「未だに不明な点が残った」(のは残念?)という類いのコメント(カタカナ語だ)をして下さる。変更を支持してくださって有り難いことではないか。

そこで、敢えてこの喚問の意図を考えてみることにした。あるいは考えるのではなく、小池都知事の意図を忖度することかも知れない。それは「あのような汚染された土壌しかない東京ガスの工場跡地を無理矢理に取得して、その浄化費用の東京ガスの負担をあのような最小限に止めただけで飽き足らず、都の負担分を800億円超にも増大させてしまった責任は重大だ。それだけではなく、建設された新市場の建物の地下水からは環境基準を遙かに超えた有害物質が検出され、業者と都民に不安感を抱かせた責任もこれまた重大である。潔く責任を認めて謝罪し罪の服すべきだ」とでもなるのだろう。

といった具合で、都議会にも、石原元都知事の後継の都知事には全く何の責任もなく、彼と濱渦元副知事のみを喚問と訴訟の対象にでもしようという気なのかとしか思えないのだ。また、マスコミも議員たちも「記憶にない」を逃げたと非難するが、それは「記憶を失ったこと」がない者だからこそ言える無情な台詞だ。私は1985年10月にシアトルで自動車事故の被害者となり、頭を強打された。結果として記憶の一部を短期間失った。

その経験で解ったことは「記憶喪失とは言うが、記憶全体を失うのではなく、記憶のどの部分を失ったかが当人には解らないのが辛いのだ」ということ。具体的にいえば52歳の若さで?予定を失念していたかと思えば、「言いました」と決めつけられた事柄の記憶が全くなく、証拠書類を見せられて思い出したとか、てっきり初対面と思って何人かに名刺を出して「前にお目にかかったいますよ」と言われたし、秘書にも注意されたことがあった。

脳梗塞は経験したことはないが、知る限りでは大いなる記憶の欠落を生じるようで、私のように頭を強打されたのとは次元が違う病だろうから、経験もしていない者が彼を如何にも「責任逃れ」だの「おとぼけだ」などというのは極めて不当であると思う。何度でも言うが「豊洲移転の案件を裁可した責任は認める」と記者会見でも昨日も言ったではないか。それ以上をあの病み上がりのご老体に何を求める気か。偏向したマスコミも好い加減にしろ。

最後に一言「世間には石原君嫌いか、反石原派が予想以上に多いようなのは、遺憾だし、残念だ」となる。

3月20日 その2 カタカナ語の面白さ

2017-03-20 14:22:37 | コラム
商品名が普通名詞化したものもある:

19日は好天に誘われて久しぶりにダウンジャケット以外の物、すなわちジャンパー(英語ではjacketで括られているが)を羽織って散歩に出た。そして普段は滅多に行かない百人町の裏通りに出てみた。さらに余談だが、先日日本大学・法学部のST教授と語り合った際に、多くの私立大学が都内に回帰している現象が話題になった。そして、私が昨日発見した物は、我が家から直線距離では200 mほどの場所に、桜美林大学の校舎の新築工事の現場を発見したのだった。

この大学は都下町田市にあるものとばかりに思っていたので、これは回帰ではなく「新規進出」かと思っていた。だが、大学などが出来れば、ただでさえ食べ物屋が少ない静かな街と書こうと思ったが、決してそうではなくなったアジア人の居住区が一層賑わうかなど考えてしまった。だが、Wikipediaによれば、桜美林大学は既に都区内にキャンパスを持っていたのだった。故に、これは拡張のようだ。

さて、本題である。思い浮かぶままに並べてみよう。

タッパー:
先頃何処かのテレビ局で「それをタッパーに詰めて」と言っていた。しかし、もう「タッパー」と普通名詞化してしまったポリエチレンか何かの樹脂で出来た密閉型容器は、そもそもはアメリカの”Tupperware Brands Corp.“の商品名で、あの「タッパーウエア」という名の容器が進出してきた時にはかなりな衝撃だったし、その便利さが歓迎されていた記憶がある。その後にパテントが切れたのかなんだか知らないが、同種の容器が沢山(国産でも?)出てくるに及んで「タッパーウエア」の頭の部分だけが残り、恰もファーストを名字と誤認識したように、「タッパー」が普通名詞となってしまったのだ。

バンドエイド:
英語にすれば“BAND-AID“だが、これはアメリカのJohnson & Johnson社の商品名であり、普通名詞では“adhesive plaster with gauze“などとなるようだ。我が国ではこの「ガーゼ付き絆創膏」はほぼ「バンドエイド」と普通名詞化されて通用している。

