新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

「イチローって凄い選手だった」とあらためて実感した

2023-11-22 07:43:47 | コラム
イチロー独特の指導力が印象的だった:

21日夜に放映されたイチロー所属のKOBE CHIBEN対女子高校野球選抜の試合を見ていた。大谷翔平の2度目のMLBアメリカンリーグのMVP受賞という(歴史的な)大活躍(の報道)の陰に隠れてしまったのではないかと疑いたくなったイチローの存在だが、彼の凄い実績と、未だに精進を続け体力/気力を維持している、恰も求道者のような立派な姿を、昨夜は充分に見せて貰えた。

彼の狙うところは自分が実際に監督やコーチになるのではなく、「野球とは如何に修行すべきか」を、身を以て範を垂れているのだと見た。要するに「百聞に一見にしかず」であろうか。

イチローがMLBの28シーズンで記録した無数の記録(実績)は記憶し切れていないので、Wikipediaに依存してみた。要点だけ書き記してみれば、2001年にアメリカンリーグのMVP受賞・新人王・首位打者・盗塁王・ゴールドグラブ、MLBの最多安打262本、10年連続200安打、プロの世界の安打数4,367等々であり、陳腐な言い方だが枚挙に暇がないのだ。

これほどの記録を残した大選手であるが、私はtwo-wayで2度もMVPを獲得した大谷翔平と「どちらが凄いのか」という比較は出来ないし、する必要もないと思う。それは、私は「彼ら二人が挑んだ分野が同じMLBの中であっても性質が異なっているので、同日には論じられない」と思っている。それよりも、何時かはこの二人が「MLBの歴史に残る偉大な選手」として記録されると予測している。

昨夜のイチローは投手として9回を投げきり、50歳にして球速も130km台を最後まで維持して「女子高校生たちに130km台の速さに慣らせてやろうという意志を貫徹した真剣な姿勢」を示していた。一寸見ただけでは「子供を相手にして大人気がないのでは」とすら感じるかも知れないが、彼の表情も態度も真剣そのもので「斯道の成長発展に貢献しよう」と努力していると見えた。尊敬まではしないが高く評価すべきだと感じていた。

一方の女子高校生たちも「良くそこまで作り上げたあったものだ」と感心させられたほど「野球の形」になっていた。大人を相手にしてイチローその他から三振を取って見せたし、鮮やかなヒットを打ったし、外野手も恐れずに前進して浅いフライを飛び込んで捕るとか、一瞬男子高校生たちにも劣らないのではと感じたほど立派にやって見せていた。

最近は多くの女子のプロゴルファーたちが20歳前後で、立派なスコアでトーナメントに優勝するような時代になってきた。あの様子を見ていれば、あの18歳前の女子高校生たちが、これから先に良き指導者の下で近代的科学的なトレーニングを続ければ、女子のプロリーグの結成も夢ではないようにも思えるのだ。昨夜もバッテイングでは上手さがあっても、身体能力(腕力等)不足では思わせる場面が多かったのだから。

イチローは監督やコーチなどの指導者になる気はない由だが、昨夜のような真剣なプレー振りを見せていれば、その姿勢は既にして「立派な指導者そのものではないか」と思わせてくれた。彼は「彼独特のコーチ」という仕事の在り方を、あのような模範も形で見せようとしているのだと解釈した。



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