新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

今回も軽めの話題を

2024-06-17 07:53:06 | コラム
今回も軽い話題で英語の四方山話を:

今回も重たくはないと思う話題を心がけたのだが、もしかすると軽いと思っているのは私だけで、そうとは受け止めて頂けないかも知れない。何故かと言えば、英語関連の話なのだから。

「やったー!“abandonment”を見つけたぞ」:
我が国の英語教育の中でも重要な項目に「単語を沢山覚えて知識を付ける」があると思っている。私も中学1年の頃には多くの単語を覚える手段として「単語カードと単語帳を作ること」を教えられた。かく申す私でさえも、重要な単語が数多く載っている単語の本も買ったことや、単語カードを幾つか作った記憶はある。だが、「面倒くさい」とばかりに直ぐに放棄してしまった。

その覚えるべき単語集の中で真っ先に出てくるのが“abandon“という「見捨てる、見放す、放棄する」を意味する単語だった。“abhor“などというのにも出会った。

だが、一番始めではなかったabhorは別として、大学までの間でも、アメリカの会社に移って英語が公用語のような状況になっても、ついぞabandonに出会う機会は訪れなかった。そこで考えたことは「矢張り数多くの単語を覚えることに、実用的な価値は乏しいのではないか。それにも拘わらず、アルファベット順にabandonを置くことの意義は」だった。

ところが、1990年代に入った頃に、Northwest航空(現在はDelta)の機内で読んでいたTIMEの記事に“abandonment“があるのを発見した。その時に場所柄を忘れて小声で叫んだのが、見出しの「やったー!“abandonment“を見つけたぞ」だった。この話の要点は「20年以上も英語を言わば第一言語とする環境に身を置いていても、abandonを発見するまでに20年近くを要した。沢山の単語を覚えておく価値はこの程度か」なのである。

知っていることに価値があるのかと:
我が社の東京事務所に副社長補佐として駐在していた日系人のBJ氏(ワシントン大学のMBA)の日本語の実力は日経新聞を軽く読みこなしている程優れていた。彼は請われて紙パルプ業界の専門商社に英会話の指導にも行っていた。その受講者の一人とは高校の1期下の人であり親しくしていた。彼が言うには「BJさんが何でも質問してくれ」と振ったので」、「鼻くそ、目やに、脇の下、鼻の穴は英語で何と言うのかと尋ねた」と言うのだ。

「BJさんが何故そんな事を訊くのか」と言われたので、「恐らく誰も気にかけたことがない単語だろうから、覚えておけば希少価値が出ると思うから」と答えたとの事。1970代後半の事だった。私もそれらの表現を知ろうと考えたこともなかったので、意表を突かれた。

BJ氏は答えたのだそうで、今でもそれらを英語で言えばどうなるかを覚えているが、それ以来使ったことも、使う必要に迫られたこともなかった。綺麗とは言えない言葉が並ぶので、暫時ご辛抱を願う次第。

私は「鼻くそ」は“nose wax“だと思っていたが”bogey“で良いようで、「目やに」は”eye discharge“で、「脇の下」は“armpit”で、何処となく“cockpit“を思わせてくれる、「鼻の穴」は“nostrils“のように言うのだそうだ。因みに、“pit”とは「穴。くぼみ。立坑」のようなことを言うのだ。

“for good”の意味は:
失敗談である。私は「酒も煙草も嗜まない」と標榜している。だが、仕事の面で必要に迫られれば少量のアルコール飲料は飲んでいたが、煙草は本当の意味で吸ったことはなく、咥えてみてむせてしまったことくらいはあった。ところが、ある時“I don’t drink and have never smoked.“と言ったら,
”Have you quit smoking for good?“と切り替えされて、深く考えずに“Yes.“と答えてしまった。これが大矛盾だと直ぐに解った。

相手は「それはおかしい。君は『吸ったことがない』と言ったばかりだ。今の言い方は『吸っていたのを止めた』なのだ」と突っ込まれた。そこで、何処が間違っているかと教えを請うた。すると“for good”とは「生涯」か「一生」の意味であり、「何か良いことの為」ではないのだった。知らなかった。聞こえた途端に「吸わないのは良いこと」と解釈したのだ。強引に結論を言えば「単語の意味だけを覚えていても、実用性はない」という事。


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