新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

本田圭佑は何処までやってみせるか

2014-01-09 12:36:21 | コラム
本田は上手いのだがマスコミの騒ぎ過ぎが気懸かりだ:

遂にというか何と言うべきか、我がA代表の大黒柱にザケローニ監督が仕立て上げた本田圭佑がロシアリーグを抜け出してイタリアはセリエAの古豪、ACミランへの入団会見までやってのけた。私はどうしても香川真司君がマンチェスター・ユナイテッドに入った時にこの監督が言い切った「彼が3年経ってもそこにいれば初めてお目出度うと言って上げる」を思い出してしまう。彼が嘗て監督を務めたミランに本田が入った後では何と言って祝福する気なのだろうか。

香川君には気の毒だが、ザケローニ監督の予言はほぼ的中しているかの感が深い。彼の日本代表の監督としての最終的成果はW杯が終わるまで決まらないが、彼は流石にヨーロッパのサッカー界で起きるだろう事を見抜く眼力はあるようだ。一部のマスコミ報道では彼は本田のミラン入りの後押しをしたとか。

私は本田圭佑は確かに抜群に上手いと認めている。オシム監督の頃だったか岡田監督が急遽登場した後かの記憶はないが、私は本田がトップで前線に残ってポイント・ゲッターをやっていた場合の点を取る強さが印象に残っている。実は、かく申し私も昭和20年代の関東大学4部リーグという組織で、時には審判員が来ないこともあったところで、この役をやっていたことがあった。この程度の場ではほとんど数少ないチャンスをものにすることが出来たものだった。

だが、仲間からは「それだけの力があるのだったならば、後ろに下がってボールを奪うことから始めてゲームを組み立てるべきだ」との訳の解らぬ意見が出て拾い屋に下がってからは、サッパリ点が取れなくなったものだった。昔の4部リーグとA代表とを同日に論じる気はないが、本田の鋭さと特徴はこの点取りへの嗅覚辺りにある気がしてならない。だが、ザケローニ監督はトップ下に使っているし、彼自身も記者会見でミランでもこのポジションが欲しいと言っていた。

セリエAと比べれば次元が高いとは言えない場でトップ下だった新参者が、あれほどのティームでいきなりその役目を立派に果たしていけるのかどうかは、やってみなければ解るまい。私はそこでこれまでの本田の見えざる欠陥だった「スピードの無さ」というか「俊足ではない」ことが始めて問題になるのかも知れないと思っている。それに私が気になるのが、未だ一試合もやっていない本田を持ち上げ過ぎだと言いたいかマスコミ報道である。要らざる圧力だ。

テレビでは本田が記者会見で流暢な英語で抱負を述べたと謂わば礼賛した。あれだけでも英語が出来れば、英語を理解する仲間との日常の会話には役立つだろう。だが、かの中田英寿は「セリエA入り目指して高校の頃からイタリア語を勉強していた」という伝説を聞いた事があった。言葉が全てではないが、イタリア語に関しては彼の奮起を望むだけだ。

私は本田が日頃から大言壮語し強気であるとマスコミ報道から認識している。だが、私の持論である「全てのコインには両面がある」に基づけば、本田は表面を隠したいがために、本来の自分にはない裏面を見せているのではと疑っている。即ち、本田のサッカーには意外性もなくサプライズも少なく、極めて真っ当なプレーしか見たことがないのである。彼の性格は慎重で、気が強い方でもないので、手堅く手堅く失敗がないように安全に物事を進めたいプレーヤーではないのかと見ているのだが。

その気の弱さと安全第一尊重を見破られたくないためと、自分を鼓舞するための大言壮語かと思っている。そういう性格の衆議院議員を一人知ってる。彼も中学時代は強豪だった我が母校の蹴球部に属していたし、気が弱く付き合いやすい良い奴で青白き秀才だった。ここに敢えて実名を出すまでもあるまい。そうです、あの人です。