新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

トランプ大統領訪日の雑感

2019-05-29 08:29:07 | コラム
トランプ大統領の日本訪問は“success”だったと思う:

Success:
何故いきなり英語でsuccessとしたかと言えば、この単語には「成功」よ言うよりも「上手く行った」という意味で使われていることが多いからだ。即ち、私はトランプ大統領にとっては、宮家邦彦氏がいみじくも指摘されたように「再選を目指しておられる来たるべき選挙のキャンペーンとしては上出来だっただろう」し、おもてなしをされた安倍総理にとっても全て計画通りに上手く行ったという成果が挙がっていたと看做しているという意味だ。

野党は早速過剰接待であるなどと言ってくさしている。だが、よく考えても見て欲しい。大統領の好みであるゴルフを共に楽しむと言って、一般のクラブに予約を入れて大勢の警護の者たちを引き連れてクラブに到着して、他のメンバーの人たちと同じロッカールームで着替えをしてスタートの順番を待ってテイーオフして出て行けとでも言うのか。2時間半ほどの間通訳だけを挟んで回る間に色々と懇談できると言うことを野党の連中は考えていないのかと言いたくなる。あの安倍総理による歓待が周辺の諸国、就中中国にどれほどの示威効果があったとは考えられないのか。愚かなのは野党である。

食い違い?

一部のマスコミと海外のメデイアは「DPRKの中距離ミサイル発射について我が国とアメリカの間に食い違いがあった」と鬼も首でも取ったように騒ぎ立てたが、私はこれは見当違いであると思っている。それは我が国は世界にも珍しいと言えば言いすぎかも知れないが、UNを有り難がっている国である。故にその国の総理である安倍晋三氏は「Security Councilの決議違反である」と批判するしか道が残されていないのだと考えるべきではないのか。トランプ大統領にも「UNを有り難い存在だとご認識ですか」とでも伺って見よ。

私はメデイアの連中は、一方のトランプ大統領は金正恩委員長との親密な関係を強調しておられる以上、あの場で正面からの非難を回避されて「気にしない」と言われたとは解釈できないのかと言いたい。安倍総理が内心ではDPRKの発射を怪しからんと思っておられるというくらいの忖度が出来ないのかと不思議なことだと思っている。私は安倍総理とトランプ大統領との間にはこのような重大な事項で食い違いがあるとは思いたくないし、十分に話し合い済みで、食い違いは無いと信じている。

通訳:
最後に総理の通訳官の岩尾直氏についての感想を。何処かの局で「岩尾氏の優れた通訳能力が今日の安倍総理とトランプ大統領の世界のどの国の首脳との間にはない親密な間柄を築き上げた功労者である」と報じて、彼が帰国子女であるハーヴァードでPh.D.を取得しているとまで知らせてくれた。それは私が既に岩尾氏の通訳を聞いた後だった。誤解無きよう申し上げておくと「極めて格調高い文語的な英語であり、安倍総理の意図を申し分なく伝えておられただろう」というのが偽らざる感想である。

更に率直に言わせて貰えば「在職中に何度も聞くことがあった我が国の学校教育の英語を完璧なまでにこなしておられておられた点が素晴らしい方の英語」なのである。だが、あの難しい言葉を自在に多用した話し言葉ではない英語だと感じたの事実だ。私はあの通訳を聞いた方(トランプ大統領他のアメリカの要人たち)は「安倍総理は極めて四角四面な物事を倫理的に考える堅い人物であり信用するに値する真面目一方な方だと受け止めるだろう」という印象を受けた。これは良いことであるとは思うが、私の感覚では「もう少し平易な表現も使われても良かったかな」という所だった。

テレビ局は帰国子女という点を強調した感があったが、あの発音は寧ろ我が国の学校教育の発音で、アメリカ式の影響は少ししか感じられなかった。私が岩尾氏にご同情申し上げる点があれば、それは彼が総理の外遊か外国の要人との会談の際にのみ起用されていたとしたら、日頃総理の言葉遣いや感情の動きなどに接しておられなければ、重要な関大等の際に通訳するのは非常に苦労されただろうと思うことだ。それに、彼は常に後方に位置しているので、総理の表情の動きまで見えないという困難さに直面しておられるので、さぞかし大変だと(ビジネスに世界での通訳経験者として)お察しする。



コメントを投稿