新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

「政治資金規正法改正案」の審議に思う

2024-06-08 07:20:51 | コラム
岸田文雄総理/総裁が守ろうとするものとは:

本8日は参議院で改正案の審議が行われるそうだ。今日までの与野党間の交渉と国会での審議または討論の迷走というか、小田原評定をこれでもかとばかりに見せつけられている国民が「岸田さんを信じて政治を信頼しよう」と思うのだろうか。そう思っておられるのは岸田文雄総理/総裁だけかも知れないと案じてあげたくなる。国民は「自らの政権を死守する」が最優先事項だと見破っているかもしれないのに。

ここまでの経過で改めてハッキリしてきたことは「自由民主党は何としても資金源を断たれる、いや自らの手で断ってしまうような改正はすまいと懸命なのだ」と確認出来た。と言うよりも、何度か引用した某大学教授が指摘された「自民党が資金源を断つようなことをする訳がない」の通りだったというだけのことのようだ。それに手を貸して与党に滑り込もうという魂胆も見えるような政党がいるのも情けない。

私にはこの件の担当者(なのだろう)だと認識している自民党の鈴木馨祐、牧原秀樹、井上信治がテレビの画面に現れるだけで「げんなりする」というか、気が滅入るのである。彼等は「何とかして総理/総裁に指示された通りに事を成就しなければ」と必死なのであり、野党が攻め込んでくる難しい質問に言葉尻を取られないように答えて逃げねばならないとしているだけだ。何かを成就しようという意気込みは欠片も見えてこない。

彼等の学歴を見れば現代の我が国ではこれより上等なことはないだろうと言える程立派なのである。それならば、もう少しまともに真正面から取り組んで「納得した」と言いたくなるような答弁をして欲しいのだ。特に鈴木馨祐に至っては苦悶の表情というか渋面で声を振り絞っている始末だ。彼等は皆「答えがただ一つ」のような難しい試験で最高の成績を残して、有名私立高校から東京大学法学部を経て財務省に進んだ選り抜きの精鋭のはず。

その精鋭たちは遺憾ながら答えが一つに限定されている訳でではない政治というか、国会答弁のような世界に入ってくれば、野党の意地悪い質問を言葉巧みにそらせるだけの対応能力が未だ備わっていなかったことをと露呈してしまったのだと、私には聞こえていた。即ち、彼等は立派なstatesmanたろうとして政界入りしたのだろうが、百戦錬磨(と言えばお世辞だが)のpoliticianたちとは未だに太刀打ち出来ていないのではないか。

岸田文雄総理/総裁はこの法案というか自党に都合が良い改正案を通してしまいたいのであれば、近頃特に目立ってきた総理の手法である「突然、自ら会議や会合を主導し且つ踏み込んで決定を下してしまう」を最初から採っておけば良かったのではなかろうか。ではあっても、「領収証を10年後に公開」というような、良識ある人々に評判が宜しくない事まで強行なさるのでは「国民の信頼回復」は夢に終わるのではないだろうか。

岸田内閣と自由民主党にお願いしておきたいことは「もう好い加減に国民に信頼されそうにもない改正案の審議を打ち切って、陳腐な言い方だが、国の内外に山積する改正案よりも重大事案に可及的速やかに取り組んで頂きたいのである。解散や総裁選などの心配はその後に願いたいもの。


コメントを投稿