新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

女性役員を30%にすべし

2023-06-18 08:16:37 | コラム
女性を管理職や役員に登用すべし:

このような議論が出る度に言われている事がある。それは「我が国では先進国の中で管理職や取締役に起用されている数が最も少ないのは宜しくない。遅れている」との非常に尤もらしい指摘である。敢えて「非常に尤もらしい」と言うのには私なりの根拠がある。私は22年アメリカの会社に勤務し、その間に非常に能力が高い秘書(女性という意味である)に支えられたどころか、使われたし、奉仕もしてきたから言うのだ。

我が国には有名な女性の国会議員や経営者や論客がおられる事は十分に承知しているし、凄いなと思わせられている。その点ではアメリカ以上かも知れないのかも。アメリカには確かに素晴らしい能力を備えたMBAの管理職やコンサルタントにも出会った事がある。しかし、彼女たちは「個人」として優れた力量を発揮していた。即ち、その分野に適しておられたのだと思ってみていたし、尊敬もしていた。

我が国の閣僚、国会議員、有識者、評論家、学者、マスコミ、会社役員、管理職、一般の方々が、何処までかどれ程というか、どのように女性の優れた男性には求められない能力を知り、且つ評価して「女性登用論」を唱えておられるのかと思うので言いたくなったのである。女性登用論を否定する気は毛頭ないが、そう言う方々は男性と女性の違いを何処まで認識しておられるのかが非常に気になるのだ。解っていたら、もっと慎重になれたはずだと思う。

本日の産経新聞の社説も掲題のように論じていた。本筋の議論ではないが「何故、他の先進国より少ない事がそれほど悪いのか」とも感じている。同時に、我が国とアメリカ/ヨーロッパとの歴史と文化の違いを何処まで弁えているのかも気懸かりなのだ。

昭和30年(1955年)に学業を終えてから17年半を日本の会社で働いていた。そこで接した女性社員たちは、古き悪しく言葉で言えば「お茶汲みの事務員さん」として勤務していた。またもや悪い言い方だろうと思う事を言えば「男社会に従属」していたとしても、それほど間違ってはいないと思う。尤も、所謂お局様は約2名おられたが、管理職の地位に就いていなかった。

アメリカの会社に転じてからは22年もの間秘書と共に仕事をして「女性が何処の男性には及びも付かない能力と才能があるかを痛烈に知らされていた」のだった。何度も述べてきた事で、従業員5万8千人のウエアーハウザーの本社には800人ほどのアメリカの企業社会の基準から見て優秀な人たちがいた。だが、その中で女性の副社長&事業部長は1人もいなかったし、部下を持つ女性のマネージャーは数名いたかという程度の女性の起用と登用の仕方だった。

アメリカの会社には「凄いな」と感心する秘書は沢山いたし、悪い表現であると認識しているが、他の言い方を知らないので表現するのだが「単純反復事務作業」をすれば、男性には到底及ばないほどの能力を発揮していると解った。その仕事ぶりは誠に正確で迅速に事を処理するし、記憶力も高く、正義感に燃えていて、男どもが過ちを犯さないように綿密の監督する能力を発揮していた。但し、男性に対する対抗心と負けじ魂には一寸困った事もあった。

換言すれば「アメリカの会社組織の中で接してきた女性たちは、男性には求めようもない能力を発揮して男性(ボス対秘書の間でも)を補助し、監視(いえ管理して)男どもがその割り当てられたjobをチャンとこなせるように陰に日向に応援しているのだ」となると思う。ウエアーハウザーかジャパンで12年支えて貰った秘書さんは(変な言い方だが)家内よりも私の性格というか至らざる点を把握していて、常にカバーしてくれていた。

ここまでで、結論めいた事をいえば「女性は男性にはない能力を持っていて、その能力を男性の補助、支持、監督する面で発揮しているのであり、必ずしも管理職に起用して全体を率いていく仕事と地位に適していない人の方が多くないのか。重要な点は上層部がその女性が管理職か、秘書的な仕事と事務処理(言うなれば「内助の功」と言いたい分野)のどちらに起用すべきかを間違いなく判断できるか」だという点だ。

私を12年間も支えてくれた優秀な女性については「私がリタイアした後は、彼女を営業担当のマネージャーに起用すれば」という声もあった。私も彼女ならできると思っていた。だが、彼女も「そんな事は一切考えていない」と言い切ったし、ジャパンの社長もそうとは考えていないようだった。

私は優れた女性の管理職がいなかったとは言う気もない。他社には有名な存在の女性もいた。ウエアーハウザーでも事業部長や何十名も部員を抱えた分野での女性管理職がいなかったのは、アメリカ人は「男女同権」だの「男女均一労働」などと言っている割には「男女の適性の違い」を承知しているのではないのかと疑っていた。

私は22年間のアメリカの企業における経験で初めて「女性と男性の適性の違い」を知り、女性には秘書的な仕事等々で無限の能力を発揮している人が多いと学んだから言うのだ。

要するに「女性の起用の仕方を誤る事なく、適材適所で起用し登用すべきではないのか」なのである。絶対に見場を格好良くしようとか、お飾りにしようなどと考えてはならないのだ。再び言うが、他の先進国とは歴史も文化も違うと認識してかかるべきだという事。



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