私はそれで通用すると思い込んでいたので、2006年1月の最初の心筋梗塞で入院した際に看護師さんに「バンドエイドをください」と願いしたら「カットバンですね」と言われたので、これが普通名詞かと思っていたが、これは祐徳薬品という会社の商品名だった。では、一体何と呼べば良いのだろうか。「ガーゼ付き絆創膏」では長いし、理屈っぽい。因みに、「ガーゼ」は英語では“gauzeとなっていて、発音が「ゴーズ」となるので要注意だ。

ソース:
これも興味深い一例である。「ソース」とは広辞苑には「西洋料理の調味に用いる液体。料理の一部として用いるほか、調味料として市販されているものもある」となっている。だが、我が国では一般的に「ソース」と言えば“Worcestershire sauce“即ち、「ウスターソース」のことを指すようになってしまっている。「ウスターシャー」何処かに消えて「ソース」だけ残って「醤油」と並んで調味料の主力をなしている。

ビニール傘:
これは上記の例とは一寸異なるが、既に別途採り上げたが、あらためて論じてみよう。使われている透明乃至は半透明のシートというかフィルムというのか、あの傘の材料は「ビニール」ではないのが普通だ。だが、誰もビニールと呼んで憚らないのが面白いと思う。我が国では戦後まもなく“vinyl”(発音はヴァイニル)が導入された時に躊躇わずに「ビニール」と読み、そのままカタカナ語化してしまった。

我が国ではそれだけに止まらず、すべてのプラスティックス類をを「ビニール」で括ってしまう荒技までやってのこけたのだった。念のために付記しておけば、化学用語では「ビニル」となっている。


東京都議会の百条委員会と浜渦元副知事

2017-03-20 10:45:56 | コラム
予想通りだった濱渦氏の証人喚問:

私は石原慎太郎元都知事が強硬に反小池都知事の立場を明らかにした以上、濱渦氏が都議会議員の幹事たちに恭順の意を表するとはとても考えられなかった。質疑の状況はニュースでつぎはぎに見ただけだが、濱渦氏は厳しい口調で明解に質問に答え「水面下でやりましょう」のような問題については、明快に「東京ガス側の提案だった」と言い切った辺りは流石だったと思って聞いた。

私は濱渦氏が「ストーリーを作ってそれに基づいて質問するな」と声高に決めつけたように、質問する側が確たる証拠や確信を持って尋ねていない様子が明らかになってくるのを聞いていて、「今更、責任が誰にあるかとか、どの部局にあるかなどを決めつけることにどれほどの意義があるのか」をかえって立証してしまったのではないかとすら思わせてくれた。彼らこそ小池都知事の心中というか、ご意向を忖度しているのではないかと感じていた。

あのような、言わば国会における野党議員たちの揚げ足取りの質問がその根拠が薄弱で、時には「週刊誌にこういう記事があったが、真実か」と愚にもつかないことを詰問するのにも似ているような気がするのだ。ここで思い出したことがある。それは、嘗てTBSで大橋巨泉が司会をしていたクイズ番組の出演者だった学習院大学教授だった故篠沢秀夫氏が長嶋茂雄氏の語り口は「週刊誌や新聞の言葉遣いそのものだから云々」と批判していたことだった。伝聞を元に質問していては歳費の無駄遣いだ。

都会議員たちは調査と情報収集能力が乏しいのだと思わせてくれた喚問だった。あの有様では、20日にその健康状態に鑑みて1時間に短縮したという石原元都知事に「以下、浜渦元副知事の答えと同じ」とでも言われれば、何の成果も上がらないないだろう。それに、彼はかの記者会見で「裁可した責任は自分にある」と認めていたではないか。もし都議会議員たちがつけいる隙があれば「自分が就任したときには豊洲移転が既定路線だった」という辺りだろう。

話を変えるが、またぞろベンゼンが100倍も出たとテレビ局はまるで鬼の首を取ったかのように嬉しそうに報じるが、平田座長も専門家も「地下水のことであって心配ない」という件は避けている。彼らにとっては地下水が安全では「犬が人を噛んだ」程度であり面白味がないのだろう。この世には偏った連中が多過ぎて困る。

3月19日 その2 豊洲問題と石原慎太郎君の責任を考える

2017-03-19 17:13:56 | コラム
矢張り石原慎太郎君を擁護したい:

彼自身が彼を標的にした小池都知事の作戦に対して強い不満を述べていたというか、敵意をすら示していたのは尤も至極だと思う。この豊洲移転の件では、その今日に至るまでの経緯が完全に明らかになった訳ではないので、責任の所在が何処の誰にあるかを極めようとする意図は解らないでもない。だが、小池都知事は百条委員会は都議会が招集されたと、サラッと交わしてしまった。

