新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

オーバーツーリズムと物価上昇

2023-12-25 06:59:40 | コラム
約1年振りの築地場外でオーバーツーリズムを体験:

「場外」と言ってしまったが、もう何年も前から「場内」は移転してしまっていたのだ。

その地域は予想通り報道通りの大混雑で、目的地まで歩くのも一仕事だった。その混雑を招いていたのは外国人観光客なのだが、圧倒的多数を占めていたのは、失礼な言い方になるのを恐れずに言えば「白くない外人」だった。それでも英語ではない言葉で語り合っていた白人の一家にも出会ったが、小さい女児の手には分厚い英語と思しき観光案内が握られていた。そういう便利さが「オーバーツーリズム」とやらの原因になっているのだろうか。

最も印象的ではあったが、当然の事だと感じたのが、有名な寿司屋のランチの値段だった。昨年の倍どころではなく約4,500円に達していたのだった。事情通の解説では「中国の漁船が我が国の海域にまで進入して乱獲するので、供給の絶対量の不足による価格高騰もあるが、光熱費等を含めて諸材料費の高騰、人手不足(人件費の上昇)が販売価格の上昇となって現れた」となっていた。特に驚く話でもない気がした。

この4,500円を$1=¥142で換算してみれば$31程で、ラーメンがこれくらいに達していると聞くアメリカの大都市の相場から比べれば、さほど高額ではないと思う。だが、その寿司屋から続々と出てくるアジア乃至はイスラーム教圏内国の人たちにとっては、決して安価ではないと思う。それほどまでに「寿司」が諸外国での人気が高いようだと再認識させられた、場外の一時だった。

でも、路上での、あの諸々の水産物や肉類の立ち食いの店に、インバウンド様たちが群がっている光景が好ましいのかどうかは、私には疑問にしか思えなかった。英辞郎には“over tourism”とは「ある地域を訪れる観光客が多過ぎるために、その地域の環境に悪影響を及ぼすこと」とあった。政府はそうなってしまっても、外貨を稼げる「インバウンド様」に来て頂きたいのだろうか。何処か何かが違う気がするのだが。



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