新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

2月9日 その2 アメリカの1月の失業率の速報に思う

2017-02-09 13:50:34 | コラム
トランプ大統領に政策に思うこと:

専門商社マンからアメリカの紙パルプ産業界の調査機関・RISI発のデータを教えられました。RISIは著作権に非常にやかましく、コピーを無届けで取ることすら許しません。勿論無断転用の違反者からは遠慮会釈なく規程通りの罰金を取りますので、引用する場合には出典を明らかにしないと大変なことになります。ここには明確にRISIとしましたが、拡散は避けて頂いた方が無難かと思うのです。

アメリカでオバマ政権中から失業率が改善され、現在でも安定しています。だが、トランプ大統領様は“job”に拘泥され、我が国では首脳会談を目前にした安倍総理も殊の外その点を重要視しておられるようです。野党はその姿勢を「朝貢外交」と言いたいようですが、私は何処まで気を遣うべきかは微妙な案件のように思えます。下記にあるように、若年層とヒスパニックの失業率が高いことを解消するために自動車工場を増やしたり、孫正義が投資して改善出来るのでしょうか。

>引用開始
<最新の米国雇用統計によれば、1月の非農業部門就業者数が22万7千人増加したが、全体の失業率は前月からわずかに増加して4.8%で推移した。雇用が上向いた職種は、小売業、建設業界、金融活動などで目立った。全体では1月の失業率は前月から微増の4.8%、失業者数の合計は前月から微増の760万人であった。

労働者層別でも、1月の成人男性の失業率は4.4%、成人女性の失業率も4.4%、白人は4.3%、黒人は7.7%、10代の若年層は15.0%、ヒスパニック系は5.9%、アジア系労働者の失業率は3.7%と、どの層もほぼ失業率が横這いかわずかに上昇している。また長期にわたって(27週間以上)の失業者数は前月からやや増加の約190万人で、1月の失業者全体の24.4%を占めたが、この12ヶ月で長期失業者の数は244,000人減少した。

<引用終わる

私はアメリカの“job”(「雇用」と訳すのは誤りだと信じています)と失業については下記のように考えております。

私はどう考えてもトランプ大統領は見当違いをなさっているとしか思えないのです。テレビに出て来る評論家も所謂有識者も学者も皆「トランプ大統領はビジネスマンだから」と振ってから語ります。あれでは「政治の素人だから」とは言いきれないので、逃げているだけにしか聞こえません。かのWharton Schoolで学ばれてから何十年経ったでしょうか。ケーススタディ華やかなりし頃の知識が現代に通用するとでもお思いでしょうか。私は不動産業と製造業は違うと言いたいのです。同じ「ビジネス」の括りには入らないと思うのです。

製造業では経営者でも、実務を担当するビジネスマンでも良いのですが、原料のコスト変動に常に敏感であり、多くの加工・製造工程の合理化に絶えざる注意を払い研究し投資し、国際市場での競合能力を高め、市場の変化と動向と需要(カタカナ語ではニーズ)に合わせて需要先を確保しているのです。その事業の経験がないお方が、雇用ではない「仕事」や「職」のアメリカ独自の在り方を何処までお解りかは極めて疑問似思えて仕方がないのです。

会社側ではない分野、即ち労働組合の仕事を増やすのか、RISIのレポートにあるような階層別の失業率に何処まで如何に対応するかも、大統領令で対応する気かと尋ねたくなります。会社側ではない分野になれば、再三採り上げてきたように識字率の問題もあれば教育程度の問題も考えるべき重要な要素でしょう。現在でも英語が解っていない組合員はいるのです。そこにはヒスパニック他の“minorities”が多いのです。

ところで、Weyerhaeuserの9代目のCEO、ジャック・クレイトン氏は8代目だったWeyerhaeuser家4代目の当主だったジョージが任命した、会社全体の20%にも満たなかったWeyerhaeuser Real Estate Companyの社長だった人物です。しかし、同じ不動産業界の出身者でもトランプ様のような傍若無人ではなく、温厚で常識的な立派なCEOでした。退任後はUnited Air LinesのCEOに転出されました。話が逸れました。因みに、クレイトン氏は州立大の出身でMBAはマイアミ大で取得されていました。