だが、既に述べておいたように、現在ではそのことよりも、あれだけの多額の都民の税金を投じて成させた設備を活用せずに放置しておくのは都民の一人としても納得できない。業者からも不満の声が上がっていたではないか。石原君にもいくらかの責任があるのかも知れないが、彼が既にあの記者クラブでの記者会見で指摘したように「あのままで放置している小池都知事の処置にも問題がある」のではないのか。

何度も指摘したが、現時点では今日に至るまでのいきさつの追求よりも、何時になったら豊洲移転を正式に決定する方が優先されるべきだと思う。これは決して石原君を擁護したいから言うのではく、これ以上にこの案件の処理に時間を費やし、資金の無駄遣いを避けるべきだと思うから言っているのだ。今日までに積もり積もった金利だけでもかなりの金額に達していないか。都議会議員の中には「第三者への売却処理」を小池都知事に質した者すらいたが、何時如何に処理するかも責任追及と同時に進行させても良いと思っている。

恐らく19日には小池都知事に「芳しからざる結果」とマスコミが騒いでいる、最新の地下水の検査結果が報告されるだろう。しかし、これはあくまでも地下水であり、学者や専門家がその水で魚を洗うのもなければ、その水を飲む訳でのないと指摘していた。それでも、マスコミが嬉しそうにあれほど報道すれば更なる「風評被害」の源になりかねないだろう。要するに、小池都知事がこの材料を如何に使うかが問題の焦点だと思う。

何れにせよ、石原君の責任追及もさることながら、小池都知事が豊洲への移転をするのかしないのかの決意も、それと同等以上に重要なことだと認識してくれないと、納税者としての都民には納得がいかないのだ。

トランプ大統領への期待

2017-03-19 10:18:11 | コラム
トランプ大統領が世界に与える影響:

トランプ大統領のドイツ・メルケル首相と初会談の写真が流されているし、握手を拒否したとか無視したというニュースを、私は大いなる関心と寒心を以て受け止めた。それは私はこの大方の知的階階級の期待を裏切って当選した新大統領が、その未だ嘗てなかったような政治手法で突き進んでいくことを世界がどのように受け止めるか、反応するかに大いに関心も興味もあったからだ。

このトランプ・メルケル会談だけではなく、19日にはG20ではその共同声明から従来は盛り込んできた「あらゆる形態の反保護主義に対抗する」を削除したと報じられている。それは「アメリカファースト」を主張するトランプ大統領率いるアメリカに押し切られたからだとの解説もあった。

私はトランプ大統領の着任以来の形振り構わぬ「アメリカファースト」と「アメリカを再び偉大に」の精神を盛り込んだ強引な政策と、敵と味方をはっきりとさせる外交への姿勢を見せつけられて、果たしてこの大統領でやっていけるのだろうか、彼はどこまでアメリカを変えてしまう気なのかと、かなり不安に思わされていた。その考え方に対して畏メル友・YO氏は「案ずるべきではない。トランプ大統領の登場でパラダイムが変わるのだから」と諭されたのだった。正直に申し上げて、私は半信半疑だった。

トランプ大統領が当初は署名する場面を動画で流しておられた多くのこれまでの常識や慣例に逆らったかの如き「大統領令」発令の場面などには、確かにいかなる摩擦をも恐れぬ「我が道を行く」(そう言えば1946年頃だったかに、ビング・クロスビー主演の“Going my way”という大ヒットの映画あったのを思い出させてくれた)政治姿勢には、パラダイムが変わってしまうのかなとも思わせる点が多々あった。しかし、G20の共同声明にまでアメリカ色を盛り込ませるまでとは、遺憾ながら予想は出来なかった。

彼は安倍総理をあれほど歓迎され厚遇され親密振りを演出されたが、それでもしれっとしてトヨタにアメリカ国内での生産を増やせと要求したというではないか。このような意外にも硬軟取り混ぜたかの如き外交姿勢を、恐らくアメリカにとっても今世紀中の最も扱いが難しい相手となるだろう中国とDPRKに対してどのように発揮していくかが大きな問題となっていくだろうし、少なくとも私には関心も興味も寒心もある。

矢張り、トランプ大統領は21世紀型のパラダイムを導入して、アメリカを再び偉大な国にしてみせる気なのだろうか。私はその前に金正恩に在日米軍基地に核弾頭を備えた“,missile”だけは打ち込ませないように影響力を行使して頂きたいものだと、心から願っている。