新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

国際情勢雑感

2022-03-09 09:56:23 | コラム
韓国では大統領選挙の投票が始まっている他:

尹錫悦か李在明か:
韓国の保守か革新かの大統領選挙は本9日の午前6時から投票が開始され、即日開票である。即ち、本日中に次の大統領が決まるのだが、尹錫悦になろうと李在明になろうと、韓国の我が国に対する姿勢というか態度が大きく変わることなどに期待すべきではないと思って眺めている。それは、確かに李在明は我が国との間柄を限りなく悪化させた文在寅現大統領の後継を目指して与党から出てきたのだから、彼には1mmの改善の期待も出来ないが、尹錫悦とても革新派ではなかった朴槿恵前大統領の告げ口外交を想起すれば、1.5mm程度の期待しか出来ないと思う。

私には何も韓国が相手の場合に限ったことではないが、我が国の外交の在り方には歯痒い思いしかないのだ。それは、先方は「先手必勝」か「これを言うことで失うものはないし、日本は真っ向から刃向かってこないだろう」というような態度で出てくる場合が極めて多い。それに対して我が国は(外務省は、か?)官房長官が記者会見でモゴモゴと何か反論めいたことを言うか、「外交筋から強硬に抗議する」という程度のことしかしない。最も強く出た場合でも、駐日大使を呼びつけて抗議する辺りだ。「論争と対立」は回避されたようだ。

私は抗議なり反論する気があれば、全世界に情報が発信できるような形で「相手国の非を鳴らす」のでなければ、我が国の真意は伝わらないだろうと思っている。外交上そういう慣例があるかどうかは知らないが、相手国の行動乃至は声明が不当であれば、駐在の大使に相手国の然るべき機関に抗議をさせるか、政府から誰か適当な人材を派遣して反論をして欲しいと思っている。私の目には殆どの場合「言われっぱなし」か「音無」の劣勢に終わっているとしか見えないのが残念だ。何時まで「論争と対立」を怖れていれば気が済むのだろうか。

ロシアが挑んだ戦争:
ロシアがやることは非道だと思う。だが、そもそも戦争は非道なものなのだと私は認識しているし、既に「狂気が為せる業だ」だとの回顧もした。現在までの事態はマスコミ報道だけからしか判断出来ないのだが、ロシアは停戦協議で定めた「人道回廊」を利用する人たちを攻撃するだろう事は容易に想定できた。それは、あの中立条約を破って満州に侵攻して同胞をシベリアに抑留した国だと鮮明に記憶しているからだ。現に、その道に地雷を仕掛け、避難民のバスを射撃したというではないか。マスコミ報道では事態を報じたが、非道とは言っていなかった。

マスコミの批判:
ここからは半ば以上マスコミの批判になる。彼らはロシアに気兼ねしたのか、この事変を報道する姿勢には腰が据わっていないのが気に入らない。彼らは「ウクライナが戦っている」という報じ方をするが、あの戦はロシアが一方的に侵攻して仕掛けたのであって、ウクライナは国を挙げて防戦しているのではないのだろうか。マスコミ報道では、非は100%ロシア側にあり、ウクライナには何らの瑕疵はないと解釈できる。それならば、マスコミはロシアの非道振りをもっと鮮明に伝えて批判すべきではないのかと、つい考えてしまう。

高山正之氏が現職の記者であれば、ロシアという国を歴史的に捉えて、今回の非道振りを分かりやすく解明されるだろうと思う。彼らマスコミは海外の報道を日本語に直して伝える事のみに注力しているだけではないのか。ロシア側が人道回廊の利用者に対して何をするかくらいは、自らの見解を加えて報道できたのではないのかという気がしてまだるっこい。

事ほど左様に国際情勢はというか、国際場裏には腰を据えて自分の態度を鮮明にして臨むべき時代なのだと思う。敢えて白人という表現を使うが、彼らに対応する際には、これまでの我が国のような事を荒立てずに穏便に済まそうとするとか、落とし所を探るような奥床しい姿勢では、国際化だのグローバリゼーションの時代への対応は難しくなるように思えるのが残念だ。

それは、確かに憲法第九条は大事だろうが、何時までもそこに縋り付いてはいられないのではないのか。あの憲法を未だ変えていなかったのかと驚いて見せたアメリカ人がいた。岸田さん、頼みますよ。



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