新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

11月13日 その2 関東学生アメリカンフットボールのリーグ戦観戦記

2016-11-13 20:57:55 | コラム
観戦記とは言ったものの、横浜スタジアムで午後1時過ぎから19時まで2試合、今年初めてであり昨年からは1年振りの観戦で流石に些か疲労気味。車とJRを乗り継いで帰宅は20時。試合は早稲田対法政に続いて慶応対日大と、ともにリーグ優勝に大いに関係するもの。結果は明日の新聞等でお解り頂けるとは思うが、私なりの冷静な観戦記は体力と気力が戻るであろう明日にでも。

昼食をと暫くぶりに足を踏み入れた南京街(中華街)の大混雑は、現在の休日における築地場外と同程度かそれ以上。歩くのもやっとだった。いやはや恐れ入った次第。交通の便か良くなればあの様な状態になってしまうという悪い例か。

トランプ氏の当選を分析すれば

2016-11-13 08:39:01 | コラム
2億6,000万人が3億2,000万人となっていた:

1990年代の初期までにアメリカの人口を語る時は2億6,000万人としていた。それが20年も経過した今となっては実に3億2,000万人と、何と40%近くも増えていたのだった。人口減少が大きな悩みとなっている我が国とは大きな違いだ。言うなれば、90年代初めにはアメリカの人口は我が国の倍くらいと考えていて良いものだと思い込んでいた。それが今や我が国よりも矢張り40%も大きくなっていたのだった。その増加分が白人が中心だったとはとても考えられないのだ。では、誰が増えたのか。

その頃の我が懐かしきワシントン州シアトル市は精々100万人程度の人口で、静かで住環境の良い街だった。ところが、2000年4月に6年振りに訪れてみれば、シアトル空港から市内への交通渋滞は想像を超えた領域で、従来は30分で済んでいたものが1時間を超えていて、危うく約束の時間に間に合わなくなるほどだった。聞けば「住みやすさ、静かさ、治安の良さに誘われて、流入人口が激増し周辺の街を含めれば人口は300万を突破して以前から好ましくなかった交通渋滞が飛躍的に悪化した」とのことだった。

シアトルなどはほんの一例で、続いて10年と12年に訪れたカリフォルニア州などはワシントン州の比ではない交通渋滞の州だったが、そこにはその地での所謂少数民族(minoritiesと複数形になっている)の代表的な存在である韓国人があらゆる所に根を張っており、コンビニやスーパーなどのレジ係の顔を見れば「ここはソウルか」と思わせるほどだった。勿論、ヒスパニックかラテイーノと呼ばれる南米系も韓国人よりも多いだろうが。

その時に非常に印象的な出来事に出会った。それはロスアンジェルス郊外の広大なKoreatownで韓国料理店で夕食をとった時のことだった。そこではウエイターもウエイトレスも当然韓国人で彼らは英語は話すが仲間内では韓国語だった。そこで発見したことは、床掃除等の雑役を受け持っていたのはヒスパニックで彼らは嬉々として働き、ヴァイキング方式(英語はbuffetで良いだろう)の残飯の如きものを賄い食としてあてがわれ、平気で客席のテーブルで食べていたのだった。

長くなったが、私の解釈は「そこで新参者と言って良いだろう韓国人が雇用主として、恐らく同じ流入人口だっただろうヒスパニックに雇用を提供していた」だった。見方を変えれば、本来は新参の韓国人のものだったかも知れない雑役夫の職が、ヒスパニックに回ってきていたのだった。私には「ヒスパニックたちが先着であるかや、市民権を持っていたかは解らないが、アメリカではこのように後から後から入ってくる者たちが従来からいた者たちの職を脅かしているのだ」と見えたのだった。

遠回しな表現だったかも知れないが、アメリカではこのように新参者たちが先住というか先着で職を得ていた少数民族たちの職を脅かしていたので、「移民」に対する抵抗感や嫌悪感があったにも拘わらず、本来は彼ら低層にある連中を保護し票田としていたはずの民主党が、一向に事態を改善しない為に「メキシコとの国境に壁を作る」であるとか「イスラム教徒を入国させない」と声高に語ったトランプ氏を支持する方向に向かった大きな要因だろうと思っている。そんなことは先刻承知だと言う方は多いだろうが、私はこのように実例を見せつけられたことを基に申し上げているのだ。

実は、既に述べたことだが、私は何の理論的な裏付けもなく、あれほどヒラリー・クリントン(Hクリントン)の大勝利と識者もマスコミも誰もか予想していたことに特に異論はなかった。だが、何時も申し上げてきた「閃き」では、何となく「そうはならないこともあり得るのでは」となっていた。また、理論的にもHクリントンの勝利は十分に考えられるが、トランプ氏の勝利を予測するだけの理屈を考えるまでには至らなかった。そこで、トランプ勝利説を一切言わずにに終わってしまったのは、少し残念だった。

もしも、トランプ氏の勝利を予想する材料があれば「アメリカの史上同じ党から3回続けて大統領が出たことは1度しかなく、近年では1度もない」と、長年の尊敬する知人である元大学院大学教授が教えてくれたことがあっただけだ。そして、その通りとなった。実は、彼はHクリントンの支持者だったそうで、女性大統領の出現を熱望していたと、昨日知らせてくれた。世の中とはそんなものだ。

もう一つ、トランプの勝利を予感したのではなく、民主党政権が続くことを嫌う理由が私にはあった。それはWilliam Jefferson (Bill) Clinton(Wクリントン)政権時代にはアメリカ連邦政府は誠に我が国に対して冷酷であり、「ジャパン・パッシング」であるとか「ジャパン・パッシング」や「ジャパン・ナッシング」などとマスコミが面白おかしく(なんてある訳がないのに)囃し立てていたのだった。即ち、Wクリントンを毛嫌いしているのだ。であれば、その奥方も同様だ。

紙パルプ業界出身者として言えば、民主党政権は我が国の業界に対して「パルプやウッドチップ等の原料だけを輸入するのではなく世界最高の品質を誇るアメリカの紙を買え」と身の程知らずの圧力を強硬にかけてきた。しかも、その高圧的売り込みが功を奏さないと見るや「買わないのであればスーパー301条を適用する」と、Wクリントン政権は言わば脅迫に近いことまで言い出した始末だった。この試みは不発に終わったが、それが何故だったかの議論は既に尽くしたし、必要とあれば別途解説する用意はある。

要するに、私は更なる民主党政権の誕生は我が国にとっては”bad news”であり、到底歓迎してはならないことなので、Hクリントンには勝って欲しくないという言わば「願望」というか、「希望的敗戦予想」のような見方をしていたのだった。上記の元大学院大学教授はHクリントンの敗因に「白人、それも大学卒ではない男性の支持を得られなかったこと」を挙げていたが、私は1,200万人も言われている不法滞在者に雇用の安定を脅かされている下層にある今や少数民族とは言えないほど増えたminoritiesがトランプ支持に回っただろうことも大きかったのではと思っている。

因みに、わたしはこの元大学院大学教授、彼の元夫人、長男の3人をアメリカの代表的知識階級に属するアッパーミドルだと思っている。蛇足だが、全員がMBAである。

また、全米各地に発生している「反トランプ」のデモ行為は何となく一過性ではないような気がしてならない。それはトランプ氏自身が「国内の”Division”を避けねばならない」と言い、識者が「トランプ氏の勝利でアメリカが二分されつつある」と指摘しているからである。私はこれ以上アメリカに非白人というか少数民族が完全に多数派となってしまう日が来ることを恐れている。それは現時点でもトランプ氏の正体が見えてきていないからだ。