トランプ大統領の危機か?:
ワシントン・ポスト紙の最新の世論調査では「トランプ米大統領の支持率が39%、不支持率は55%で、うち44%は「強い不支持」。トランプ政権は29日に発足から100日を迎えるが、同時期の評価としては1933~45年に大統領を務めたフランクリン・ルーズベルトの3期目以降、歴代で最も低い」と分析していた。尤も、この新聞は民主党寄り、即ちトランプ大統領批判派なのであることを看過してはなるまい。
このニュースを見た、厳しくトランプ大統領を批判するジムの馴染みの論客は「もうトランプも末期的か」とまで言い出していた。その直後に寸暇を惜しんでNew York Timesを拾い読みすると、一面に「トランプ大統領は当初は強気で接していたプーチン大統領に批判的な事を言う背景には、海千山千の老獪なプーチン氏に遇われているのでは」との記事があった。言うまでもなくNYTも反トランプ派だ。
報道によれば「トランプ大統領は毎日のように中国から交渉の電話がある」と語られたそうだが、中国外務省の報道官は「交渉している事実は一切ない」と繰り返して記者会見で述べていた。BSのニュース解説の番組では「中国では毛沢東の朝鮮動乱の頃の画を出して『アメリカに勝つまで戦い抜く』という声明を流してトランプ関税に対して一歩も引かない強固な意思を示した」と報じていた。
ここまで見聞すると「状勢はトランプ大統領には余り分がない状況であるかの如きである」と思わせられる。この度のreciprocal tariffs作戦に対して石破首相は「国難である」と表明され、赤沢特使を立てて懸命に対応され、目下のところは東南アジアの諸国を歴訪して結束を固めようとしておられる。だが、この辺りの動きは習近平国家主席と同様である。
私は昨日の一連の経験で感じた事は「本来は安保条約で我が国を守ってくれる同盟国の指導者ドナルド・トランプ大統領を支持し応援せねばならない」と充分に認識できていても、現在の状況下では「トランプ大統領が習近平主席とプーチン大統領に押し切られ翻意して関税を撤回して貰いたいものだ」との気分になってしまうのである。
トランプ大統領の支持率の急降下も兎も角、世界中の同盟国をも不安定な状態にさせてまで自国の貿易赤字削減に成功したとしても、その先に何が生じるのかを予測できているのかと疑いたくなる。更には、「自国の内情が如何なる事態になっても、トランプ大統領を支持すると表明する国がどれほど残っているか」まで配慮しているのだろうかという疑問が生じるのだ。
しかも、トランプ氏は関税で国庫に入る資金を減税に引き当てる予定は変えていないとか。それでは自分の足を食べるような事ではなかろうか。実はトランプ氏に一つの変化の兆しが見えている。それは「関税でIRSに入ってくる資金は輸出国からではない」と解ってきたようであること。
でも、何故「日本との交渉は順調でdealが近い」などと担当官庁が認めていないことを言われるのだろう。赤沢大臣の2度目の交渉は日本時間で5月1日ではないか。専門家の先生方の中には「虚言癖が?」と指摘する方もおられる。
何も中国とロシアがトランプ大統領を屈服させて欲しいと願っているのではない。願わくは「トランプ大統領が自らの非を悟って(世界の王様に就任したのではなかったと自覚して)、reciprocal tariffs作戦を早急に撤回して、世界に安心と安定を取り戻し、自分たちで自国の製造業を劣化させてしまった事態を認めて、tariff等に頼らずに「アメリカをもう一度世界に尊敬される偉大な国にしよう」と努力して貰いたいのだ。
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