新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

一寸一言

2024-08-11 10:07:17 | コラム
兎角この世には色々な出来事が多いので:

北口榛花さんは偉い:
私は単独の項目にして北口榛花さんの優勝を取り上げるべきかとも考えたが、ここに含めると決めた。兎に角何が何でも北口榛花さんの偉業を讃えたい。我々アジア人というか東洋系の体格で、あの白人とアフリカ系の人たちの競技に参加して、期待された通りに陸上競技で、しかも最も優れた身体能力が求められるやり投げ(javelin throwって言うのだそうで)で堂々と優勝したのだから。

彼等とどれほど体格が違うかという事は、私のように彼等の、しかも一般人の中で長年過ごしてきて初めて解ることだと思っている。私は22年半の間に彼等(白人である)と文字通りの裸の付き合いをして、彼等は運動選手でなくてもとても、我々とは比較にならない物凄い体格というか筋肉が備わっているあたりを充分に見てきたからこそ言っているのだ。時には人種が違うのだとすら思ったほど圧倒された。

その連中の中に入って、あの種目で優勝したと言うことの背景には、並々ならぬ努力で身体能力を鍛え上げたのは明らかだろう。凄いことであり素晴らしい成果であると思う。ただ単に「金メダルだ、金メダルだ」と褒め称え、喜んでいるのでは不十分である。北口さんが単身でチェコに渡って優れたコーチの指導を仰いだ決断と努力は、いくら讃えても讃え過ぎることにはならない。今後は北口さんの練習法と身体能力の強化法に学ぶべきだ。

原子力規制委員会:
心ある有識者が挙ってこの委員会の決定を批判しておられる。誠に最も至極であると思う。私が今更この委員会の成り立ちを論じて批判しても意味はないが、この委員会が少しは「天下の」で悪ければ「わが国の電力事情」と「世界の経済と電力の事情」に気を配るべきだろうと思う。

活断層を根拠にして原子力発電所の稼働を止める決定を下すのはその使命を忠実に果たしている英雄気取りで格好が良いかも知れない。だが、それでなくても電気代の値上がりで苦境に追い込まれている中小企業や、一般家庭のことに配慮できれば、活断層がどうのという考えは出てこないだろう。

私はそれも増して国民の生活に対する配慮が少ないのでは無いかと言いたくなるのが、岸田政権なのである。岸田総理はアジアだか何処かの歴訪を中止されたそうだが、得意技の外交に専念されるのも程々にして、私が何度も指摘した「民の竈から煙が上がるような」経済面への配慮をして頂きたいのである。「夏場の電力事情が緊迫する時に備えて短期的に稼働させよ」くらいに措置が講じられないのかという気がする。

三条委員会だから仕方がないと言うのであれば、岸田さんを選んだ国民のオウンゴールかも知れない。敢えて言えば岸田総理とその内閣には「猛省を求めたい」のだ。

街に出てみれば、それでも何分か毎にはEVの1台や2台は走っているのが見られる時代だ。豊田会長が(社長時代に)「EVに本気で取り組むというのならば原発もう10基は必要になる」と指摘されたのを忘れていては困るのだ。これはEVだけの為ではなく電力供給全般について論じられたと解釈している。それだけではなくて、軽佻浮薄にEV推進論を吐いた朝日新聞をも責めたい。

健康保険証:
グッと軽めの話題に落とそう。来年の7月末までの有効期間の保険証が送られてきた。それでも、今年の12月の何日かでマイナンバーカードに切り替わるのだそうだ。何となく無駄な保険証だという気がするが、ひょっとすると何時か総理大臣になってしまうのかも知れない河野さんは、強行されるそうだ。ディジタル・ディバイド世代の私でさえ、おっかなびっくり国立(NCGM)ではマイナンバーカードを使ってみて何とかなった。

