新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

CoCoKARAの英語の設問「~check」とは:

2022-12-13 07:51:35 | コラム
「木に竹を接ぐ」ようなことにならなければ良いが:

昨夜も、らくらくスマートフォンが鳴って何かの着信を知らせてくれた。「うるせーな」と思いつつも開いて見るとGoogleからだった。それはweb magazineとやらのCoCoKARAの英語関連の出題(なのだろうか)で、“「~check」の「~」にどんな単語を入れれば「また今度」になるか”だった。

正直なことを言えば、見た瞬間には答えが思いつかなかった。「こんな事が解らなくてどうするのか」と焦りを感じた。だが、checkを近頃流行りのカタカナ語をキーワードとして考えてみると「もしかして、“rain check“と言いたいのかな」と閃いた。それだったならば、かなり次元の高い英語慣れした人向けの問題ではないかと思った。正解をクリック(って言うのかな)して見れば、rain checkとなっていて一安心だった。

“rain check”は私がこれまでに何度か慣用句(=idiomatic expression)の例として取り上げたphraseである。そこで、あらためてその意味と使い方を以下に解説してみようと思う。

私が初めてこの言い方を聞かされたのは1976年だったかと思う。こちらに来ていた上司に取引先から夕食のお誘いがあった。彼は「先約があるから“I will take a rain check.“と言って丁寧にお断りしておいてくれ」と言うのだった。私には意味不明だったので、止むを得ず”What do you mean by saying rain check?“というように聞き返さざるを得なかった。その意味は「またの機会にさせて頂きます」だった。

これでは未だ完全に理解出来なかったので、次に本部に出張した際に何人かの同僚に尋ねてみた。すると「“rain check”とは入場券の半券のことで、それを持っていれば試合等が雨天順延になったような場合に再入場出来る」ということから転じて「またの機会にしましょう」という言い方になっていると教えて貰えた。

言うなれば、かなり英語の慣用句や口語体の表現に馴染んでこないと使えないし、聞く機会もそうは多くない言い方だとも解った。言ってみれば「洒落た言い回し」だった。

確かに、このような表現を知っておいて語彙を広げておくことは良い事であるのは間違いないと思う。だが、20有余年のアメリカの会社暮らしの間に、このrain checkを聞いたことは2~3回あったかないか程度、自分から使ったことは1度あったかなという記憶だ。そうだから次元が高い表現だと言うよりも、自分の思うことを英語で自由に表現出来ていない段階で、食事の招待を辞退する場合などに使えば「木に竹を接ぐ」かのようなおかしな事になるのではないかということ。

私はいきなり“I will take a rain check.”などに飛び付く前に「今夜は先約がありますので、辞退します」のような言い方をできるようにすることが先決だと思うのだ。これだって、簡単にスラスラと出てくるようになれば立派なものだと思う。試しにお考え願いたい。私が今咄嗟に思い浮かべたのは

“I have a previous engagement for tonight. So, may I take the next chance?“だったのだ。だが、これとても”previous engagement“は固すぎると思う。だが、何とプログレッシブ和英には「先約」はこのように出ていた。私は簡単に”I have an appointment, tonight.“で良いだろうと思うのだ。なお、「丁重にお断りする」には“respectfully decline this time“のような言い方がある。

矢張り、英語の勉強には難しい面があるなと思わせられた設問だった。



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