江藤農水大臣の説明を聞いて:
江藤農水大臣の説明の一部に「備蓄されていた場所が東北地方に多い為に輸送に手間取っているから」というのがあった。「なるほど、運送業界には『働き方改革』からドライバー不足が生じていたのか。角を矯めて牛を殺すような事か」と受け止めた。その点を業界の実情に精通している人物にぶつけてみた。
彼は「それは単なる言い訳に過ぎないのではないか」と指摘した。例えば「青森県から10トン車にでも積んで都内に運んで来るとすれば、そのトラックに復路の貨物が保証されていない限り、空で走らなければない。と言って、青森⇔東京の運賃を予め払ってくれる荷主がいるかという事。または、青森まで頻繁に大型トラックを走らせ復路の貨物が常時充分にある仕事があるのかも考える必要がある」のだそうだ。即ち、輸送業者は片道だけの仕事では採算が取れないという事。
農水省はこの輸送上の問題点を認識していなかったはずがないのだから、輸送上の隘路は言い訳にはならないとの指摘だった。この点は、アメリカからコンテイナーを利用する海上輸送でも問題になった事。それは、立地条件が僻地になりやすい製紙工場から製品を港まで運ぶ際に、その地域には運びたい物資の需要が無いのも同様なので、空のコンテイナーを運び込まざるを得ないことすらあったのだ。
備蓄米への期待が大きかった為に、微量しか市場に出回らない危険性がある事は、農水省は予め見通せていたのではないか。事前に周知徹底させておく必要があったと思う。また、報道機関もこれくらいの事情は取材できていなかったのならば、片手落ちではないのか。「即、出回らない」とか「毎週のように小売価格が上昇する」事ばかり流しているのでは、役目が果たせていないのではないのか。
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