河野さんは大きな病院に行けば、患者の大多数は時代に遅れた高齢者ばかりだとご承知で強行されるのだろうかと、何時も奇異に感じている。NCGMでは診察の待ち時間までスマホで解るようになっているアプリを導入され推進しておられる。この様子を見た高齢者の一人は「老人虐めだ」と言って笑われた。確かに街にはスマホを操る高齢の女性が増えた。だからといって、推し進めることが国民に対する親切になるのだろうか。ディジタル化の促進は総理への道だとでも考えているのかな。

「本当」と「最高」の多発:
現代の若手のスポーツ選手たちの語彙が一寸だけ気になった。それは、メダルとやらを獲得した選手たちにインタビューすると、選手たちの話には「本当に」と「最高」がちりばめられているのだ。何も嘘を言っているのではなくて、心から喜んでいるのだが、兎に角「本当に」と「本当」が非常に多く聞こえてくる。訊く方のアナウンサーも「本当派」なので困る。「本当に」に代わる形容詞や副詞が出てこないのである。語彙の貧困ではないか。

「最高!」という絶叫も多い。これでは「何が何処で最もどのように良かったのかを明らかにしていない」と以前にも指摘したが、「最高」は濫用されている。「もう少し具体的に物事を表現できるように国語力を強化して欲しいものだ」と、聞かされる度に感じている。競技が終わったばかりで興奮状態にあるので思考力が働かないのならば話は別だが、落ち着いた状態でも「最高!」と言うだけでは何の説明にもならない。と、言葉に敏感な私は嘆くのだ。

キラキラネーム:
つい先日、某有名私立大学の教員でもあるTK博士と懇談した際に、その超有名私立大学の学生には「読めない名前の者が流石に少ない」と語っておられたが、パリ2024の言わば新種目で活躍してメダルとやらを獲得している若い選手たちの名前(情けない新日本語では「下の名前」になってしまったが)にはどうにも読めないというか想像も出来ない例が多いのが特徴だ。それだけ、新規の種目をこなせる新時代の子供たちだと思わせてくれる。

目下何とか進行中の甲子園の野球でも、強い学校ほど読みようもない、想像が及ばない下の名前が多いのが目立つのだ。命名には新時代が到来したと解釈すればそれまでだが、あれほど漢字を濫用して当て字を使って命名することが日本の新時代の文化かと思うと、一寸だけ寒くなったのは私だけか。男の名前の特徴に二文字目に「希」と「輝」と「大」と「斗」を使ったのが多い事。「翔」は大谷翔平にあやかる前から大流行。少しは考えないのかな。

ドナルド・トランプ氏が吐く悪態:
トランプ氏の言動にアメリカ合衆国の大統領としては品位が乏しいことは、在任中から指摘してあった。その傾向は共和党の候補者になっても変わらない。いや、変わる訳がないのだ。それは、トランプ氏の有力な支持基盤が教育程度に疑問が残る所謂プーアホワイトと労働者階層が主力だからだ。トランプ氏は彼等の知性と教養に合わせた言葉遣いをしているだけだと、私は解釈している。要するに、支持してくれる階層に解るように語りかけているだけなので、知識階級などは眼中にないのだ。

そのトランプ氏が嘗てworking classと形容した労働組合員たちには、初等教育を満足に受けていないとか、識字率が低い者たちが多いという事実は、カーラ・ヒルズ大使が1994年に公開の席で指摘されたことは何度も取り上げた。トランプ氏が屡々競争相手になったハリス副大統領とウオルツ氏の悪口を言われるのは聞き辛いが、マスコミはこの辺りの事情に少しは触れておいても良くはないかと思うのだ。

そうではないと、たまに流れるトランプ氏の演説には、聞くに堪えない下品な表現が多いのである。そうとは知らない人は「アメリカの元大統領にして再選を狙う方が使った言葉だ」と誤認識して真似てしまいはしないかと、密かに怖れているのは取り越し苦労だろう。だが、アメリカの大統領選挙のどんちゃん騒ぎの背景には、こういう事情もあると承知しておいていただきたいと思うので取り上げた次第だ。


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