新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

4位じゃ駄目なんですか

2019-07-28 08:01:01 | コラム
マスコミよ、オリンピックの世界メダル獲得大会扱いを止めよ:

目下韓国の光州で開催されている世界水泳選手権で(記憶か観察が正しければ)我が国の代表選手が4位だった種目があった。だが、新聞テレビの扱いは「惜しかった」程度で世界で4番目になった立派な成績を称えようとはしなかったようだ。私は特にオリンピックとなると顕著になる報道機関の4位以下に終わった代表選手たちの扱いは極めて不適切であると思っている。特に酷いと思うのが選手団が帰国した際に空港か最寄りの場所で開催する「メダル獲得者」だけの記者会見だ。彼らは明確に「4位以下は駄目なんだ」という意思を表明している。

私は誠に無礼且つ非礼な扱いであると苦々しく思っている。代表選手たちは国内予選を勝ち抜く為に長い間懸命の努力を重ねて体力を鍛え、(きつく辛い)練習に耐えてきたのである。それでも世界は広く彼らの上回る実力の外国人選手が3人もいた為に4位乃至はそれ以下の成績に終わってしまったのだ。だが、それとても広い世界を相手にして堂々たる第4番目の成績に終わった実績は私は立派な成績であると評価すべきだと思っている。準決勝まで進出して敗れ、3位決定戦でも負けたら4位なのだが、準決勝まで出た事は偉業とまでは言わないが素晴らしいと褒めて然るべきだ。

私はそう考えているにも拘わらず、東京オリンピックまで後1年を切ったとなると、彼らは新JOC会長の柔道の山下泰裕氏に「金30個」と言わせてしまった。私はこのマスコミだけの傾向かどうか知らないが「オリンピックにおけるメダル獲得(=3以内の入賞)至上主義を甚だ好ましく思っていないのだ。興味がないので正確なことは言えないが、今や6位までを入賞として規定されていたと聞いた記憶がある。「広い世界でその種目で6位までに入っていたのは賞賛されて良い輝かしき成績だ」というのが持論である。

だが、我が国に各種の競技の上部団体とマスコミの間に蔓延している風潮では「メダルを獲らねば人に非ず」とでも言いたいのかと思わずにはいられない状況だ。「オリンピックには参加することに意義があると、ついこの間まで喧伝していたのは何処の何方か」と事改めて問いかけたくもなる。極論的かも知れないが「3位までに入賞しなければ人に非ず」というように思わせる風潮は好ましくないし、改める方が良いと思っている。

彼らはそう言いつつも世界的な大会で10以内に入れば代表に内定とか、マラソンのように常に「日本人1位」などという間抜けなことを言っている。ここに見せていることは、3位入賞が不可能だと承知していても「参加することに意義がある」という「メダル至上主義」との矛盾を隠そうともしない不可解というか、不統一なオリンピックに向けた姿勢である。愚かなことだと言いたくもなる。と、ここまで述べてきて、あらためて民主党政権下で「2番じゃ駄目なんですか」と曰った某大臣の迷言を思い出した。いや、あれはひょっとして至言だったのかも知れない。



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