新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

2月12日 その2 トランプ大統領の評価を急がないことにした

2017-02-12 13:53:19 | コラム
未だ正体不明であると思う:

私がトランプ大統領について限りなく残念に思うことは「私が22年半懸命に勤めて(努めて?)きた良い国であるアメリカにあの様な大統領が出てきたというか、アメリカ人はトランプ氏を選んでしまった」ということ。ずっと指摘したような「彼が無知であるかないか」ではない。就任以来あれほどの混乱を国内外に生じさせて、仮令彼の不動産業界で培ってきた作戦の駆け引きだったとしても、それにどれほどの得があるのかと思うのだ。

私は40年間営業担当として取引先以外にも誰であっても誠心誠意で尽くしてきたし、“trust relationshipの確立”を目指して小細工や駆け引きを避けることを重要視してきた。信頼関係を確立出来れば、そこから先はお互いに腹蔵なき意見交換が出来て、取引額も順調に伸びていった。トランプ大統領の手法はそれとは大分異なる点が多々あるし、駆け引きと認められるやり方が多い。最高権力者は駆け引きや小細工を避けてくれればと思うのだ。

だが、先ほども愚息の1人と語り合ったのだが、「未だトランプ大統領の評価を定めるのは時期尚早で、これから先に如何なる姿勢で(大駆け引きをするか否かも含めて)中国以下と接していくかを見守っていくしかないのではないか」を結論とした。私にはトランプ様は22年半のアメリカ製造業の会社勤務では見たこともない指導者で、ただただ戸惑っている間に述べてきた私の独自の懐疑的な意見と見解があった。それは未だ「疑い」の段階であり、知識不足とか無知とは断定は出来ない。

私はアメリカの最高権威者である大統領が、あれほど大小取り混ぜた駆け引きというか、戦略を駆使するのは好みではない。普通に正面から行かれれば良いだけのこと。信頼関係の樹立か確立を正攻法で目指して欲しかった。私の生涯最良の上司だった副社長は別名を“big spender”と呼ばれ、常に「そんなに豪華な接待をしてくれては」(ある購買部長さんは“too much hospitality”に終わったらどうするの?と私に問いかけてきたこともあった)と言ったほど、言わばトランプ大統領のこの度の安倍総理の歓待と似たやり方をしていた。

そして、その思い切った経費の使い方で日本のお客様を歓待し、その後の誠心誠意のつき合い方で真の意味の信頼関係を確立していったものだった。その直向きさは日本のお客様には理解して頂けた。それと、トランプ大統領方式とは違うと思うのだ。事実、評論家や専門家は懸命にあの歓待の裏を読もうとしているではないか。そこがトランプ様の損なところだ。未だ正体が現れていないのだ。

トランプ大統領が安倍総理をあそこまで厚遇することが「純粋に気が合う他国の総理大臣だから」なのか「後々借り勘定になって負担となり、安倍総理が何らかの形で義理を果たすように追い込むのが狙いか」などは外野から解る訳はない。即ち、現時点では時間をかけてトランプ大統領の真の(狙いとしていた)政治姿勢が見えてくるまでは(私の英語の表現は“reveal his true identity”)は「待ち」の姿勢を採るしかないと思う。

彼がアメリカファーストと純粋の愛国の精神から大統領令を発して7ヶ国を閉め出すとか、NAFTAをものともせずに関税をかけると声高に主張されるのが、知らぬが故に言うのか、駆け引きか、真意かはこれから見えてくることだと思うのだ。大統領が自国の為に色々と策を立てるのは普通のことだろう。だが、現時点では私の心中では「困った人が大統領になったな」と見るのがやや支配的な感がある。だが、断定は時期尚早であって欲しい。



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