私はトランプ大統領が標榜されるように、多くの仕事(=job)を創出して雇用を増大するのは重要だと思います。だが、どのような仕事をどのような階層のために産み出していくことが肝腎であって、トランプ大統領が声高に主張されていることは、“He is missing the point.”か“He is confusing himself.”のように見えて仕方がないのです。焦点が絞れていないと思えるのです。補って欲しいという声は、学歴が低い方のブルーカラーの分野だというのが現場の声だと長年聞かされてきました。



Englishらしい表現集

2017-02-09 09:18:33 | コラム
一寸ひねった表現を:

矢張り英語の特集を続けたくなってしまった。

“mean”の使い方:
解説)例文を挙げていこう。“I mean it.”と言えば「私は本気で言ったのだ」となる。これは例えば“I will not support President Trump’s policies.”と言った後で、こう言えば本気の度合いが明らかになるというもの。また、“He says what he means.”も「彼はそのつもりで言っている」となる。また、過去形を使って“I meant no harm.”ならば「傷つける気はなかった」でも「悪げはなかった」ともなる。

なお、“mean”とはジーニアス英和には先ず「〈物・事・言葉などが〉〈人・物・事〉を意味する」と出て来る。だが、実際の会話にはこういう使われ方をされるので、惑わされないように注意されたい。

“I saw him coming my way.”
解説)「彼が私の方に向かってきた」と言うことだが、注目すべき点が“my way”だろう。他に何と言うかを考えてみれば「なるほど」と思わせてくれる。“He came toward me.”と言って通じるかどうかは知らない。他の例文を挙げておくと、“I won’t be getting into your way.”とすると、「君の邪魔はしない」となってしまう。

“If I am not mistaken, my boss did not fire him. He quit.”
解説)やや盛り沢山になってしまった。先ず“If I am not mistaken ~”は「私の間違いでなければ」でも良いし「私が思い違いをしていなければ」と言いたいときに使えると思う。“fire him”は遍く知れ渡った「~を馘首する」だ。この一寸ひねった言い方に“He was let go.”などがある。「我が上司は彼を辞めさせていなかった。彼は自分から辞職したのだ」ということ。「辞職」には“resign”があるが、日常的には“quit”を聞いたことが多かったと思う。

“Where did you learn to speak English so well?”
解説)「何処でそんなに上手に英語が話せるように勉強したのですか」と尋ねられるように上達しようと努力しておられるだろう。答えは“At schools.”でも“Here in Japan.”でも“I was born in the United States of America and stayed there until the age of 13.”でも何でも言い方があるだろうと思う。私が最も格好が良いかなと思っている言い方は、“I have just picked it up myself.”で、「独学(自力?)で覚えました」なのだ。

因みに、非常に巧みに日本語を操る外国人(アメリカ人でも良いが)に“Were you born here?”(または“Born here?”)と尋ねれば、最高の褒め言葉になる。即ち「日本で生まれ育ちましたか」と訊いているのだから。

“I’d hate to bother you but would you please get me the writing pad over there for me?”
解説)「お手数をかけますが、そこのレポート用紙を取って頂けますか?」なのだが、“hate to bother you”の代わりに“May I ask you ~?”でも同じだと思う。“get”は“have”や“make”と同様に上手く使えるようになれば表現の幅が広がるといわれている。“get me”もその例の一つで「取ってくれ」の意味である。他の例文を挙げておくと“May I ask you to get those trays out of my way?”といえば「あのお皿を片付けて頂けますか?」となる。

なお、英語では“for me”も重要で、そう付け加えるのをお忘れなきよう。

“Could you speak up, please? I can’t hear you very well over here.”
解説)「もう少し大きな声で言って下さいませんか?ここまで良く聞こえないのです」なのだ。要点は“speak up”である。大きな声ならば“loud”があるじゃないかと言われそうだが、Oxfordには“1, making a lot of noise”となっており、“2, (of a person or their behavior)talking very loudly, too much and in a way that is annoying”となっていて「大きな声で言って下さいませんか?」には不向きだと思う。